J weekly | サンフランシスコのフリーペーパー

牡蠣がおいしい季節です。2016年10月21日

秋グルメ

秋の味覚と言えばベイエリアならダンジネスクラブを思い浮かべる方も多いと思うが、もう一つ忘れてはいけないのが牡蠣!生牡蠣の季節まっただなかのいま、市内のオイスターバーには行列ができている。ふっくら太った艶やかな身にレモンを絞り、つるんと口に含めば海のミネラルと養分を豊富に蓄えてできた旨みが口いっぱいに広がる。
そもそもカリフォルニアで牡蠣が親しまれるようになったのは1850年代からで、金と未開拓地で成功する夢を追い求めてやってきたヨーロッパ移民が増えた頃。食料需要の高まりに伴って自然発生的に育っていた牡蠣などの海産物が乱獲され、それに対処すべくワシントン産やメキシコ産の牡蠣が輸入・養殖されるようになった。現代の牡蠣もワシントン州とオレゴン州の孵化場から数百万個の規模で牡蠣の幼生が持ち込まれており、マーケットサイズになるまで13~18ヵ月ほどかけて育てられている。
カリフォルニアで現在主に獲れるのは真牡蠣。真牡蠣は太陽光がよく当たり、エサとなるプランクトンも豊富な海面下50㎝~3mの浅瀬で養殖される。一方海面下5m以下で育つ岩牡蠣は天然ものが多く、外敵も多いので殻が大きくて頑丈だ。産卵期はどちらも夏だが、岩牡蠣は数回に分けて少しずつ産卵するのに比べて、真牡蠣は1回しかしないためその一度で旨み成分を使い果たしてしまう。

牡蠣の基本5種

いろいろな呼び名を耳にする牡蠣だが、基本は5種類。

Atlantic(’Eastern Oyster’, ’Virginica’)
“Great American Oyster”という別称のとおりカナダからメキシコ湾にかかる北アメリカ大西洋側に由来する種類。殻は角が丸く、緑・クリーム・茶色の中間色で涙型。塩味が効いたハッキリとした味で、ミネラルを感じさせる後味。
Pacific(‘Japanese Oyster’, ’Creuse(フランス)’)
世界でもっとも多く養殖されている牡蠣の種類。貝には縦溝があり、細長い形で角が粗い。味わいは幅広いが、比較的甘味が強く、クリーミーで果実味やハーブの味が特徴的。
Kumamoto(’Kumi’, ’Kumo’)
日本から輸入されている種類。育ちが遅く、幼生を手に入れるのが困難なため養殖する場所は少ないが、通常“Kumamoto – Oakland Bay”のように育った場所の名前が後についていることが多い。殻は小ぶりで深く、小さなお猪口のような形。甘味、塩味、クリーミーさ、後味のバランスがよく、万人受けする。
Olympia(‘Oly’)
西海岸で唯一の在来種。ゴールドラッシュの時代はとてもポピュラーで、1800年代には乱獲により絶滅したと思われていたが、しばらくして自然に育っているのが見つかった。牡蠣の種類の中では一番小さく、¢25コインくらいの大きさにしかならない。育てるのも難しく、マーケットサイズになるまでは4年近くかかることも。旨味の濃縮度が高く、クリーミーな舌触りにセロリや金属にも似た後味が残る。
European Flat(’Belon’)
殻は浅く、表面は比較的滑らか。海藻のような深緑色をしている。歯ごたえ強めな肉質に、アンチョビにも似た金臭い味、上級者向けといえる。苦手な人が多く、値段も高い。

楽しみ方あれこれ

【Rのない月はカキを食べるな】

 

この伝説(?)を聞いたことが有る方は多いと思うが、Rが付かない月は生牡蠣を食べるべきではないというのはあながち間違っていない。日本にも「花見すぎたらカキ食うな」という言い回しがあるように、5月(May)~8月(August)は牡蠣の産卵期と重なり風味が落ちるうえに、高温期で食アタリしやすいことなどが理由だ。ただしグリルやフライなどの加熱処理をしていれば年中食べられる。

【$1オイスター」を恐れないで】

 

