第26回:オンデマンド自動車保険 / 自動運転トラック / 自動運転 / レジなし精算 / 脳卒中AI 2018年8月17日

今週も資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

  1. 「オンデマンド自動車保険」MetroMile
  2. www.metromile.com
    [Service/保険] MetroMile
    Series E ($90M) Australian Future Fund, Index Ventures, Intact Financial Corporation,
    New Enterprise Associates, Section 32 and Tokio Marine Holdings

    「走行距離」に応じて課金される自動車保険。
     Metromile Pulseという小型のワイヤレスデバイスを使って、自動車の走行距離を測定し、その距離に応じた保険料を支払う仕組み。月額29ドルの基本料に加えて、1マイル毎に課金される。ユーザーは、一年間で平均$611程度の保険料を削減可能。加えて、Metromile PulseのデータからAIを活用して事故発生時の状況を再現し、妥当と検証された場合は、保険金の支払いを自動的に行うことができる自動請求システム(AVA)を導入している。
    2011年創業、本社はサンフランシスコ。東京海上グループやNew Enterprise Associates等から今回調達した$90Mは、サービスの拡大及びAIへの投資に活用する予定。

  3. 「自動運転トラック」Embark Trucks
  4. www.embarktrucks.com
    [Enterprise/自動運転] Embark Trucks
    Series B ($30M) Sequoia Capital

    高速道路に特化した自動運転トラック。
    補助ドライバーが、物流拠点から高速道路までの運転を担当し、高速道路で自動運転に切り替える仕組み。物流企業にとっては、限られた人員を効率的に配置し、コスト効率のよい長距離輸送を実現可能。2018年2月には、ロサンゼルスからフロリダまでの公道テストを成功させている。現在トラックは5台のみだが、100台まで拡大する予定。
    2016年創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$30Mは、トラックの増産に活用する予定。

  5. 「自動運転」Pony.ai
  6. www.pony.ai
    [SaaS/自動車] Pony.ai
    Series A-II ($102M) DCM Ventures, Delong Capital, Eight Roads Ventures,
    Green Pine Capital Partners, Redpoint Ventures China and Sequoia Capital China

    自動運転システムを開発するスタートアップ。
    創業から約1年半でレベル4の自動運転システムを構築し、現在急成長を遂げている注目企業。Baidu(百度)と Google両社で自動運転プロジェクトに携わったJames Pengが創業し、シリコンバレーと広州(中国)に拠点を持つ。既にカリフォルニアでの公道テストを成功させている。今月には、中国政府からも北京でのテストを承認されており、ユニコーン入りも近いと言われている。
    2016年創業、本社はフリーモント(カリフォルニア)。Eight Roads Ventures等から今回調達した$102Mは、新たなパートナシップの構築及び、チームの拡大に活用する予定。

  7. 「レジなし精算」Standard Cognition
  8. www.standardcognition.com
    [SaaS/リテール] Standard Cognition
    Seed VC-II ($5.5M) CRV

    AIを活用したレジなし精算システム。
    画像認識技術を活用し、顧客が店内でどの商品をピックアップしたかをリアルタイムで認識・トラッキングしてくれる。顧客は商品を持ってレジ前に行くと、購入した商品と合計額が画面に表示され、「Purchase(購入)」ボタンを押すだけで自動的に精算される。既にシステムは構築されており、現在提携先への導入ステップに入っているとのこと。レジなし精算システムではAmazon Goが有名だが、どこまで対抗できるか楽しみなスタートアップ。
    2017年創業、本社はサンフランシスコ。CRV等から今回調達した$5.5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

  9. 「脳卒中AI」Viz.ai
  10. www.viz.ai
    [SaaS/メディカル] Viz.ai
    Series A ($21M) Google Ventures and Kleiner Perkins Caufield & Byers

    AIを活用した画像診断プラットフォーム。
    「VIZ LVO」と呼ばれるアプリは、脳卒中患者のCTスキャン画像をAIを活用して診断してくれる。また、血管の閉塞などを発見したら、脳神経科医のスマートフォンに写真の確認依頼のアラートを6分以内(従来の10分の1のスピード)に送ってくれるため、治療開始までの時間も短縮することができる。米食品医薬品局(FDA)から臨床利用の認可も得ており、現在注目のスタートアップ。
    2016年創業、本社はサンフランシスコ。KPCB等から今回調達した$21Mは、市場及び製品拡大に活用する予定。

宮田 拓弥(Tak Miyata)
Scrum Ventures General Partner


MiyataMiyata 1972年、神奈川県生まれ。1997年早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了、同年にはロス・ペロー率いるElectronic Data Systems (EDS)に入社。26歳で起業を決意。日米両方での起業&Exit経験を経て、2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、Mixi America CEOを務める。2013年Scrum Venturesを創業。


Scrum Ventures
http://scrum.vc/
Zen Square/DG717
717 Market St, #100
San Francisco CA 94103