第2回:
シリコンバレー発SUKIYAKIレポート 2017年9月15日

本コーナーでは、事業開発コミュニティSUKIYAKIが実施したイベント、テクノロジーのトレンドなどについてレポートします。

AIスタートアップの最新のトレンド

〜AIの民主化とスタートアップの動向〜



AIスタートアップへの投資は、2012年$589M(160件)から2016年$5,081(658件)と年々増加を続けており、未だ衰えを見せない。なぜAIスタートアップが勃興しているのか?どのようなトレンドがあるのか?注目すべきスタートアップは?
業界で初めてAIに特化し投資を行うファンドComet Labsを2015年に設立し、様々なAIのカンファレンスでKeynote Speakerを務める同Managing PartnerのSaman氏に聞く。
Comet Labsは、AIを支える要素技術であるセンサーやアルゴリズムなどのEnabling Technologiesと、医療、モビリティ、製造業などの産業の具体的な課題を解決するIndustrial Applicationsの双方に注目し、今まで1000件超のAIスタートアップを投資検討、約40社程度のAIスタートアップに対してシードラウンドの投資を行っている。

■AIスタートアップが増え続ける理由
Saman氏は、AIスタートアップが増え続けている理由に、①データの爆発②コンピューティングパワーの増大③AIツール(アルゴリズム)のコモディティ化を挙げる。2020年までに500億のデバイスがインターネットにつながると言われ、モバイル、ソーシャルメディア、IoTによりデータは増大、世の中にはデータが溢れている。データを解析するためのコンピューティングパワーも年々向上。GoogleのTensor FlowなどのAIツールも数多く登場し、複雑な専門知識が無くても誰でも簡単に課題解決のためにAIを使えるようになった。環境が整ったことにより、AIスタートアップが爆発的に増えていると語る。

■AIを使ってインダストリーの課題を解決するスタートアップ
AIを活用しインダストリーの解決に挑むスタートアップが増加しているという。彼らはAIを使う事を当然と考え、自分たちをAIスタートアップとも思っていないのだという。
「損害保険会社に対し、AIによる画像自動解析によって損害箇所の保険金額の自動査定を提供するスタートアップは、自らをAIスタートアップでは無く、保険業界にソリューションを提供するスタートアップととらえている。AIは完全にソリューションに溶け込んでいる。AIは民主化された。」とSaman氏は語る。

■AIスタートアップVS大手企業
データを集めたものが勝ちと思えるようなこの世界で、資源を持たないスタートアップは不利に思える。大量のデータを保有する大手企業相手に、どのように勝ち切るのだろうか。鍵は顧客獲得のスピードだと、Saman氏はいう。大手が参入する前に、課題を解決するAIモデル構築し、顧客獲得(データ取得)⇒顧客からのフィードバック⇒AIモデル改善というループを高速で回し、圧倒的なスピードで突き抜けることができるかが勝負。Saman氏は、独自のソリューションで初期顧客を獲得し、業界のリーディングカンパニーとなった2社の投資先を、典型的な成功例として紹介する。

■注目のAIスタートアップ
Ripcord (SeriesB $49.5M)
Ripcordは、3兆円と言われる文書管理市場に対して、一気通貫したソリューションを提供するスタートアップである。同社は、顧客の書類をスキャンし、AIにより自動でIndexをつけ、カテゴライズし、検索可能なデータとして保存。既存の業務管理システムとも簡単にインテグレート可能なこともあり、コカ・コーラ社やFortune500の企業を多数顧客に持つ。Saman氏は、AIによる文書管理ノウハウで業界をリードする同社の成長に期待していると語る。
3Scan (SeriesB $21M)
3Scanは、病気の原因分析において、今まで細胞レベルでしかできなかった分析を、更に詳細なレベルで行う事を可能にするスタートアップ。KESM(Knife-edge Scanning Machine)というマシンを使い、細胞を何層にもスライスした3Dイメージを生成。腫瘍、ガン、心臓病、アルツハイマーの原因分析が可能なデータを医療関係機関、製薬会社などに提供する。Saman氏は、同社のソリューションが、今まででは解決できなかった病気の原因究明に役立つのではと期待を寄せている。
AIスタートアップへの投資は、2012年$589M(160件)から2016年$5,081(658件)と年々増加を続けており、未だ衰えを見せない。なぜAIスタートアップが勃興しているのか?どのようなトレンドがあるのか?注目すべきスタートアップは?
業界で初めてAIに特化し投資を行うファンドComet Labsを2015年に設立し、様々なAIのカンファレンスでKeynote Speakerを務める同Managing PartnerのSaman氏に聞く。
Comet Labsは、AIを支える要素技術であるセンサーやアルゴリズムなどのEnabling Technologiesと、医療、モビリティ、製造業などの産業の具体的な課題を解決するIndustrial Applicationsの双方に注目し、今まで1000件超のAIスタートアップを投資検討、約40社程度のAIスタートアップに対してシードラウンドの投資を行っている。



木村将之
SUKIYAKI代表。
筑波大学院非常勤講師、トーマツベンチャーサポート株式会社シリコンバレー事務所 Managing Director
SUKIYAKI
在シリコンバレー日系企業による新規事業開発を目的とした互助会。「日本を元気に!」をテーマに、シリコンバレースタートアップとの連携による新規事業開発に必要な、機会の創出、組織変革、個人の能力育成につながる活動を定期的に行う。
www.svsukiyaki.com