第36回 :2019年健康保険(オバマケア)について

オバマケアって何?

「オバマケア」とは、The Patient Protection and the Affordable Care Act(医療保障制度改革法)という法律のニックネームです。この法律によりアメリカ国民全員が健康保険に加入することが義務づけられました。国民全員が健康保険に加入することにより、ひとりひとりの医療費の負担を減らすこと及び医療の質の向上を目的として2010年度に発行され2014年1月から開始されています。これにより変わった内容のうち保険に加入する側の私たちに関係のある部分をまとめると、

  1. 国民は健康保険に加入することが義務となり、未加入者にはペナルティーが課される(2019年より廃止)
  2. 保険会社は病歴や妊娠中を理由に保険加入を拒否できなくなった
  3. 保険のカバーする10個の最低基準が設けられた
  4. 家族の収入と人数によってPremium Tax Creditと呼ばれる助成金が受けられるようになった
  5. 個人が健康保険に加入できる期間は年に一回のOpen Enrollment Periodに限られる。ただし、結婚・離婚・失業・引っ越しなど一定の条件を満たす場合は期間外でも加入が出来る

カリフォルニア在住の方は、下記のいずれかの方法で健康保険に加入することになります。

ペナルティー(罰則)って?

オバマケアにより健康保険の加入が義務となったため、保険に未加入の方にはペナルティーが発生します。2018年度は「世帯収入の2.5%(最大$13,100)」か「一人につき$695(世帯最大$2,085)」のどちらか大きい方です。ペナルティーはタックスリターン時に徴収されます。(2019年より廃止) 

TAX Creditについて

カリフォルニア在住の方は、世帯収入と家族の人数によっては「Covered California」というマーケットプレイスを通して保険を購入することで保険料の助成金を受け取ることができます。ある程度収入があっても家族の人数が多い場合には助成金を受けられる可能性が高まります。(2018年度は2人家族で$64,960、4人家族で$98,400以下) 

2019年度 Open Enrollment Periodについて

2019年度の保険に申請が出来る期間は2018年11月1日から2018年12月15日までで、以前まで90日あった期間が45日に短縮されています。この期間を逃すと特別な条件以外では個人用の健康保険に加入が出来ません。(グループ保険は別です)

また、トランプ政権がオバマケアに変わる安価な保険として押しているShort Term Insurance(短期医療保険)は既往症をカバーしないJunk Insuranceということで2018年9月よりカリフォルニアでの販売が禁止されました。そのため、年に一度のOpen Enrollment Periodを逃すと、2019年は丸々無保険となってしまいます。

オバマケアが開始された後健康保険の保険料は上昇の一途を辿り、カリフォルニアの健康保険も毎年平均8.4%も値上がりしています。新規加入だけでなく、保険プランの見直しをする場合も期間中でないと出来ませんので、分からないことなどがあればできるだけ早めにご相談することをおすすめいたします。