レストランの店頭で「$1 Oyster」という看板を見かけることも多いが、安いからと言って品質が悪かったり余り物を提供しているという事はない。牡蠣の種類によっては養殖が簡単で大量に採れてしまうこともあるので、高品質でも安く大量に仕入れることができる物があるのだ。 ワインのテイスティングのように、牡蠣の味にも頻繁に使われる表現がある。その味や風味を探しながら食べてみるのも楽しいかもしれない。

【「美味しい!」の表現にもいろいろ】

 

◆“Buttery” - 実が柔らかく、文字通りバターのようにとろける様な舌ざわりや風味のこと。“Creamy”とも。
◆“Briny” - 塩味の表現。「しょっぱい“Salty”」と言うとネガティブにとられてしまう。
◆“Melon” - ワシントンの牡蠣によく見られる味の傾向。「甘い」という表現にも近いので、人によって多少差はでる。
◆“Fresh Biscuit” - 塩見が弱くサッパリした後味の時の表現。
◆“Cucumber” - British ColumbiaやFanny Baysの牡蠣は瓜に似た後味があるとされている。
◆“Plump” - 養分や食している藻類が豊富な環境でゆっくりと育った牡蠣は丸々としている。
◆“Springy” - 東海岸のような冷たく深い海で育ったものは身が締まって弾力がある。
◆“Copper” - 酸味や「錆」に似た風味がある時の表現。

もちろんその年の海の状態、養殖場のメソッド、食べる側の感覚によって差は出るので一概には言えないのだが、「間違った表現」というものはない。その時その時で個々人が違った楽しみ方ができるのも牡蠣の魅力の一つであろう。

ベイエリア近場の主な養殖場

全国津々浦々で採れる日本とは違いカリフォルニアの養殖エリアは思いの外少なく、Humboldt Bay 、Tomales Bay、Drakes BayそしてMorro Bayが主な養殖場。成長速度は気候、使われる器材、幼生の状態、潮差、植物プランクトンの生成状態などによって左右されるため、それぞれの養殖場がその地に合った育て方をしている。

市場で買ったオイスターの保存法

  1. 買った後は氷を入れたアイスボックスか網の袋などに入れ、34-45F(1~7C)の涼しく湿った環境に置いて。真水や海水に浸けたり密閉してしまわないように注意。
  2. 自宅では冷蔵庫へ。浅いボウルに移し、貝殻の深い面を下にし、清潔な、濡らしたタオルやキッチンペーパーをかけて保管。又は氷の上に並べておくのも可。涼しく日の当たらない所に置く。
  3. きちんと保管していれば4、5日は持つが、買ってから1、2日で食べきるのがお勧め。呼吸のために殻と殻に隙間が空いていることもあるが、ツンツン叩いても口が閉まらなくなってしまったものは捨てる。

下準備

  1. 必要な物は①軍手orタオル②オイスターナイフ(無ければテーブルナイフ)③ペンチorキッチンバサミ
  2. 殻の深い方を下に、蝶番を手前にして左手に持つ。
  3. 右上部分をキッチンバサミで切り、ナイフを入れる隙間を作る。
  4. 中心から少し右上部に貝柱があるので、ナイフを差し込み上の殻の表面に添わせるようにして貝柱を切る。
  5. 開いたら身の下にもう一つ貝柱があるのでそれも切る。
  6. 身と殻を塩水でさっと洗い、レモンと一緒に盛り付けて完成。

オイスターと合わせたいワイン5種

どのワインにもシトラス果汁の風味があり、牡蠣にレモンを絞る代わりに口に含めば、レモンやライムの爽やかな風味が広がります。
Melvilleシャルドネ、Mahoneyヴェルメンティーノには、海を思わせるミネラルがあり、牡蠣の味わいをさらに高めてくれます。

Y. Rousseau,
Colombard,
“old Vines”
Fanucci Vineyard,
Russian River Valley,
2013 - $20.95
Solminer,
Gruner Veltliner,
Delanda Vineyard,
Santa Ynez Valley,
2015 - $29.95
Melville,
Chardonnay,
Estate,
Clone76-Inox,
2015 - $39.95
Mahoney, Vermentino,
Las Brisas Vineyard,
Carneros,
2014 - $17.95
Caraccioli,
Sparkling Brut Cuvee,
Santa Lucia Highland,
2009 - $51.95
ワイン情報提供:
Napa Valley Winery Exchange
415 Taylor St, San Francisco,
CA 94102
(800) 653-9463
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