Hinodeya Ramen Bar

栗原 正生 さん

旨味の文化を世界に四代目ひのでや10ヵ年計画


2017年7月28日
130年以上続く日の出家の長男として生まれる
130年以上に渡って代々受け継がれてきた「日の出家」は元々、地元の開業間もない駅前に店を構え、駅を利用する乗客や運び屋さんを相手に食事処として始めたのがルーツです。三代目である私の父は、とても真面目で、綺麗好き。お酒も飲まず、病気をしてもお店に立つほど商売に対して一生懸命な人でした。お釜のご飯が売り切れになれば、よく近所のお店に走って買いに行かされてましたね。今もそうですが、私は幼少の頃から人見知りもなく、人懐っこい性格でしたので、近所では「日の出家のまあちゃん」と呼ばれていました。実家が商店街にある飲食店なので、よく人が出入りしていましたし、両親が仕事で忙しかったので、祖父母に面倒を見てもらったり、近所のお店でご飯を食べさせてもらったりと、地元の商店街の人々に可愛がられながら育ててもらいました。その頃の僕のおもちゃは食材で、見よう見まねでギョウザの皮を作ったり、ハンバーグを焼いたり、野菜を切ったりなどして遊んでいました。まだ子供だった私が一生懸命作った料理を大人は褒めてくれて、それがとても嬉しかったのを覚えています。父がよく言っていた「人間正直に生きていれば何も怖くない、自分に嘘があるから不安がある。」という父の言葉と姿は、今の私の商売の根幹になっています。

4代目としての覚悟
小さい頃から日の出家の跡取りと言われてきましたが、家が料理屋だから料理人になるのだと言われるのが嫌で、自分は自分の人生を歩むという気持ちがありました。両親からは「お前が好きなことをやっていい」と言われていたので、興味があった電子や機械の工業系に進むことを考えたこともありました。しかし実際に進路を選ぶときに、何でも1番になりたいという根っからの目立ちたがり屋な性分と、手先の器用さ、自由な発想、人好きという自分の持ち味を生かせるのは料理の道だと気づきました。ただ家業をそのまま継ぐのではなく、偶然実家が飲食店だったというのであって、自分は全く違う一流の料理人になるんだと決め、大阪の調理専門学校へと進みました。
海外への憧れは専門学生時代の先生に、「料理人にもいろんな仕事があるけれど、大使館のシェフという仕事もあるんだよ。海外の大使館で働けるようになると首相や国王といった凄い人に会えて、知らない世界が見れ、世界が広がる。」と言う話を聞き、包丁一本で世界で活躍できるなんてかっこいいなと思ったことがキッカケでした。卒業後、銀座の料亭で働き、外務省から声をかけて頂いて夢だったヨーロッパ大使館の料理長として3年間働くことができました。そして、ヨーロッパから帰国後、サイパンでのお店の立ち上げに携わった際は、海外での新規立ち上げの大変さを実感しました。その時の苦労は今に繋がるとても貴重な経験だったと思います。
整った環境の大使館でいい思いをし、苦労しながらも海外立ち上げに携わるなどの経験をしてるうちに、正直地元で商売をやることには魅力を感じなくなっていました。そんな頃、埼玉の実家が再開発でついに立ち退きになると連絡が入り、「家を継ぐ気はないか。お前がやるなら日の出家の暖簾を渡す」という父親の言葉で四代目を受け継ぐ決心をしました。

10ヵ年計画
2006年に四代目としてスタートしてから、今後海外に進出するまでに成功しておきたいこと、実現させておくべきことを考え、10ヵ年計画を立てました。例えば、目指せ従業員100人。もし3人の従業員で海外に行きたいなんて言えば、付いてきてくれる人もおらず、店は潰れてしまいます。しかし100人いれば海外に行きたいという従業員が1〜2%でも出てくるかもしれません。それを見据えて毎年海外へ社員旅行にも行っていました。お陰様で先代までの屋号であった「ひのでや」も復活させ、そして遂にちょうど四代目として10年目の2016年に、サンフランシスコで「Hinodeya Ramen Bar」をオープンしました。結果的にその時行きたいと言っていた従業員を全員連れてくることができました。サンフランシスコでのオープンは、僕の中では計画通りであり、ここがゴールではありません。ここから出汁の文化を広めていこうという、新たな出発点です。
もちろんサンフランシスコでオープンした時に次の10年も決めました。我々の持つ理念と材料とファイナンスが揃えば、最終的にはすべてのお店をスタッフに譲りたいと思っており、私自身は、日本にいる妻と娘と3人で出来るお店が1つあれば良いなと思っています。そこで娘には自分も経験して得た、働く仲間や生きる力を残してあげたいです。そして自分が育てたスタッフの頑張りをサポートしながら見届けていきたいと思っています。

サンフランシスコでのコンセプト
我々はまず第一に「出汁の文化を広めよう」との想いで来ました。その為に出汁、旨味を軸とした、美味しいだけでない旨味を感じられるようなメニュー用意しています。また、食事を通じて日本を感じてもらえるよう、社員教育も徹底して日本ならではのおもてなしを提供しております。
 こっちに来てようやくアメリカの中でのカリフォルニア、そしてカリフォルニアの中でのサンフランシスコというのが見えてきました。サンフランシスコという街は、新たなことを受け入れてくれやすく、健康に対する感度も高いです。そのため、ひのでやの新しい出汁のラーメンもすぐに受け入れてもらえると思います。ラーメンが流行っている今、ラーメンに拘りのある人は増えています。そんな様々なラーメンを知っている人達に、多くの種類のラーメンから是非我々のラーメンを選んでほしいと思います。

Hinodeya Ramen Bar
1737 Buchanan Street, San Francisco, CA 94115
hinodeyaramen.com 415-757-0552
Mon~Sun 11:30~14:30, 17:00~22:00
Tuesday Closed