J weekly | サンフランシスコのフリーペーパー

アメリカの保険2016年5月6日

アメリカの保険において、特に医療保険の仕組みは日本と大きく異なります。万が一のときに慌てないためにも事前に正しい情報を得て、備えておきたいものです。



保険とは?

生命保険といえば死亡保障!と思い浮かべる方が多いかも知れませんが、介護保険、学資保険や個人年金など目的別に様々な種類があります。保険のお世話になる時は事故や病気をしたり、働けなくなったり、家族が亡くなったりと、正直起こってほしくないことばかりです。不幸が起これば気持ちにも余裕はなくなるし「早く治したい」「家族のためなら」「こんな時くらい」と財布の紐もゆるくなりがちです。治療費や交通費など思いがけない大きな出費もあります。時には、お金の有る無しで治療やその後の生活の選択肢さえも変わってきます。そんな時に、お金の心配をしなくて良い環境を自分に、そして家族に与えてくれるのが保険なのです。

とはいっても、必要以上に加入する必要はありません。必要以上に保障を大きくするということは、毎月支払う保険料が増えるということです。無駄な出費は出来るだけ抑えたい。かといって、月々の支払は安いが、いざという時全然足りないのではそもそも保険に加入した意味がないし、不足分は、自分か家族にやってきます。そんな過不足のない、考えに沿った保険を選ぶためのポイントが3つあります。

①保険に加入する目的を明確にする(何のため?誰のため?)
② 保険が必要な期間を考える(いつまで?)
③ 必要な保障の大きさを知る(どのぐらい?いくら?)
ここをしっかりと把握して選択しましょう。そうすれば後々見直しをする時にも、どこを変えたらいいのかが分かりやすくなります。

アメリカの生命保険について

アメリカの生命保険は大きく「定期型」と「積立型」の2種類に区分されます。「定期型」の定期保険(Term Life Insurance)は一般的に分かり易くシンプルな掛け捨て型の保険で、10年、20年、30年など保障期間を設定して加入します。安い保険料で大きな保障が持てる代わりに、掛け捨て型のため、契約満了時に払戻金はありません。また契約の更新は可能ですが、保険料がかなり上がるため、ほとんどの人は更新しません。一方「積立型」の保険は、保障と貯蓄の両面を兼ね備えた保険です。代表的な3つは、終身保険(Whole Life Insurance)、変額終身保険(Variable Life Insur-ance)、インデックス連動型終身保険(Index Universal Life Insur-ance)。
アメリカの積立型の生命保険は、日本の保険商品に比べると予定利率(運用利回り)が高く、正しく効果的なプランを選べば税金の特典も大きいため、金融商品としても魅力的なものとなっています。

日本とアメリカを比較すると同じ保障内容でも保険料がずいぶん安くなっています。また、複数の保険会社の保険料を比較することで必要な保障をより安く準備することができます。なぜ日本とアメリカで保険料が大きく違うのかというと、「予定利率」が違うからです。予定利率とは、生命保険会社が契約者に対して約束する運用利回りのこと。予定利率が高ければ、その分保険料を割り引いて算出することが出来ます。アメリカの保険はこの予定利率が高いため、保険料が安く設定されているのです。またアメリカの保険の中でも経費削減努力をしていたり、運用収益の高い会社のものは保険料が安く設定され、同じ内容の商品でも保険会社によって保険料に差がついているので、比較検討して条件の良いものを選びましょう。



アメリカの医療保険について

■オバマケアって何?!

オバマケアとはThe Patient Protection and Affordable Care Act(医療保障制度改革法)という法律のニックネームで、この法律により、アメリカ国民全員が健康保険に加入することが義務付けられました。国民全員が健康保険に加入することにより、一人ひとりの医療費の負担を減らすこと、及び医療の質の向上を目的として2010年に発行され、2014年1月から開始されました。これにより、変わった内容のうち、保険に加入する側の私たちに関係のある部分は次の5つです。

① 国民は健康保険に加入することが義務となり、未加入者にはペナルティーが課せられる
② 保険会社は病歴や妊娠中を理由に保険加入を拒否できなくなった 
③ 保険のカバーする最低基準が設けられた 
④ 家族の収入と人数によってPremium Tax Creditと呼ばれる助成金が受けられるようになった 
⑤ 個人が健康保険に加入できる期間は年に一回のOpen Enrollment Periodに限られる。ただし、結婚・離婚・失業・引っ越しなど一定の条件を満たす場合は期間外でも加入が出来る



■ペナルティー(罰則)って?

オバマケアにより健康保険の加入が義務となったため、保険に未加入の方にはペナルティーが発生します。2016年度は「世帯収入の2.5%」か「一人につき695ドル(世帯最大2085ドル)」のどちらか大きい方です。これは年が進むごとに増えていく予定です。ペナルティーはタックスリターン時に徴収されます。



■助成金制度について

カリフォルニア在住の方は、世帯収入と家族人数によっては「カバードカリフォルニア」というマーケットプレイスを通して保険を購入することで、保険料の助成金を受け取ることができます。ある程度の収入があっても家族の人数が多い場合には助成金を受けられる可能性が高まります。(2016年度は2人家族で6万3720ドル、4人家族で9万7000ドル以下)



■Open Enrollment Periodについて

健康保険の新規加入や見直しできる期間は、一年に一度のOpen En-rollment Periodに限られ、この期間を逃すとその一年間は、Special En-rollmentという一定の条件(州外からの移動や失業などイベント発生日から60日以内)を満たす方以外は、個人用の健康保険に加入が出来ません。(2016年のOpen Enrollmentは1月31日で終了)

なぜこのような制限が設けられたかというと、国民が病気になってから保険を加入すると保険会社のコストが上がり、保険料の値上がりを引き起こしてしまうためです。日本から来たばかりの方は、Special Enrollmentに該当するので、海外旅行保険のない方、妊娠中の方は出来る限り早く専門家に相談することをお勧めします。



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