ボンユニ福岡

泉 幸典 さん

日本ブランドのユニフォームメーカーが描く

「ユニフォーム×海外×未来」の世界 2016年9月30日

横浜に本社を持つ株式会社ボンユニ福岡は、全国のハイエンドホテルや飲食レストランなどのサービス業界向けユニフォームをデザインから製造、卸販売まで行っているメーカー。創業50年以上の歴史があるユニフォームブランド会社の執行役員である泉さんが想い描く、「ユニフォーム」の可能性を語っていただいた。

おもてなしをカタチにするカンパニー

(河原)元々、任期1年だった僕に最初に与えられた仕事は、現地コーディネーターとしてネットワークを作る事でした。サンフランシスコに長期で人を置いてネットワークを広げて、そして日本から来るニフティの担当者やエンジニアに紹介し、活動し易くして引き継いでいく、というのが僕のミッションでした。最初に来た担当者は人工知能がテーマだったので、彼が作ったプロダクトを知ってもらうための活動や、トライアルしてくれる企業さんを探すなど、ほとんどゼロからのスタートだったのでとても苦労しましたね。

それからエンジニアが作ったプロダクトのPRのためにリリースイベントを行ったのが初めての経験でした。日本でもイベントの仕事をしていたんですが、アメリカでも実施する発想はなくて、でも実際やってみるとシリコンバレーの人たちというのは、アクティブに活動している人を歓迎してくれるというのを肌で感じたんです。そこから自然な流れでイベントを3カ月に1回のペースでやるようになり、それが仕事の一部になって行きました。回を重ねるごとにより戦略的に、そしてサンフランシスコでの活動の中核の一つとして位置付けるようになっていったというのが今に繋がる経緯ですね。福岡に拠点を置くボンユニ福岡は、「人と人とが感動を生みだす場面」にボンユニのユニフォームが存在していたいと思っています。ユニフォームは消耗品衣服ととらわれがちですが、実はお店のスタッフとお客様の一番近くにいつも存在していて、お店のブランドの一部として空間を作り上げる「歩くインテリア」なのです。サービス業界において、おもてなしやホスピタリティーと言われる心遣いは、誰もが同じように表現することはなかなか難しいと思いますが、それをわかりやすくカタチにして表現したものがユニフォームであり、「相手をもてなすことを体現化する」=「ユニフォーム」であると考えています。

また、弊社を訪問されたお客様には手書きのウェルカムカードをお渡しするなど、日々の生活や仕事の中でおもてなしを体現し、育む環境を作っています。おもてなしやホスピタリティーを軸とする私たちがホテルやレストランのサービスを超えるおもてなしの精神を持つことが大切だと考えており、その様な志を持つメーカーが生みだす「魔法のかかったユニフォーム」を着用していただきたいという想いで「おもてなしをカタチにするカンパニー」というフィロソフィーを掲げています。

日本ブランドのユニフォームの可能性を信じてアメリカへ

日本国内では人口減少・少子高齢化により接客サービスのユニフォーム市場は縮小傾向。この先日本国内の人口の全体数が少なくなっていく中、高品質で過当競争していることに憤りを感じていて、ふと世界の人口増加に視野を広げてみたことがきっかけで直線的に先進国アメリカに挑戦しようと思いました。

もうひとつ、アメリカに来てみて分かったことがあります。日本では高い耐久性、機能性そして縫製技術を以って世界でも先端の高機能素材開発とユニフォーム製品開発を行っているということです。これもアメリカにいる方々に喜んでもらえる要素の一つと考えています。そして何よりサンフランススコでご活躍されている日本人の方々には頭が上がらないくらい良くしていただいておりまして、行動力しかない私を笑顔で受け入れていただき沢山の方々との繋がりができました。これは本当に生涯の大切な宝物です。感謝しかありません。

