小森悠冊

"The Greatest Showman"に日本人で唯一出演したダンサー 2019年3月14日

舞台も映画も、スリリングで貴重な体験
さらに自分のダンスを表現していきたい


P・T・バーナムの自伝的映画でもあり、ショービジネスの成功を描いたミュージカル映画「The Greatest Showman」はご覧になっただろうか。主役のヒュー・ジャックマンはもとより、出演者たちの圧倒的な歌唱力、パワフルなダンスや衣装など見所満載な映画の中に唯一、日本人出演者がいた。ニューヨークを拠点に活躍するダンサー、小森悠冊さんだ。今回は、特別にJ weeklyだけに様々なお話をしてくれた。

―元々、ダンサーを目指されたきっかけは?
母がニューヨークで活躍する舞踏家で、ラトゥーヤ・ジャクソンのバックダンサーを務めていたこともあり、僕もニューヨークで生まれました。おそらく母の胎内でもリズムを刻んでいたと思いますが、子供の頃に日本で母が主宰するダンススタジオで観たマイケル・ジャクソンの「Beat It」のビデオに衝撃を受け、踊り始めたのがきっかけです。

―「グレイテスト・ショーマン」のオーディションはどんなプロセスでしたか。
8年前からニューヨークで活動を始め、3年前にMSA Agencyという事務所に所属しました。このオーディションは事務所から来た初めての依頼で、当時は映画のダンサーという話しか聞いておらず、ダンスを披露した後に「ひとりずつ歌って欲しい」と言われ、何の準備もしていなかったので驚きましたが、丁度その日が誕生日の友達を思い出したので「Happy Birthday」を歌いました。一回目ですぐに合格をもらい、とても嬉しかったのを覚えています。  結合双生児の役という事で,僕と背丈が似ているもう一人のダンサーを選ぶのに苦労したと聞きました。実際にダンスのシーンではあそこまで他人と身体をくっつけて踊る事はなかったのと、衣装の着脱も大変なので、相方のDanial Sonと何度もトイレに一緒に行きました(笑)。

―ヒュー・ジャックマンなど一流のクリエイターとの撮影現場は、どんな雰囲気でしたか。 ヒューとはリハーサルの初日から会いましたが、僕の心の中では、「わぁ、ウルヴァリン(※『X-MEN』でヒューが演じた役)だ!」と興奮していました。自分が思っていた以上に気さくな方で、毎朝会うたびに「Yusaku!!」とハグしてくれました。 実際の現場では出演者の倍以上のスタッフがいて、大人数でひとつの映像を創り上げます。僕は舞台でのお仕事が多かったので、リテイクを何度もしたりできるのが非常に新鮮に感じました。

―「グレイテスト・ショーマン」出演以外で今までで一番印象的だったお仕事は何ですか。
ダンサーとして各国のツアーに周り、サンフランシスコはもちろん、ヨーロッパはスイス、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスも訪れました。ロンドンにもツアーで行ったのですが、日本の高校に通っていた時に修学旅行で訪れた場所だったので、プロのダンサーとして同じロンドンに戻って来た事が嬉しかったです。 また、印象深いお仕事としては、シカゴの野外公演で3000人の観衆を前に踊った事です。皆さんの反応がダイレクトに伝わり、表現者として興奮しましたね。

―表現者として輝かしいキャリアの中で、一番の挫折体験、そしてそれをどう乗り越えたのかを教えてください。
現在の事務所に所属する前、ダンスの仕事がなかなかもらえず、アルバイト生活を続けていました。将来の道がどうなるのか全く分からず不安にもなりましたが、行き詰まったら、シンプルになろうと決めました。よく食べて、よく眠る。人間の原点に帰ろうと決めてから、すっと道が開けたように思います。

―ニューヨーク生まれ東京育ちとの事ですが、それぞれの好きなお店や場所などを教えてください。
自宅はマンハッタン周辺で、お気に入りはライブラリーカフェです。本も読めて、静かでリラックスできます。日本のオススメは、中野のスタジオの近くにあるお好み焼き屋さん「ぱある」ですね。  

―世界各国で夢を叶える為にがんばる皆様にメッセージをお願いします。
日本人のもつ繊細さは世界で誇れる強みだと思います。自信を持って、一緒に頑張りましょう!

小森悠冊(こもり・ゆうさく)
1990年ニューヨーク生まれの舞踏家、ダンサー。母は舞踏家の小森美紀。日本の高校を卒業後、ニューヨークを拠点に活動を続ける。現在、BMWのコマーシャルに出演中。

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