西海岸で最大と言われる北加桜祭りが今年で第50回を迎え、更なる盛り上がりが期待されている。その記念すべき今回の実行委員長を務める清野眞一氏にお話を伺った。

発足からの変遷
1967年に、初代JCCNC会頭である井上コミュニティー・リレーションズ委員会長が日系の祭り「日本町フェスティバル」を開催したいとサンフランシスコ市に手紙を出したのがきっかけです。そして翌年のJapan Trade and Cultural Center(現在のジャパンセンター)の完成後に第1回が開催されました。
当初は実行委員会が日本人だけで構成されており、ミーティングも日本語だけで行われていましたので十数人くらいの規模で、日本人が日本人のために行うお祭りでした。20回を過ぎた頃に、実行委員長を母国語が日本語の方と英語の方と2人を立て、交互に担当するようになってから日系3世、4世の方々も参加してくださるようになり、来場者数がぐんと増えました。

期待のグランドマーシャル今年は小錦氏に決定!
それと同時に、グランドマーシャルの存在も大きく関わってきました。私は1990年に実行委員に加わったのですが、その時にグランドマーシャルとして日本から招待されたのが、当初アメリカでも大人気だった三船敏郎氏です。たまたまアラメダ郡に黒澤明監督の通訳だった方が住んでいらして、コーディネートしてくださり、この時またぐんと10万人の来場者数に増えました。
その後日本からは、1994年に仲代達矢氏、2005年には武蔵丸氏、2013年には西郷輝彦氏が来てくださり、現在は20万人の来場者数を誇ります。なんと今年は現在ハワイアン・ミュージシャンとして活躍されている小錦氏を招待していますので、どうぞご期待ください!

Homegrownではない日本との架け橋になる祭りを
桜祭りの目的は、日本の文化と伝統をアメリカに紹介するためのものなので、常に日本との関係をupdateし、upgradeしていかなくてはならないと考えています。それがhomegrown(自家製、自国製、自分の場所で自分のためにするなどの意)になってしまうと、日本との関係が断絶してしまいます。
東京の帝国ホテルで年に1回「北カリフォルニアの会」というものが開催されます。以前ベイエリアに駐在されていて帰国された方々の親睦会で、様々な分野でご活躍されている方々がいらっしゃいます。去年は11月10日に開催されたのですが、ご存知のようにアメリカ大統領選挙の直後だったので、外交官の方々が参加出来なく、30名程度だったのですが、とても実りあるものでした。今年のグランドマーシャルの決定にも様々なご意見をいただきました。このように常に日本とのコネクションを維持していくことが大切だと思っています。

▲第2回桜祭り・クィーンコンテストのファイナリスト達
▲ロナルド・レーガン元大統領(当時カリフォルニア州知事)と サンフランシスコ市長(当時)の第2回桜祭りへの祝辞
「パスポートなしで行ける日本」を目指す
もう1つの目的は桜祭りを通して、日本人街で日本の地方の名産、伝統を広めることです。サニーベールに福岡県事務所がありまして、そこの方とお話していて気づいたのですが、今アメリカでも大人気のとんこつラーメンの発祥の地は福岡なんですよね。ですが、どのとんこつラーメン店を見ても「福岡・博多発祥」の文字がないんです。もしその文字が入ったら、同時に「博多人形」などもアメリカの方に興味を持ってもらえるのかと。
そして桜祭りの時にちらっと目にしたものを、次回はゆっくりと日本町に来てじっくりと見たいと感じ、リピートしてくださる方が出てくると思っています。そしてその場には本物の日本の物がおいてある、日本に行かなくても日本の物が手にはいる、といったように、桜祭りを日本の方々からもこのようなショーケース、マーケティングの場として捉えていただけるようにしていきたいです。
またシリコンバレー、ベイエリアは新しいものの発信地として知られていて、そのパワーに溢れています。シリコンバレーの若者達にアピールすることによって、全米への起爆剤にしたいです。
驚くかもしれませんが、カリフォルニア州には日本の姉妹都市がたくさんあります(姉妹都市一覧参照)。その友好関係を生かして、色々なものをご紹介していきたいです。特に今年はサンフランシスコと大阪、サンノゼと岡山の姉妹都市締結から60周年であり、イベントの中に取り入れることを計画しています、どんなものが見られるかご期待ください。

記念すべき桜祭り50周年のグランドマーシャルは、元力士でタレントのKONISHIKIさん。外国人力士初の大関昇進を果たし、相撲ファンに限らず知名度とその人気は横綱級の存在。引退後は芸能活動やボランティア活動など幅広く活躍されている。今年の桜祭りをより楽しむべく、KONISHIKIさんにインタビューしました。

サンフランシスコはいつ以来ですか?
高校時代から観光で何回も来たことがあるけど、最後に来たのは相撲の講演で10年くらい前だね。サンフランシスコは日本ともハワイとも違った、歴史もある大きな街。ゴールデンゲートブリッジも魅力的だね。サンフランシスコの桜祭りのことは知っていたけど、参加したことがなかったから、とても楽しみにしているよ。

記念すべき50周年のグランドマーシャルに選ばれた心境を教えてください。
50周年という記念の年に参加できるだけで嬉しいし、自分が日本を代表していろんな仕事をできることは更に嬉しい。当日は雰囲気を楽しみながら、サンフランシスコの桜祭りを生で感じられるのをとっても楽しみにしていますよ!
昔から日本文化や日本人とは身近であり、僕のバックグラウンドは相撲がベースとなっているから、これまでやってきたことが今に繋がって活動できてることをとても誇りに思う。外国人にもっと相撲に興味をもってもらえるように、日本人として日本と世界の架け橋になりたいと思っているよ。今は講演会や音楽活動など、いろんなところでやっているから、もしかしたらまた別の機会でサンフランシスコで会えるかもしれないね。

桜祭りを通して日本の文化・伝統で一番伝えたいことは何ですか?
歴史ある日本の文化を残し続けている職人さんのことをもっと伝えたいな。日本の職人さんの頑固さや完璧なものを作るこだわりは日本人にしかできないことだと思う。
今、日本では観光客が格段に増えていて、外国人に聞くと、やっぱり日本の文化が何よりも好きだと言っていたよ。大都会の中にお寺があったりと、時代が変わり進んでいるけれど、その中で残り伝承されるものに触れられるのが日本の良さだと思う。相撲も昔からまわし1枚でやっているように、昔から変わらないものを伝えていきたいね。

J weekly読者、そして桜祭りを楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。
これを読んでいるみなさんも日本を離れて、この地で日本文化を伝えて頑張っていると思うから、僕もこの機会に、僕がやってきた事と経験をお伝えできればと思います。桜祭りでみんなに会えることを楽しみにしてますよ!

【プロフィール】
1963年12月31日米国ハワイ州オアフ島生まれの元大相撲力士。外国人力士として初の大関として活躍。幕内での優勝回数は3回。引退後は、タレント、アーティストとして講演活動やCM出演、ハワイアン・ライブ等を精力的に行っている。NHK子供番組【にほんごであそぼ】には12年間出演(現在も出演中)。ハワイアンシンガーとしてもアルバムを多数発売。ボランティア活動にも積極的に取り組んでおり、2011年の東日本大震災後は、何度も足を運び、炊き出しやライブ等を行っている。現在もチャリティー・ライブやイベントを開催し、東北の為の資金作りを続けている。
オフィシャルサイト:konishiki.net/