第13回:
宗教団体向けアプリ / ライブ授業マーケットプレイス / 自動運転化キット / 超小型衛星ロケット / 食事宅配 2017年7月20日

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

  1. 「宗教団体向けアプリ」Pray.com
  2. www.Pray.com
    [App/宗教] Pray.com
    Seed VC ($2M) Greylock Partners, Science Media and Spark Capital

    宗教団体・信者向けのコミュニケーションプラットホーム。
    宗教団体が信者とのコミュニケーションを容易に行えるオンライン上のコミュニケーションツール。宗教団体のリーダーが自分の声を録音して投稿できるほか、寄付金のやりとりなども行える。現在でも、一部の宗教団体ではYoutubeやTwitterなどの複数のオンラインツールを利用し信者への呼びかけに利用しているが、集団の規模が多くなるにつれてコミュニケーションの管理が煩雑化。Pray.comでは包括的なプラットフォームとして、宗教団体と信者とのやり取りがより簡単に行えるようにすることを目指す。 現状アプリは無料でダウンロード可能。
    2016年設立。本社はLA。今後、ユーザ数の拡大に伴い有料化を検討している。

  3. 「ライブ授業マーケットプレイス」Outschool
  4. www.outschool.com
    [Marketplace/教育] Outschool
    Seed VC ($1.4M) Caterina Fake, Collaborative Fund, FundersClub, Learn Capital, Sesame Ventures, Spectrum 28, SV Angel and Y Combinator

    ライブの各種授業のマーケットプレイス。
    プロの教育者や個人事業主などがライブの学習クラスを運営することができる。ターゲットはK-12で、少人数制が特徴。美術や科学、プログラミング、語学などコンテンツは1,000以上におよび、学校外の個人学習やホームスクーリングに活用されている。既に20,000人のユーザーを獲得しており、そのほとんどがアメリカとカナダに在住。コンテンツ提供者は1コースあたり$5以上から数百ドルまでの価格を設定でき、Outschoolは受講料の17%を手数料として徴収する。コンテンツ提供にあたって教員資格は必要ないが、事前にOutschoolによる審査を通過する必要がある。
    2015年創業、本社はカリフォルニア州サンフランシスコ。Sesame Workshop(Sesame Streetを運営するNPO)等が当調達ラウンドに参画。調達した1.4Mは事業規模拡大・コンテンツ拡充に利用する予定。

  5. .「自動運転化キット」Drive.ai
  6. www.drive.ai
    [SaaS/人口知能] Drive.ai
    Series B ($50M) GGV Capital, New Enterprise Associates and Northern Light Venture Capital

    既存の自動車の「自動運転化」キット。
    新規の自動運転カーを開発しているのではなく、現在ある既存の自動車を自動運転化するための改造キットを開発している。Stanford大学のAI研究所のチームが立ち上げた。現在はパイロットテストを行っている段階だが、雨が降る中での夜間走行など、難しいとされる視界不良な中での自動運転にも対応しつつあるという。ターゲットとするのは、多くの車を運用している企業や政府。自動運転時代が到来する中で、一気に大量の自動車を買い換えることが難しい事業者のニーズに応えるとしている。
    2015年創業、本社はカリフォルニア州マウンテンビュー。New Enterprise Associates等から調達した$50Mは研究開発費や、海外展開に向けての従業員の拡充にあてる予定。

  7. 「超小型衛星ロケット」 Vector Space Systems
  8. www.vectorspacesystems.com
    [Marketplace/航空宇宙]
    Series A ($21M) Lightspeed India Partners, Sequoia Capital and Shasta Ventures

    超小型衛星向けの打上ロケット。
    50〜100kgの超小型衛星への需要は拡大しており、今後の宇宙システムのトレンドとなることが見込まれるが、打ち上げにかかるコストが高く格安の打ち上げ機会の提供が期待されていた。Vector Space Systemが開発中の打ち上げロケットはこのような市場の期待に応えようとしたもの。打ち上げ1回当たりのコストを約1.5億円に抑えることを目指す。これはSpaceXの60億円(大型衛星向け)、Rocket Lab(ニュージーランド)の5億円(小型衛星向け)に比べても格安。Vector Space Systemでは今後の衛星打ち上げ規模は年間400-500機まで拡大することを見込んでおり、内年間100機の受注獲得を目指す。NASAとDARPAからSmall Business Innovation Research awardを受賞。
    2016年創業、本社はアリゾナ州。Sequoia Capital等から今回調達した$21Mは、テスト進捗を早める目的で使用する予定。

  9. 「食事宅配」Freshly
  10. www.freshly.com
    [Commerce/食品] Freshly
    Series C ($77M) Highland Capital Partners, Insight Venture Partners, Nestle and White Star Capital

    新鮮食材を使った料理の定期購入型宅配サービス。
    オンラインであらかじめ好きな料理を選んでおくことで、経験豊かなシェフが新鮮な食材を使って作った料理を週に一回まとめて届けてくれる。料理は冷凍保存はしておらず、冷蔵ボックスに入れて届けてくれるためフレッシュな状態で食べられる。ユーザは、週4、6、9、12回のミールプランを選択でき、曜日等も自由に設定できる。また、メニューはベジタリアン、高タンパク低糖質、グルテンフリー等も考慮して用意されている。週4回のミールプランであれば、一食あたり$12.5、12回のミールプランであれば、一食あたり$8.9という値段設定。料理は、アリゾナ州フェニックスにある巨大な施設で作られており、そこを中心に現在27州で宅配サービスを展開中。今回の出資者の中には、食品大手ネスレが含まれる。
    2012年創業、本社はニューヨーク。ネスレ等から今回調達した$77Mは、宅配サービスエリア拡大と人員増強のために活用する予定。

宮田 拓弥(Tak Miyata)
Scrum Ventures General Partner


MiyataMiyata 1972年、神奈川県生まれ。1997年早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了、同年にはロス・ペロー率いるElectronic Data Systems (EDS)に入社。26歳で起業を決意。日米両方での起業&Exit経験を経て、2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、Mixi America CEOを務める。2013年Scrum Venturesを創業。


Scrum Ventures
http://scrum.vc/
Zen Square/DG717
717 Market St, #100
San Francisco CA 94103