Innovator & Innovations 第2回も満場御礼にて開催! 2017年12月15日

日経BP 中田氏
SUKIYAKI代表 木村氏
今月11日(月)、SPACES BY SANTANA ROWにて、SUKIYAKI、J weekly協賛イベント「Innovator & Innovations 大手製造業が始めたシリコンバレー流デジタルイノベーションの真相」が開催された。
ゲストスピーカーとして、日経BPシリコンバレー支局長の中田氏が登壇。
会場には、約100人の参加者が、SAPPORO、三和酒類、伊藤園から提供いただいた飲み物を片手に会場を埋め尽くした。
講演では、スタートアップ企業への豊富な取材を通じて明らかとなった、アジャイル開発、デザイン思考、リーンスタートアップといったシリコンバレー流の方法論についてお話いただいた。
GEを始めとする大企業もスタートアップ企業同様にこの方法論を学ぼうとしていることに言及し、日系企業も変革を起こすためのこの方法論を定着させる必要があるのではないかと投げかけた。
講演の後には参加者から質問が活発に飛び交い、会場は大いに盛り上がった。   

Innovator & Innovations イベント連動インタビュー2017年12月1日

「Innovator & Innovations」とは、シリコンバレー×イノベーションの分野で活躍する日本人にスポットライトを当てた講演イベント。本コラムでは、イベントに先立ち登壇者の経歴、実績、魅力をご紹介。

第2回 Innovator日経BP社シリコンバレー支局長 中田敦氏



■日経BP社シリコンバレー支局長に至るまでの経緯
1998年に日経BP社に入社し、2000年からIT関連媒体の配属になりました。
当初は日本でMicrosoftやIBMなどITベンダーの動向を取材していましたが、2008年頃からAmazon.comや Googleといったインターネットでサービスを提供する企業もカバーするようになりました。かつてはテクノロジー製品を顧客に売る、いわゆるITベンダーを取材していれば最新のテクノロジー動向を追えました。しかし2000年代中頃から、GoogleやAmazonなどのネット企業が自社のために開発するテクノロジーの方が、従来のITベンダーが開発するテクノロジーよりも圧倒的に進んだものになってきていることに気が付いたためです。
象徴的だったのが「Gmail」でした。2004年にGoogleがGmailを開始した際、メールボック容量は1GBが無料でした。それに対してMicrosoftの「Hotmail」は無料の容量が2MB。しかもGmailの方が全文検索機能を備えるなど使い勝手も良く、「広告業」が本業であるGoogleがテクノロジー面でMicrosoftを上回ったことを印象づけてくれました。
この流れはますます広がり、今はGoogleだけでなくUberやAirBnBといったITベンダーではない企業が、自らの手でテクノロジーを開発し様々な産業を変革し始めています。そしてテクノロジーの最新動向は、こうした企業が生み出す時代になりました。しかし彼らは、テクノロジーを他人に売るためではなく自社で利用するために開発しています。そのためテクノロジーの詳細を外部に発表しないケースが多々あります。そこでこうした企業をリアルタイムで取材するために、2015年4月にシリコンバレー支局を開設し、私が支局長として赴任しました。   

■シリコンバレーで気づいたこと -イノベーションはスポーツ-
シリコンバレーで自動車産業や農業、医療など数多くのスタートアップを取材する中で、急成長する企業には、いくつか共通点があることが分かってきました。スタートアップは、ソフトウェアやアルゴリズムを武器に成長しているだけでなく、顧客に必要とされる製品やサービスを生み出すための共通の「方法論」を、必ず実践していることです。アジャイル開発やデザイン思考、リーンスタートアップのなどがそその方法論です。いずれも、顧客の声を積極的に取り入れ、サービスを頻繁に改善するところに特徴があります。
感銘を受けたのはスタンフォード大学の「d.school」の存在でした。スタンフォード大学出身の起業家は大学でデザイン思考やアジャイル開発などを基礎として学び、それをスタートアップで実践しているのだといる実感しました。こうした方法論は、既存の産業をテクノロジーによって変革する「デジタル・ディスラプター(破壊者)」にとって「お作法」のようなものです。例えばデザイン思考では、会議の進め方や想定ユーザーへの質問術、会議でまとめたアイデアを共有するための「ストーリーボード」の書き方などが、事細かく決まっています。
こうしたお作法を「訓練」によって身につけ、実践しているシリコンバレーのイノベータの姿は、日々の練習を欠かさないプロスポーツ選手の姿に重なって見えました。

■日本企業へのメッセージ
シリコンバレーで取材をする中で気付いたのは、米国の老舗企業が顧客の痛みを知りサービスを改善し続ける手法をシリコンバレーのスタートアップから学び、実践をしていることでした。代表格がGeneral Electric(GE)です。GEは毎年秋にサンフランシスコで、IoT(Internet of Things)のカンファレンス「Minds+Machines」を開催していますが、その雰囲気やGEが発するメッセージは、GoogleやFacebookといったシリコンバレーのプラットフォーム企業と通じるところがあります。GEだけではありません。General Motors(GM)やFordといった東海岸の古くて大きな会社がシリコンバレーの方法を学び、真似し始めています。
近年、シリコンバレーに最新トレンドを学びに来ている駐在員がたくさんいらっしゃっており、新規事業を起こす方法を探求、模索されています。皆さん、良い技術を持つ提携先を一生懸命探していますが、本当にやるべきことはそれだけでしょうか?ソフトウェアをベースにしたサービス、デジタルを軸にしたビジネスモデルの変革が求められている現在、米国の老舗企業と同じように、シリコンバレーに存在する変革を起こすための方法論を習得し、日本企業に定着させることも必要なのではないでしょうか?
私が、シリコンバレーで、スタートアップや先端テクノロジー企業、そして米国の大手製造業を追いかける中で見えてきたものを、12月11日にお伝えできればと思っています。

中田さんのお話の続きは「Innovator & Innovations」イベントにて「大手製造業が始めたシリコンバレー流デジタルイノベーションの真相」というテーマでお話いただきます。

大手製造業が始めたシリコンバレー流デジタルイノベーションの真相
日時: 12月11日(月) 17:30開場 18:30-19:30講演 20:00閉会 
SPACES 3031 Tisch Way, San Jose, CA 95128
申し込み: eventbrite.com/e/innovator-innovations-2-tickets-40799650854
中田敦氏
1975年4月 富山市生まれ
1998年3月 慶應義塾大学 商学部 卒業
1998年4月 日経BP社入社、「日経レストラン」編集部に配属
2000年9月 Web媒体「BizTech」編集部に異動 以来、17年間、IT専門記者として働く
2015年4月 シリコンバレー支局長
SUKIYAKI
木村将之
SUKIYAKI代表。トーマツベンチャーサポート株式会社シリコンバレー事務所Managing Director。筑波大学院非常勤講師。
在シリコンバレー日系企業による新規事業開発を目的とした互助会。「日本を元気に!」をテーマに、シリコンバレースタートアップとの連携による新規事業開発に必要な、機会の創出、組織変革、個人の能力育成につながる活動を定期的に行う。
www.svsukiyaki.com