野口泰新総領事 コルマ日本人共同墓地参拝

在サンフランシスコ日本国総領事館の野口泰新総領事が2022年9月8日、コルマ共同墓地を参拝された。

当地において日米関係の発展に尽力された数多くの日本人・日系人の方々に敬意を表し献花、記帳をされた。約120年の長きにわたり墓地を管理している慈恵会と関係者の皆様も同席された。

◆コルマ日本人共同墓地とは◆

 サンフランシスコの南、コルマは「魂の街(City of Souls)」として知られている。ここに多くの共同墓地が集まっているからだ。一帯に広がる墓地群を眺めながらなだらかな丘を登っていくと、不思議な静謐さに満たされた場所に日本人共同墓地はある。ここに日系コミュニティの発展に貢献した多くの日本人・日系人が眠っているのだ。
 1870年代、日本人共同墓地が設けられる前、日本人はサンフランシスコ市の公設墓地である「ローレル・ヒル」または「マソニック公設墓地」に埋葬されていた。しかし日本人の埋葬地が散在するのを嘆いた初期福音会は、Otis Gibson教会監督に依頼し、中国人墓地の一部分を日本人墓地として使用することとなった。しかしながら1879年頃、日本人娼婦が死亡、その埋葬をGibsonに拒絶されてしまう。似た悲劇は再び起こる。1901年において3人の娼婦が黒死病で死亡するが、娼婦であったということで埋葬拒否事件が再び起きてしまう。これらの事件を発端にして日本人墓地の必要性が高まり、設立運動が起きた。その後、加州日系人慈恵会が、⑴加州在留日本人に対して疾病もしくはその他の災難に罹り、他からの援助を受けることのできない人を救済すること。⑵加州在留日本人のために共同墓地を設けかつこれを管理すること、を目的とし組織され、日本人共同墓地が創設されることとなった。これが1902年のことである。このような経緯で創設されたコルマ日本人墓地は、ベイエリアにおける日系コミュニティーの結束を象徴した場所とも言えるだろう。
参考資料:加州日系人慈英会『コルマ日本人共同墓地拡張計画』パンフレット


野口泰(のぐち やすし)総領事略歴

生年月日 : 1966年(昭和41年) 5月7日

京都大学法学部卒業

外務公務員採用I種試験合格

1990年(平成2年) 4月 : 外務省入省(西語研修)

2003年(平成15年) 8月 : 外務省在米日本国大使館一等書記官

2005年(平成17年) 8月 : 外務省在ペルー日本国大使館一等書記官

2007年(平成19年) 1月 : 外務省在ペルー日本国大使館参事官

2007年(平成19年) 8月 : 外務省G8サミット準備事務局次長

2008年(平成20年) 8月 : 外務省大臣官房総務課監察査察室長

2009年(平成21年) 7月 : 外務省総合外交政策局安全保障政策課国際平和協力室長

2009年(平成21年) 12月 : 内閣官房内閣総務官室企画調整官(内閣官房国家戦略室)

2010年(平成22年) 4月 : 内閣官房内閣参事官(内閣官房国家戦略室)

2011年(平成23年) 3月 : 内閣府参事官(政策統括官(防災担当)付)

2011年(平成23年) 3月 : 平成23年東北地方太平洋沖地震 緊急災害対策本部被災者生活支援特別対策本部事務局参事官

2011年(平成23年) 5月 : 平成23年東北地方太平洋沖地震 緊急災害対策本部被災者生活支援チーム事務局参事官

2011年(平成23年) 8月 : 外務省中南米局中米カリブ課長

2013年(平成25年) 8月 : 外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課長

2015年(平成27年) 9月 : 宮崎県警察本部長

2017年(平成29年) 9月 : 外務省在サンパウロ日本国総領事館総領事 

2020年(令和2年) 8月 : 防衛省防衛政策局次長

2022年(令和4年) 8月 : 外務省在サンフランシスコ総領事