第9回: 永住権(Greencard)と市民権(Citizenship)2015年7月10日

永住権 (Immigrant Visa: いわゆるGreen Card) と市民権 (Citizenhip)の違いについて時々人から尋ねられるんですが、今回はそれについて。

一般的によく知られているのは、Citizenshipを持つ人と結婚すると、Green Cardを取得する資格を得られるということで、しかもそのGreen Cardは順番待ちすることなく、すぐに取得できる、ということです。このGreen Card取得資格は非常に例外的な扱いで、通常はVisa-Waiver (いわゆるESTA)で90日間の短期滞在目的で入国した場合は他のvisaに米国内では切り替えられず、一旦本国に戻ってvisaを取得し直してから再入国しなければなりませんが、Citizenと結婚してGreen Cardを取得した場合には、米国内にとどまったままでvisa種別の切替ができます。Visa Waiverの期限が切れて不法に居残りをした場合でも、Citizenと結婚してGreen Cardを取得した場合にはお咎めなくGreen Card保持者という扱いに切り替えてもらえます。Green Card保持者と結婚しても、Green Cardを取得する資格を得られるということでは同じですが、Citizenとの結婚とは異なり、Green Cardは即刻発行されるわけではなく、年間発行枠の制限を受けて何年間も順番待ちすることになります。Visa waiverで入国していれば、その滞在期間を延長するのは基本的に不可能で、Green Cardが発行されるまで国外で待機するか、何らかのvisaを持って合法滞在する資格がないと、将来せっかくGreen Cardが認められても、visa waiverの違反で入国禁止措置を受けることになってしまいます。

これ以外によく耳にするCitizenshipを取得すべき理由というのには、Estate Tax (遺産税)があります。夫婦のうち、相手に先立たれた方がCitizenshipを持たないGreen Card保持者であった場合、Estate Taxがかかって沢山税金をとられてしまう、ということだそうです。それを聞く度に、「世の中の方々は皆さん沢山お金を持っておられるんだなあ」と感服します。だって、2015年のEstate Taxのexemption (免税限度額)は確か$5,430,000で、それ以上の遺産がないとEstate Taxはかからないし、しかもCaliforniaはcommunity property州ですから、夫婦の資産は50%ずつの保有とみなされますので、$5,430,000以上の遺産額ということは夫婦合わせて$10,860,000の資産をお持ちということになります。確かに、夫婦のうちCitizenでない方が残られた場合、Citizenなら使える、金額無制限のMarital Creditは使えませんが、$5,430,000のexemption (正しくはUnified Credit)は使えますから、それを超えない限り、Marital Creditが使えなくとも特に問題はないと思うんですが…?


山本 与志人 カリフォルニア州・テキサス州弁護士


滋賀大学卒業後、松下電工株式会社(現在はパナソニックに吸収合併)入社。米国出向後、仕事を通じて法律に関心を持ち、弁護士になることを決意。テキサス州とカリフォルニア州の弁護士免許を取得し、University of Alabama School of LawにてLL.M (Master of Law)の学位も取得。日米の企業文化・慣習や法律の差異の理解を活用し、税務・法律に加え、会計・企業経理に関する豊富な知識と経験を活かし、シリコンバレーのベンチャーキャピタルにCFOとして参画した経験もある。独立後の現在はシリコンバレーを拠点に、シリコンバレーの日系コミュニティー、又は日本に起点を置き、アメリカで新規に活動を展開する企業を支援する。また、アメリカにて活動拠点を持つ企業の税務・会計・経理など、会社経営で大切な事務 処理を「ワン・ストップ・サービス」で提供できる便利なサービスも展開中。


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