第3回:
シリコンバレー発SUKIYAKIレポート 2017年10月20日

本コーナーでは、事業開発コミュニティSUKIYAKIが実施したイベント、テクノロジーのトレンドなどについてレポートします。

SUKIYAKI × カーネギーメロン大学発
スタートアップ



8月24日、シリコンバレー事業開発コミュニティSUKIYAKIとカーネギーメロン大学(以下、CMU)が共催し、CMUが推薦するスタートアップが日本企業の事業開発担当者にプレゼンテーションを行うイベントが開催された。今話題の自動運転やロボティクス、AIの研究開発に力を入れているスタートアップ6社が登壇した。イベントは、カーネギーメロン大学シリコンバレーキャンパスの教室で行われ、50名以上が座れるはずの教室が満席となり、立ち見が続出し、会場は熱気に包まれた。セッション後も議論は続き、共同開発、実証実験に繋がる案件が複数生まれた。

■起業家育成に力を入れるカーネギーメロン大学
カーネギーメロン大学は米ペンシルベニア州で鉄鋼の町として栄えたピッツバーグ市に位置している私立大学であり、Wifiを発明し、自動運転の研究をいち早く開始した大学としても知られる。ロボティクス、コンピューターサイエンスで有名で、2015年には、Uberがロボティクス学部の教授や研究者40名を引き抜き大きな話題となった。近年は、サンフランシスコ/シリコンバレー(キャンパスはNASAのAMES研究所敷地内に存在している)での活動にも力を入れており、起業家教育を充実させ、企業と共同で多くのハッカソンやアイデアソンを多く開催している。
ロボティクス、自動運転、AIが特に強く、出身スタートアップの買収が相次ぎ話題となっている。最近では設立して数カ月の自動運転スタートアップ、Argo AIがFord社に$1Billionで買収された。SUKIYAKIイベントを共催したカーネギーメロン大学のCMU-Emirates iLabを運営するエバンス教授やその他関係者に、今回登壇したスタートアップから特徴的なスタートアップを紹介してもらった。

■エバンス教授推薦の登壇スタートアップ3社(騒音下での音声認識、超音波データの3D画像化、Big data可視化技術)
Capioは、2014年に創業したスタートアップ。CMUで培ってきた研究を基に音声認識技術でGoogleやAmazonを上回る精度を実現しており、騒音がある環境下での音声認識精度に強みを持つ。屋外や車内、コールセンターなど、従来では音声認識が困難であった環境下での音声認識技術活用を可能にし、日本企業とも実証実験を進めている。
Ultrascan Guideは、IBMのThink Padノートパソコン(今はLenovoブランド)の赤いトラックポイントを発明した本人が立ち上げたスタートアップ。X線検査装置を使わずに、関節の不具合、特にスポーツ選手の膝靭帯損傷などのケガを早期に発見できる小型で安価な超音波装置の出力データを3D画像化する技術の開発に挑戦している。
近年、企業の多くは、社内外に蓄積されている膨大な量のデータ(Big data)とAI技術を組み合わせることであらゆるインサイトを得ようとしている。このBig dataやインサイトを高速に可視化する技術を開発しているのがXSEERである。XSEERの可視化技術は、データ処理を簡易化することで膨大な量のデータをマクロとミクロの両方の視点で瞬時に可視化可能。従来の方法では数時間かかっていた処理時間を秒単位にまで短縮することで、ユーザーはデータの傾向を直感的に理解できるようになる。
最近では、スタンフォード大学のStartXやカリフォルニア大学バークレー校のSkydeckなど、米国の大学の多くがスタートアップ支援プログラムを拡充させている。今後もSUKIYAKIでは、大学発スタートアップと日本企業の取り組みを推進していきたい。
(CMUとのイベントでの登壇スタートアップの紹介は、digital-innovation-lab.jp/sukiyaki/でもご紹介いただきました。)

福浦武蔵(フクウラ タケゾウ)
SUKIYAKI運営メンバー。
トーマツベンチャーサポート海外事業部シリコンバレー事務所Head of Technology Alliance。
Carnegie MellonUniversity MBA。
ボランティア活動の一環としてメンタリングなどを通じUC BerkeleyやCarnegie Mellon大学でメンターを務め、大学発スタートアップを積極的に支援している。
SUKIYAKI
在シリコンバレー日系企業による新規事業開発を目的とした互助会。「日本を元気に!」をテーマに、シリコンバレースタートアップとの連携による新規事業開発に必要な、機会の創出、組織変革、個人の能力育成につながる活動を定期的に行う。
www.svsukiyaki.com