今週のニュース 5月1週目

マンザナーで50回目の式典 – 排外主義的な政権に危機感

第二次大戦中に強制収容された日系米国人の苦難をしのぶ式典が先月27日、カリフォルニア州中部マンザナーの強制収容所跡地で開かれた。今年は式典が始まって50年の節目となる。参加した元収容者のジム・マツオカ氏は「強制収容された時代のことを、市民としての権利を奪われたという事実を忘れないためにも、こういう慰霊祭はとても重要だ」と語った。また、式典では排外主義的なトランプ政権の姿勢に危機感を表明する参加者の発言が相次いだ。強制収容の不当性を裁判で争い、日系人の名誉回復に尽力した故フレッド・コレマツ氏の娘カレンさんは「ヘイトや人種主義、外国人嫌いを止めなければならない」と述べた。また、式典を主催した一人のブルース・エンブリー氏は、「現在の米政府の動きは1942年と全く違いがない」とトランプ政権を非難した。

カナダの委員会フェイスブックを提訴

カナダのプライバシー保護委員会は先月25日、フェイスブックが同国の個人保護法に違反し、個人情報保護を怠ったとの報告書を発表した。そのうえで、情報保護の改善を求め、同社を提訴する考えを示した。委員会は、同社がカナダ人60万人の個人情報を収集し、ユーザーの同意を得ずに第三者に提供しているのはカナダの連邦法などに違反していると指摘したが、同社は調査結果に異議を唱え、勧告を聞き入れなかったという。委員会のダニエル・テリアン氏は「フェイスブックは責任ある行動を拒否した。彼らのプライバシーの枠組みは空っぽだ」と述べた。

市が撤去の申し立て – フリントストーンハウス

ヒルズボローのハイウェイ280号近くにある「フリントストーン・ハウス」が撤去の危機にある。ハイウェイからも見えるこの家は人気アニメ「フリントストーン」にインスパイアされたもので建物は奇妙なキノコ型で庭には恐竜のオブジェなどが並ぶ。所有者はフローレンス・ファング氏だが、ここには居住していない。多くのファンがいる家だが、市当局は「迷惑で目障り」だとして撤去を要請、無視されると州当局に撤去を申し立てた。これに対してファング氏の弁護士は「市当局は自分の庭を楽しむというファング氏の憲法上に権利を侵害している」と語っている。

サンフランシスコ顔認証システム禁止を検討

サンフランシスコ管理委員会は先月24日、アーロン・ペスキン委員が提出 秘密監視停止条例案(Stop Secret Surveillance Ordinance) の審議を行った。この条例案は市内における様々な部署によるバイオメトリックデータの収集に厳格な制限をかけようとするもので、可決されればサンフランシスコは顔認識システムを法的に使用禁止する米国初の自治体になる。条例案は自治体による顔認識技術の使用も禁止している。ペスキン氏は「監視技術が展開される前に、市民の権利と自由を保護するため、透明性や説明責任といった内容を含む、法的強制力のある法的措置を設ける必要があるとしている。

UCSF研究チーム 脳信号を音声に変換

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、脳に電極を埋め込み、脳の言語中枢からの信号を解読。唇、あご、舌、喉頭の動きをコンピューターでシミュレーションし、シンセサイザーで音声を生成することに成功した。先月25日、英科学誌『ネイチャー』に報告論文を発表した。これは、ブレイン・マシン・インタフェースと呼ばれる、脳の活動と機械を結びつけ人間の感覚機能を補完または拡大する先進技術。論文の主執筆者エドワード・チャン氏は、「脳は思考を声道の動きに変換する。われわれは研究で、この解読を試みている」と語っている。

カリフォルニアで「はしか」感染 – 大学生、職員ら自宅待機

カリフォルニア州の保健当局は先月25日、はしかの感染拡大を防止するため、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とカリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の学生と職員、数十人に隔離措置をとったと発表した。対象者は患者と接触した可能性がある。自宅で待機して他者との接触を避けるよう命じられ、もし症状が出た場合は公衆衛生当局に連絡するよう指示されている。一定期間に症状が出なければ対象から外す方針。UCLAによれば、先月22日に学生の感染が発覚した。この学生は先月2日と4日、9日の3日間、講義に出席していた。