第5回: カリフォルニアの雇用法?2015年3月13日

カリフォルニアで事業を開始するに当たり、日本から来た人は日本の慣習をそのままに、ここカリフォルニアでの雇用を実施しようとしますが、それは非常に危険です。継続雇用が大原則の日本と異なり、カリフォルニアを含め、米国の雇用の一般原則は、「At-Will Employment」です。このAt-Will Employmentというのは、Employment(雇用関係)は当事者のAt-Will(任意)で成立し、個別のExplicit/Express(明確/明言) な雇用契約がない限り、雇用者も被雇用者も、何時でも、いかなる理由でも、雇用関係を解消する権利を有する、というものです。つまり、雇用者は従業員をいつ、いかなる理由で解雇してもいいし、逆に従業員も、いつ、いかなる理由で辞職してもいい、ということです。もっとも、「いかなる理由でも」といっても、法の許す範囲での「いかなる理由」であり、解雇理由が法に反するものであれば、それを根拠に解雇することは不当解雇となり、損害賠償責任が生じます。違法な解雇理由の例としては、人種・性別・出身国・宗教・性志向 ・高年齢・Disability(身体障害:アルコール中毒・麻薬中毒も含む)のでご注意!?

At-Will Employmentが原則ではありますが、実際に従業員を解雇する際に、「At-Will Employmentだから解雇」というだけでは不十分です。そもそも解雇するからには何らかの理由があるはずで、その理由を言わないのは何らかの違法な理由で解雇することを隠していると疑われるのは必至です。また、解雇するときにきちんとした合法的な理由がないと、従業員が違法理由による不当解雇を訴えた場合、従業員の主張する違法理由ではなかったということを証明する挙証責任(Burden of Proof)を会社が負ってしまいます。逆に、会社側が解雇時に、これこれこういう理由で解雇します、とキチンと合法な理由をつけて解雇すれば、会社の主張する理由は本当の理由ではなく、実は違法な理由であった、ということを証明する挙証責任は従業員が負うことになります。


山本 与志人 カリフォルニア州・テキサス州弁護士


滋賀大学卒業後、松下電工株式会社(現在はパナソニックに吸収合併)入社。米国出向後、仕事を通じて法律に関心を持ち、弁護士になることを決意。テキサス州とカリフォルニア州の弁護士免許を取得し、University of Alabama School of LawにてLL.M (Master of Law)の学位も取得。日米の企業文化・慣習や法律の差異の理解を活用し、税務・法律に加え、会計・企業経理に関する豊富な知識と経験を活かし、シリコンバレーのベンチャーキャピタルにCFOとして参画した経験もある。独立後の現在はシリコンバレーを拠点に、シリコンバレーの日系コミュニティー、又は日本に起点を置き、アメリカで新規に活動を展開する企業を支援する。また、アメリカにて活動拠点を持つ企業の税務・会計・経理など、会社経営で大切な事務 処理を「ワン・ストップ・サービス」で提供できる便利なサービスも展開中。


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