ナパ・ソノマ・サンタローザ大規模火災

それでも、前を向く。

草野修さん

2017年10月26日

今月8日夜に起きたナパ・ソノマ・サンタローザ地域での大規模火災は、前代未聞の被害を巻き起こした。火災の直接原因や被害状況などは未だ調査中であるが、死者41人、行方不明者約150人、約10万人が避難生活を強いられているという。カリフォルニア州のブラウン知事は、ナパ郡やソノマ群などに非常事態宣言を発令した。
今回、J weeklyではサンタローザ在住で被害を受けた草野修(くさのおさむ)さんから、当時の状況など、貴重なお話を伺った。

大変なご状況の中、インタビューに応じてくださり感謝いたします。簡単な自己紹介をお願いします。
サンタローザに本社があるKeysight Technologiesで働いています。もともと神戸にある開発拠点で働いていましたが、2015年にUSに転籍し、それから約3年サンタローザに住んでいます。
家族は妻と子供2人(長男7歳、次男3歳)の四人で、今回の火事で有名になったコフィーパークから目と鼻の先の家に住んでいました。

最初火災の知らせがあったときはどんな状況でしたか?
午前2時頃に風の音と屋外の叫び声で目が覚めました。窓を開けると尋常ではない風が吹いており、煙臭かったのを覚えています。ソノマにおける日本人コミュニティの連絡網で山火事の知らせは見ていましたが、自宅付近まで火が来ているとは思っていませんでした。しばらくして血相を変えた隣人が「数ブロック先が燃えている」と叫ぶのを見て、避難を決めました。
この時点で自分自身だいぶパニックになっていましたが、まさか本当に自分の家が燃えるとは思っておらず、また家に戻ることを前提としつつも、念のためパスポートを手にして逃げました。
煙が立ち込める中、近隣住民が一斉に車で避難するため、路地が渋滞しとても不安でした。大部分の人は秩序を守って運転していましたが、一部危険な運転をする人がいました。

被害状況について
全焼です。火の勢いが強く町全体が燃えており、かつ私の家は火災エリアの中心にあったため、もはや消火活動ができる状態ではなかったようです。その結果、燃える物はすべて燃えて灰と炭になっていました。
日本から持って来た磁器のいくつかが奇跡的に割れずに残っていたのが印象的でした。

現在、避難生活をされているとのことですが、どのようなご状況でしょうか。
一時的にサンディエゴに住む兄の家族のところに身を寄せています。子供たちも、年齢の近いいとこと一緒に遊んでおり、楽しく過ごしています。
済んだことはもう受け入れました。これからどのような道筋を通って日常を取り戻し、その過程を家族や友人とどのように楽しむかについて考えを巡らせています。

今後の予定について
またサンタローザに戻りたいです。サンタローザおよび近郊の町で家探しを始めましたが、空いている物件が極端に少なく、困っています。もし私たち家族に貸せる物件をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡をいただけるとうれしいです。*1

上)火災前の昨年12月、クリスマスデコレーションの装飾中の写真。
下)火災後。被害の深刻さがうかがえる。
奇跡的に割れずに残っていた磁器
日本、全米でもメディアで大きく取り上げられている今回の火災ですが、本誌を通じてお伝えしたいことはありますか?
コミュニティの力です。火災が起きてから3日間、ペタルマにある日本人コミュニティで繋がった友人宅にお世話になりました。ペタルマにも火災の危険があるなか、我々を含め4家族を温かく受け入れていただきました。
避難生活が始まってすぐに、ソノマのコミュニティだけでなく、日本や他の国の多くの方から励ましの言葉と支援が届き始めました。我々は自分たちだけで孤独に米国に住んでいるのではなく、たくさんの人に支えられてることを再認識し、漠然とした不安に囚われずに自分たちの足で前に進む準備が出来ました。
今回の件を通じて、ソノマにおけるコミュニティの絆は一層深まりました。短期的には困難な状況が続くでしょうが、我々であればそれを乗り越えられると確信しています。

大変な状況の中、インタビューに応じてくださった草野さんには心から感謝している。私達ができることは、状況を正確に把握したうえで行動に移すこと。一刻も早く被災者が元の生活を取り戻せるよう、願って止まない。
*1 ご連絡はJ weeklyまで。info@sportsj-usa.com



高級ワインの一大産地、ナパ・ソノマ郡に未曾有の被害をもたらした山火事。23日までに、サンフランシスコ市の約5倍の面積が焼け、少なくとも7,200棟の住宅を含む建物が被害を受けたとされる。現在も多くの住民が避難生活を余儀なくされている。火災被害を受けたぶどう園の復旧には少なくとも3年から5年かかると言われており、焼け残ったぶどう園も、煙害の影響が懸念される。一日も早い復興の為に、迅速かつ適切な支援が望まれる。支援の輪は日系企業にも広がりつつあり、JALは支援金3万ドルとJALグループ社員からの寄付金を合わせて寄付する予定だ。
現地は今、どのような支援を必要としているのか?現地消防局によると、火災発生から2週間以上経った現在、食べ物や洋服など火災発生直後の避難生活に必要な物資は足りている為、現地に物を送るのは止めるよう呼びかけているとのこと。
そこでJ weeklyは今後、被災地への支援で最も有効な手段の一つは寄付金であると考え、受付先のリストを紹介する。

ボランティア / 義援金受付先