ペロシ下院議長の夫暴行される 容疑者はQAnon陰謀論に共鳴か

ナンシー・ペロシ下院議長の夫であるポール・ペロシ氏が先月28日、サンフランシスコの自宅で押し入った男にハンマーで暴行された。容疑者は「ナンシーはどこだ、ナンシーはどこだ」と叫んでいたという。サンフランシスコ警察のウィリアム・スコット署長は、デビッド・デペイプと名乗る犯人は、殺人未遂、凶器による襲撃、高齢者虐待などで起訴されたと述べた。ポール・ペロシ氏は、「頭蓋骨骨折と右腕と両手の重傷」を修復する手術を受け、成功したという。容疑者はバークレーで、公共の場での着衣を義務付ける地方条例に抗議し裸でピケを張るなど、ヌード推進派の活動家として知られていたという。また、容疑者は、2020年の選挙結果に疑問を呈し、ドナルド・トランプ前大統領を支持し、QAnon陰謀論に共鳴するものを含め、人種差別的でしばしばとりとめのない投稿をオンラインで行っていたという。

パンデミックで二酸化炭素排出削減も
山火事で帳消し

カリフォルニア州大気資源局によると、カリフォルニア州民は2020年に3500万トン(1年間稼働する石炭発電所94基分に相当)の二酸化炭素排出を削減したという。これによって放出された地球温暖化ガスの量は、前年より9%減少したことになる。パンデミックで運転者が運転を控えたことが主な原因。しかし、これには2020年に発生した山火事によって放出された約1億2700万トン(二酸化炭素換算)の量は含まれていない。同州の地球温暖化ガスの主な発生源は、産業や発電を差し置いて、山火事が交通機関に次いで2番目に多い。2020年4月、カリフォルニアの自動車運転手は前年同月に比べて44%走行距離を減らたが、走行距離はその後、パンデミック前の水準に回復している。

企業のカリフォルニア離れ加速
SFは52社失う

スタンフォード大学のフーバー研究所は、同州に本社を置く企業は、昨年は2020年と2019年の2倍、2018年の3倍の割合で同州を去ったという。テスラ、オラクル、HPなどの大企業ばかりではなく、中小企業にもこの傾向は及んでいるという。同州は過去3年間に、フォーチュン1,000社のうち11社の本社を失った。2018年から2021年にかけて、ロサンゼルス郡だけが80社の離脱を記録し、サンフランシスコは52社の本社を失った。しかし、これは必ずしも企業がカリフォルニア州から完全に撤退したり、カリフォルニア州での事業拡大を停止したりすることを意味するものではない。

薬物死、若者の間に急増
安価なフェンタニルが流入

調査統計によると、昨年、強力な合成オピオイドのフェンタニルによる死亡者は15歳から24歳の年齢層の死者の5分の1に上り、3年前の6倍以上になったことが明らかになった。昨年、カリフォルニア州の全薬物過剰摂取による死亡率は、初めて肺がんを上回り、高血圧性心疾患のすぐ下にランクされた。15歳から19歳のティーンエイジャーでは、オピオイドによる死亡率は2018年から2021年にかけて4倍以上増加。20歳から24歳では、7倍近くに跳ね上がった。メキシコからの密売ルートが強化され、安価な薬物が地元の薬物市場に浸透し始めたためだという。犠牲者は、自分が服用している薬物にフェンタニルが含まれていることを知らないことがしばしばだという。

14歳の少年、銃撃され死亡
サクラメント

サクラメントで先月28日、14歳の少年が銃撃されて死亡した。サクラメント郡保安官事務所によると、この少年は午後9時ごろ、サクラメント近郊のノース・ハイランド地区の家の前庭で、少なくとも1発の銃創を負って倒れているのが発見された。少年は現場で死亡が確認された。少年を発見した911通報者は、銃声を聞いたと当局に話したというが、当局は発砲に至った原因を特定できておらず、保安官事務所は容疑者の可能性についての情報を持っていないという。少年の氏名は公表されていない。現場近くの住人は、「言葉を失うよ。まったくひどい話だ。誰が銃で遊んでいるんだ?しかも、これはで『遊び』ではなく、『殺人』だ」と話している。

射殺事件で元警官不起訴
別の射殺事件で服役中

コントラコスタ地方検事局は先月28日、32歳の黒人男性タイレル・ウィルソンさんが警官に射殺された事件に関して起訴しないことを発表した。この警官は別の射殺事件で現在服役中だという。2021年3月11日、ダンビル警察の警官だったアンドリュー・ホール容疑者は、高速道路に石を投げていたとされるウィルソンさんがナイフをもってむかってきたため発砲した。ウィルソンさんはその際「殺してくれ」と言ったという。地方検事局はこの事件について有罪無罪の判断が難しく「刑事告訴は現時点では行われない」としている。ホール容疑者は、2018年に追跡中の男性を射殺したことで2021年に有罪判決を受けた。

マスク氏陰謀論を投稿
買収したツイッターに

イーロン・マスク氏は先月30日、ポール・ペロシ氏の暴行事件に関する根拠のない陰謀論を買収したばかりのツイッターに投稿した。この投稿は批判を受け既に削除されている。マスク氏の投稿の発端はヒラリー・クリントン元上院議員のツイート。クリントン氏は暴行容疑者が明らかに極右に傾いているというロサンゼルス・タイムズの記事を紹介した。これを受けてマスク氏は攻撃に関する根拠のない陰謀論を提示した投稿へのリンクを共有したという。この陰謀論の投稿は、タイムズ紙が「偽ニュースを掲載することで悪名高い」と評したサンタモニカ・オブザーバー紙に掲載されたもの。