第8回: ExemptとNon-Exempt2015年6月12日

カリフォルニア州に限らず米国では、従業員をExempt (適用対象外) EmployeeとNon-Exempt (非適用対象外)Employeeとに区分することが多くあります。何が「exempt (適用対象外)」なのかというと、FLSA (Fair Labor Standard Act: 連邦の労働基準法)やCalifornia州のLabor Codeの規定の適用対象外、ということで、Non-Exempt (非適用対象外)は二重否定で変な用語ですが、これらの規定対象、ということです。一般的に理解されているのは、Exemptなら残業手当は支給しなくてよい、Non-Exemptなら時間外手当を支給しなければならない、ということで「従業員を新たに採用したいが、残業手当は払いたくないので、そのポジションをExemptにすることは可能か」という話をよく聞きます。ご存知のようにNon-ExemptのOvertime Payについては、1日8時間を超える勤務及び週累計40時間を超える勤務は、通常時給の5割増 (通常の時給の1.5) の支給、1日12時間を超える勤務・休日出勤勤務は通常時給の100%増(通常の時給の2)の割増支給が必要となりますが、Exemptは通常の勤務時間外に働いても何の追加支給もありませんから、できるだけExemptにしたいのだと思います。

一般的に、Executive・Administra-tive・Professional なポジションはEx-emptにできます。それ以外では、Out-side SalesもExemptにできます。でも、それはExemptに「できる」のであって、Exempt扱いにしなければならないのではありません。

2013年5月の判例によれば、Exempt扱いするには「salary」を支払わねばならず、その「salary」というのは、「仕事の量や質によって減額されない一定額」でなければなりません。さらに、実働勤務時間が少ない(欠勤・早退・遅刻)ことを理由に決められた給与から減額する、という規定がある場合、その従業員は「salary」を得ていないのでExempt ではなく、従ってOvertime Payの支給をしなければならなくなります。この判例の詳細な解釈はまだ確立していないようですが、給与を「週給」・「月給」・「年俸」等の一定額で決めていながら、給与対象期間中に欠勤・早退・遅刻によって勤務時間が少なかったら支給額を減額する、というような規定になっていると、その従業員はExempt 扱いできず、退職時かそれ以前に、Overtime Payの支払要求を受ける羽目になりかねません。(詳しくは弁護士/法律事務所にご相談ください)


山本 与志人 カリフォルニア州・テキサス州弁護士


滋賀大学卒業後、松下電工株式会社(現在はパナソニックに吸収合併)入社。米国出向後、仕事を通じて法律に関心を持ち、弁護士になることを決意。テキサス州とカリフォルニア州の弁護士免許を取得し、University of Alabama School of LawにてLL.M (Master of Law)の学位も取得。日米の企業文化・慣習や法律の差異の理解を活用し、税務・法律に加え、会計・企業経理に関する豊富な知識と経験を活かし、シリコンバレーのベンチャーキャピタルにCFOとして参画した経験もある。独立後の現在はシリコンバレーを拠点に、シリコンバレーの日系コミュニティー、又は日本に起点を置き、アメリカで新規に活動を展開する企業を支援する。また、アメリカにて活動拠点を持つ企業の税務・会計・経理など、会社経営で大切な事務 処理を「ワン・ストップ・サービス」で提供できる便利なサービスも展開中。


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