ベイエリアではDELICAさん、伊藤園さん、iichikoさん、シリコンバレーエリアではOracleさん、山ちゃんラーメンさん、炭家さんなどですでに採用していただいています。まだまだ駆け始めたばかりですがアメリカで当たり前のように存在し、着る人にも見る人にも喜んで頂けるユニフォームメーカーを目指し、引き続きサンフランシスコの皆様よろしくお願いいたします。

過去を探って未来を生み出す ~ロボットユニフォームへの挑戦~

日本のユニフォーム業界の未来を考え、もう一つの側面で挑戦したことがロボット専用ユニフォーム「ROBO-UNI」という新しい市場の創造です。テクノロジーが発達した現在、人工知能などを搭載したロボットが次々と世に出てき始め、サービス業界にとっては驚異となるそのロボットと人間はどう対峙していくかを考えてました。昨年シリコンバレーに行ってみて、「ロボットはそもそも人間の役に立つために人間がつくったもの、近い未来人間はロボットと快適に共生していく」という逆の発想にたどり着きました。

現在までロボットは一部の男性からは圧倒的な支持があり、女性や子供たち、ご年配方にはまだまだ馴染みがなく、この距離にギャップをとても感じていました。老若男女、ロボットには興味がなくても洋服を軸にロボットに関わることができたら距離が近くなるのではと考えました。

また近代ユニフォームの歴史を遡ってみると、明治時代に出始めた警察、医者、鉄道などユニフォームの概念は、その人が何者であるかを認識記号として使われていたことからくるのです。それをロボットに置き換えると、大量生産され表面的には見た目は同じ物ですが、中身(ソフト)はそれぞれ違うプログラムや性能を持ち合わせたロボット達です。ユニフォームは中身のソフトの部分を視覚的に誰にでも認識してもらえる記号になる。そう考えロボット専用ユニフォームの開発を本格的に始めました。

構想から約1年で全国発売まで来れたのは、この考えに「一つのカルチャーになるかも」、「その世界はいずれ来ると思う」と共鳴いただいたロボットスタート(株)北構様との出会いです。彼らと何度も開発、実証実験を繰り返し、みずほ銀行本店井原様にテスト着用の最終サンプルを持って着付けをした時は鳥肌が立ちました。ロボットは痛さも寒さも感じないと分かっているのに、壊れないよう、寒がらないように人間が着させていることに気づき、心の中でロボットに「服着れてよかったね」とその時3人で感じたことが忘れられません。そして脱がせた瞬間「世の中のロボットたちは裸である」という概念が生まれたと感じました。

現在、ROBO-UNIは、ソフトバンクロボティクス(株)とライセンス提携し、ヒト型ロボットPepper用ロボットユニフォームを開発、ロボットのモーター温度の上昇を軽減する工夫や可動部分に生地が巻き込みにくいよう独自設計。そして認定テストをクリアしたロボットユニフォームを2016年8月、ソフトバンクロボティクス及びソフトバンクより販売開始しました。ロボットメーカーが公式に衣装を保証対象内として販売するのは世界初だそうです。ソフトバンクロボティクスのROBO-UNIプロジェクトメンバー村山様、中西様、今成様、そしてROBO-UNIメンバーの副島様、隈崎様、藤木様、私の7名というこの最高のチームでのゼロからイチを生み出そうとする熱量が、チーム結成から1カ月でSoftBank World 2016でのROBO-UNI登壇、さらにその2週間後に販売開始に至ることが出来たのだと考えています。また、粘り強く実証実験にご協力いただいたシステムトランジスタ(株)高橋様にも大変感謝しています。

沢山の方々のおかげで走り始めた日本ブランドユニフォームのアメリカ進出とロボットユニフォーム。まだまだ未熟ではありますがユニフォームを通してたくさんの人たちの笑顔あふれる豊かな社会づくりに少しでも貢献していきたいと思います。

株式会社ボンユニ福岡
〒810-0012
福岡県福岡市中央区白金2-3-8
www.bonuni.com
ROBO-UNI
robo-uni.com