Manna Foods, Inc.

渡辺 麗奈 さん

商品と共に育ち、共に生きる」父から受け継いだ技術と精神をアメリカに


2017年3月17日
『カロリーを気にせずに食べられるポテトチップス』の謳い文句で、日本全国で販売されているポテトチップス「焼きじゃが」をご存じだろうか。乾燥したじゃがいもを『遠赤外線で焼く』というノンフライ製法の特許技術を使ったベイクドチップスで、従来の油で揚げる製法で多く発生する発がん物質のアクリルアミドは殆ど無く、心筋梗塞などの原因になるトランス脂肪酸も発生しないという低カロリーでヘルシーなお菓子である。  この商品を製造販売するManna Foods本社は大分県。地元に生産拠点を持っている。今年春からのアメリカでのテスト販売に向けて大忙しのManna Foods渡辺麗奈さんにお話を伺った。

サンプリング活動は10歳から
この商品をサンプリングしていた日々を思い返せば、10歳頃からやっていました。社長である父がまだまだ試作段階の時期から、商品を作っては家に持ち帰って食べていました。小さい頃は何をやっているのか理解できていませんでしたが、このポテトチップスが美味しくて好きだったので、自分も友達に広めたくて小学校のころからボックスを抱えて学校に持って行っていました。その後、東京の大学に進学し交換留学でミネソタに来たのをきっかけに、アメリカで仕事をしたいという気持ちが芽生えました。というのも、ミネソタでの食生活の環境があまりにもひどかったのです。

ミネソタは奥地なので採れる食材が限られていて、多くの食品はカリフォルニアなどから送られてくるので鮮度も悪く、栄養素も死んでしまっています。オーガニックスーパーはニューヨークやシカゴまで行かないとないのですが、現地の人たちはそこで買えるもので満足し、気にしていないようでした。現地の人を観察していると、ミネソタはずっと冬で寒いので運動もせず、アルコールを飲み、煙草を吸うので肥満の方が多く、そして注意欠陥・多動性障害(ADHD)やうつ病も多かったです。そんな閉ざされたミネソタでの生活で見たものがあまりにも衝撃的過ぎて、帰国後、アメリカの内地に日本食を持っていく仕事をしたいと西本貿易という企業で勤めました。最初の勤務地でサンフランシスコに来たことは自分にとってラッキーでした。サンフランシスコの人々はオーガニックを好み、ヘルシー志向で、自然を愛する人が多く、ミネソタで見たものがアメリカの全てではないと知りました。そのため「このポテトチップスは、サンフランシスコなどの都市はもちろん、アメリカの内地でも販売すべきであり、健康被害に悩んでいる人たちの手に届けたい。」という想いと経緯があり、夏頃のローンチに向けて活動しております。


消費者の生の声を聴くために
西本貿易時代、某日系スーパーを担当していました。アメリカにある日系スーパーはこんなにもアジア人、日本人が多いのかとビックリしたと同時に、この商品は果たしてアジア人以外のローカルの人達の手まで届くのだろうか、これをアメリカのマーケットに広げるためには自分はどこに行けばいいのだろうかと考え始め、1年8カ月働いた西本貿易を退社し、Whole Foodsで働くことを決めました。当初からキャッシャ―を希望しました。どのような商品があり、どのくらいの単価で会計を払い、何曜日にどのような味が消費者に好まれているのかというところまで見て、独自でマーケットリサーチを行うためです。Whole Foodsで働いたことは、この商品作りに直結することになる、貴重な財産です。商品の英語版パッケージを作成した際は、ウェブデザインができるWhole Foodsのストッカーの子にお願いしました。彼は毎日商品を見ており、どうすればお客さんの目に留まるか、どんなデザインがお客さんに好まれるかを知ってました。これは普通のウェブデザイナーではわからない知識ではないでしょうか。その彼が作ったデザインサンプルを自分のレジに置き、「3秒頂戴、この中でどれがいい?」とお客さんの生の声を聴きながら改良していったのが今のデザインです。もちろんデザインだけでなく商品の味もお客さんや職場の人の意見をたくさんもらうことで、日本では人気のある味がこっちでは不人気だったりと、いろいろな気付きを得ることができました。目の前にいる消費者が好きなものでないといけない、彼らに食べてもらい、彼らに決めてもらうという、プロダクトを作るにはすごく適した場所だったと思います。


時代を駆ける商品
父は戦後に生まれ、食べものがなかった時代の人なので、食べものを無駄にしてはいけないというマインドが強い人です。その無駄を無くす貪欲さの上に生まれたのがこの商品でした。「これは消費者の為に作るのであって、お金稼ぎのために作ったものではない」という戦後を生きた人にしかわからない、食べものが無い辛さを知り、父のマインドを受け継がなければならないと強く思っています。今、あり余る程のお菓子が市場に並ぶ世の中は、たたき売りや大量生産、大量消費により、いかに儲けるかという流れになってしまっています。しかしそれは栄養面ではなく、コスト削減の重視に繋がり、消費者の健康値が下がる結果となります。しかしようやく、近年社会意識が変わりはじめ、プロフィットは取れなくてもいいからヘルシーを重視する動きがきたように感じます。この流れは本商品を売るチャンスでもあるし、この商品が人に素直に受け入れてもらえるチャンス、更には素直に、消費者が健康になってもらえるチャンスでもあります。ひとつ大きな課題は、どうすれば遠赤外線が無害だと伝えることができるかです。根本から説明していかなければいけないため、時間はかかりますが、必ず受け入れられると信じています。

ミッションとゴール
「医食同源」という言葉があります。食料品は医療品と同じように、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方です。このチップスはそのようなポテンシャルがある商品ですし、多くの人に受け入れられると信じています。最終的には、学校給食や病院など医療の現場にも受け入れられるようになることがミッションです。

また、「Japan Product」というのも全面に出していきたいです。アメリカのプロダクトだと謳うのは簡単です。しかし、遠赤外線を使った新製法技術の工場は日本にあり、そして父の生い立ちから成る強いマインドによって開発されたものなのです。アメリカからの投資を得るだけでなく、日本からのバックアップがあってこそ、この商品があるという事を伝えていきたいです。

私自身の今後の人生はどうなるかわかりませんが、この商品と共に生きていくのだと思います。40年代の人である父が、なぜこのような赤外線を使った未来型のチップスを作ったのかという事を常に念頭に置き、本商品を日本だけでなく海外でも消費者の為に広く長く販売をしなければいけないと思っています。人間が長生きするための欲求というのは消えないし、誰にも止められません。だからみんな一生懸命スムージーを飲み、オーガニック商品を買い、健康に関する記事を読む。10年後、20年後、そういう人たちがさらに増えていくであろう、その時代の先までこの商品と一緒にありたいです。

Manna Foods, Inc.
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