第6回: カリフォルニアの雇用法-Part22015年4月10日

私の事務所へご相談に来られる方々は、当然のことながら日本人の方が過半数を占めますが、前回、「At-Will Employment」のことを話しましたが、実際に解雇する際には、「For Cause」(何らかの理由による解雇)なのか、「Layoff」(人員削減)なのかを明確にし、For Causeであればその理由とそれを証明する事実、たとえば欠勤が多いことを理由にするなら、勤務実績と欠勤実績を示す書類等、を添付して解雇通知を出すべきです。

要注意なのは、「Pretext」(見せかけの理由) は直ぐに見破られてしまう、ということです。私の経験から申し上げるのですが、日本の方は往々にして、「本当の理由なんてわからないじゃないか」と、違法な理由で解雇する際に適当な合法的理由をつけて、違法性を逃れようとする傾向が強いようです。でも、政府機関が不当解雇の訴えを受けて調査する際には、会社の主張する理由はまったく無視し、過去の解雇記録や同時に解雇された人の年齢・性別・人種等々から、Adverse Employment Actionの傾向を調べます。そうすると、「これまで解雇したのはすべて白人以外だった」とか、「50歳以上ばかりだった」とか、何らかの傾向が如実に見えることが多々あります。如実というほどでなくても、会社の言う理由が実は口実であり、本当の理由は別の違法なものであった、と判断するのは会社ではなく、調査をするのは政府機関であり、究極的には裁判で陪審員が判断するのであり、会社側が「本当の理由なんてわからないじゃないか」という態度だと、政府や陪審員に逆に本当は違法な理由だったと思われやすくなってしまいます。ですから、解雇時には裏付け資料の揃った正当な解雇理由を通告することが非常に大切です。

解雇理由を明確にするのには、もう一つ理由があります。それは、解雇された従業員は通常はunemployment (失業保険)を申請するので、キチンと理由を言ってあげないと、unemploymentをもらえないんじゃないかと心配になった元従業員が、慌てて労働係争専門の弁護士事務所へ駆け込み、不当解雇の訴えを起こしかねないからです。ですから、「Layoff」・「人員削減」等々のunemploymentの受給資格を損なわない解雇理由であれば、それを明確に説明し、できるだけ穏便に済ませることが肝要です。


山本 与志人 カリフォルニア州・テキサス州弁護士


滋賀大学卒業後、松下電工株式会社(現在はパナソニックに吸収合併)入社。米国出向後、仕事を通じて法律に関心を持ち、弁護士になることを決意。テキサス州とカリフォルニア州の弁護士免許を取得し、University of Alabama School of LawにてLL.M (Master of Law)の学位も取得。日米の企業文化・慣習や法律の差異の理解を活用し、税務・法律に加え、会計・企業経理に関する豊富な知識と経験を活かし、シリコンバレーのベンチャーキャピタルにCFOとして参画した経験もある。独立後の現在はシリコンバレーを拠点に、シリコンバレーの日系コミュニティー、又は日本に起点を置き、アメリカで新規に活動を展開する企業を支援する。また、アメリカにて活動拠点を持つ企業の税務・会計・経理など、会社経営で大切な事務 処理を「ワン・ストップ・サービス」で提供できる便利なサービスも展開中。


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