第16回:
自販機コンビニ / デジタル教育 / 売掛金自動回収 / 少額株式投資 / デジタル銀行 2017年10月20日

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

  1. 「自販機コンビニ」Bodega
  2. www.bodega.ai
    [Commerce/消費財] Bodega
    Seed VC ($2.5M)
    First Round Capital and Homebrew From Oakland

    日用品などを扱う小型コンビニ自販機。
    幅5ft(約1.5メートル)とコンパクトな自販機の中に、非生鮮食料品などの商品が陳列されている。取り扱う商品は、機械学習によってその場所で最も需要のある商品が選ばれるとのこと。アプリをダウンロードし、ストアコードを打つと自販機のドアが開き、好きな商品を取り出すだけ。カメラとセンサーが搭載されており、顧客が何の商品を何個取ったかを認識できる。支払はアプリに登録したクレジットカードから自動的に引き落とされる仕組み。現在は西海岸のオフィスやアパート、ジムなど50箇所で展開しており、2018年末までには1000箇所へ拡大を目指すとのこと。
    元Googleの二人の従業員が2016年に創業、本社はサンフランシスコ。First Round Capital等から今回調達した$2.5Mは今後の店舗拡大のために使うとのこと。

  3. 「デジタル教育」Mission U
  4. www.missionu.com
    [Service/教育] MissionU
    Series A ($8.5M) BoxGroup,
    First Round Capital, FirstMark Capital, John Doerr, Learn Capital, Omidyar Network, Rethink Education and University Ventures

    実務に直結するスキルに特化した教育プログラム。
    データアナリティクスやビジネスインテリジェンスなど、実務に特化した一年制のプログラムを提供している。通常のオンラインクラスに加え、対面のクラスが隔週で行われるスタイル。ハーバードやスタンフォードといったトップスクールがプログラムのアドバイザーとして名を連ねている。授業は無料で受けることができ、卒業後に年収$50,000以上稼いだ場合、年収の15%を三年間にわたって支払う仕組み。既に、Spotify、UBER、Lyft、WARBY PARKERなどと提携している。
    2016年創業、本社はサンフランシスコ。FirstMark Capital等から今回調達した$8.5Mはプログラムの拡充及び、サンフランシスコ以外へのサービス展開に活用するとのこと。

  5. 「売掛金自動回収」YayPay
  6. www.yaypay.com
    [SaaS/金融] YayPay
    Series A ($5.3M)
    500 Startups, Aspect Ventures, Birchmere Ventures, Fifth Third Bank, Gaingels, QED Investors, Techstars and Zelkova Ventures

    自動で売掛金の入金状況の確認及び、催促をしてくれるプラットフォーム。
    経理部が多くの時間を費やしていた、売掛金の回収業務を自動でチェックし、取引先に督促のメールも送付してくれる。更に、売掛金の回収状況及び、過去の支払状況を分析し、キャッシュフローの将来予測も立ててくれる。現状のERPやCRMとも統合可能で、シームレスに管理することができる。中小企業を主にターゲットにしており、既に15万件以上の請求書を処理し、$100M以上の売掛金を回収している。売上債権回転率を最大25%改善した実績もあるとのこと。
    創業は2015年、本社はサンフランシスコ。QED Investors等から今回調達した$5.3Mは優秀な人材の確保やソフトウェアの改善、営業活動の強化に活用するとのこと。

  7. 「少額株式投資」Stockpile
  8. www.stockpile.com
    [Service/金融] Stockpile
    Series B ($30M)
    Arbor Ventures, Eight Roads Ventures, Hanna Ventures, Mayfield Fund and Wang Ventures

    指定した金額分の株式を購入・プレゼントできるアプリ。
    株数ではなく金額を指定できるため、数ドルしか持っていないユーザーでも簡単に、AmazonやAlphabet(Google)のような一株約$1,000の株を購入できる。無料で使用でき、手数料は取引毎に99¢支払うのみ。AppleやDisneyやTeslaなどを含む1,000以上の企業から選ぶことができる。ミレニアル世代をターゲットとしており、親の許可があれば18歳以下の子供でも使用できる。実際30%の会員が18歳以下とのこと。また、Target、Safeway、Lowesなどでギフトカードとしても販売されており、$50、$100などの金額分の株をギフトカードとしてプレゼントすることもできる(株がいらない場合は、金券としても活用可能)。
    2010年創業、本社はパロアルト。Eight Roads Ventures等から今回調達した$30Mは、更なるミレニアル世代のユーザー獲得に活用する予定。

  9. 「デジタル銀行」Chime
  10. www.chimebakn.com
    [Service/金融] Chime
    Series B ($18M)
    Aspect Ventures, Cathay Innovation, Crosslink Capital, Forerunner Ventures, Homebrew, Northwestern Mutual Future Ventures and Omidyar Network

    デジタルネイティブ世代向けのモバイル銀行サービス。
    登録すると銀行口座とVISAのデビットカードが発行される。アプリで全て管理でき、月額の利用料や当座貸越手数料等の手数料は一切かからない。代わりに、発行されたデビットカードでの取引額の1.5%が売上として徴収される仕組み。また、取引金額の端数をわざと切り上げ、差額を自動的に預金するサービスもあり、Chimeユーザーは平均的な貯金額の3倍程度を預金している。2014年にサービスを開始後、口コミでサービスが広がり、既に20代後半の顧客は50万人にものぼる。今年度の取引額は$1Bに到達する予定とのこと。
    2013年創業、本社はサンフランシスコ。Cathay Innovation等から今回調達した$18Mは、新たな顧客獲得のためのマーケティングに活用する予定。

宮田 拓弥(Tak Miyata)
Scrum Ventures General Partner


MiyataMiyata 1972年、神奈川県生まれ。1997年早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了、同年にはロス・ペロー率いるElectronic Data Systems (EDS)に入社。26歳で起業を決意。日米両方での起業&Exit経験を経て、2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、Mixi America CEOを務める。2013年Scrum Venturesを創業。


Scrum Ventures
http://scrum.vc/
Zen Square/DG717
717 Market St, #100
San Francisco CA 94103