第33回:大人用オムツD2C / 農地マーケットプレイス / 製造業アプリ / オンデマンド倉庫 / ネットワーク可視化 2019年3月14日

今週も資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

  1. 「大人用オムツD2C」The Because Market
  2. [Commerce/高齢者] The Because Market
    Unattributed VC ($30M) Bow Capital, EXOR Seeds, Index Ventures, Innovation Endeavors and Khosla Ventures

    尿漏れパッド(大人用オムツ)のオンライン販売。

    高齢者向けの尿漏れパッドで、従来の製品より35%吸水性が高い。尿漏れは米国だけで2500万人、50歳以上の女性の半数が罹患しているという。送料無料のサブスクリプションサービスで、2年間で5000万以上の製品を6万以上の顧客に販売。ユーザーの毎月の平均注文数は創業以来3倍に増加しているという。

    Googleの元CEOエリック・シュミット氏が率いるInnovation Endeavorsも出資している。元eBay、Uber、WeWorkのアルムナイが2016年に創業、本社はレッドウッドシティ(カリフォルニア州)。Khosla Ventures等から今回調達した$30Mは、新製品の開発に活用する予定。

  3. 「農地マーケットプレイス」Tillable
  4. [Marketplace/土地] Tillable
    Series A ($8.25M) First Round Capital and The Production Board


    農地用のマーケットプレイス。

    農地を貸したい地主と農家をマッチングしてくれるプラットフォーム。農地版Zillowとも言われている。農家の経験値や作付け予定の作物などを元に審査される。農地の適正価格での取引に加え、デジタルリースや賃借料の自動支払、土壌管理や収穫量などの農地データもトラッキングできるため、本プラットフォームを利用することで農地管理も効率化できる。価格は、地主から賃借料(増収分)の30%を初年度徴収する外、賃借料の2%を地主・農家双方から徴収する仕組み。

    2017年創業、本社はシカゴ。First Round Capital等から今回調達した$8.25Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

  5. 「製造業アプリ」Tulip
  6. [Saas/製造] Tulip
    Series B ($18.4M) New Enterprise Associates, Pitango Venture Capital and Vertex Ventures

    工場の生産性向上のためのプラットフォーム。

    作業指示書や生産状況の把握、機械のモニタリングなど、工場内の生産性を高めるアプリを作成できる。また、直感的なドラッグアンドドロップのインターフェースにより、コードを記述することなく、IoT製品や既存システムと接続したり、リアルタイムのデータを収集できる。既にNew Balance、Kohler、Dentsplyなど14ヶ国に多数の顧客を持つ。 昨年の売上高は、4倍に成長しているという。

    MIT Media Labからスピンアウトし、2014年創業、本社はサマービル(マサチューセッツ州)。Vertex Ventures等から今回調達した$18.4Mは、引き続きチームの拡大に活用する予定。

  7. 「オンデマンド倉庫」Clutter
  8. [Service/倉庫] Clutter
    Series D ($200M) Atomico, Fifth Wall Ventures, Four Rivers Group, Google Ventures, Sequoia Capital and SoftBank Group

    個人向けのオンデマンド倉庫サービス。

    ユーザーが預けたい荷物を依頼するとスタッフが自宅まで取りに来てくれ、倉庫に運んで保管してくれる。荷物はデジタルカタログに記録されるため、預けた荷物を自宅に戻したい場合は、アプリで依頼すると48時間後には届けられる仕組み。サービスエリアや荷物によって価格は異なるが、平均$75/月ほどで利用できる。MakeSpaceやOmniなどの競合も多いが、今後はフィラデルフィア、ポートランド、サクラメントなど更にサービスエリアを拡大するという。バリュエーションは$600M。

    2015年創業、本社はカルバーシティ(カリフォルニア州)。SoftBank Group等から今回調達した$200Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

  9. 「ネットワーク可視化」ThousandEyes
  10. [Enterprise/データマネジメント] ThousandEyes
    Series D ($50M) Google Ventures, Salesforce Ventures, Sequoia Capital, Sutter Hill Ventures, Tenaya Capital and Thomvest Ventures

    ネットワーク経路を可視化してくれるプラットフォーム。

    「インターネットのためのGoogle Map」をめざしており、インターネット・クラウドなどネットワーク全体を可視化・分析してくれるソフトウェア。迅速なトラブルシューティングやアプリのパフォーマンスをモニタリングできる。既にSlack、Lyft、eBay、Deutsche Bank、MasterCardなど多数の大手顧客を持つ。サンフランシスコ以外にも、ロンドン、オースティン、ニューヨーク、東京にオフィスを構えており、従業員は250人に拡大。

    2009年創業、本社はサンフランシスコ。Google Ventures等から今回調達した$50Mは、グローバル展開の加速に活用する予定。

宮田 拓弥(Tak Miyata)
Scrum Ventures General Partner


MiyataMiyata 1972年、神奈川県生まれ。1997年早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了、同年にはロス・ペロー率いるElectronic Data Systems (EDS)に入社。26歳で起業を決意。日米両方での起業&Exit経験を経て、2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、Mixi America CEOを務める。2013年Scrum Venturesを創業。


Scrum Ventures
http://scrum.vc/
Zen Square/DG717
717 Market St, #100
San Francisco CA 94103