Mobility Update ~活発化する海と空の移動への投資~

海を守る自動運転海洋調査船

海洋調査機関のPromareがIBM technologyと協力し、2020年9月に完全自動運転による大西洋横断に挑戦する。船の表面はソーラーパネルで覆われ、太陽光エネルギーと風力タービンにより運行される仕組みで、イングランドから米国のマサチューセッツまでを航海する。同船は、海洋生物調査や海洋プラスチック分析などを行うことができる調査機器を積み込んで航海を行う予定となっている。

IBMは、RaderとLidarでセンシングを行い、海の中の障害物を避けるように設計された自動運転のテクノロジーを提供する。自動運転システムは、原則として船側(エッジ)で動作し、通信環境が許すタイミングで本社側とも通信を行い、クラウドでもデータプロセッシングを行う設計となっている。

注目を集める空のスタートアップ

ヘリコプター型の電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するVolocopter は、2019年9月に$55Mを資金調達し、3年以内でのロボエアタクシー事業の開始を目指す。過去に1000回以上のテストを繰り返したのち、2019年8月に第4世代のVoloCityを発表している。航続距離は約35キロメートル、最高飛行速度は約110キロメートルとなっており、2名を輸送できるとのこと。今回の調達資金を、安全性対策、規制対応、貨物輸送機の開発、商用化のために使用するという。同社は2019年8月にヘルシンキ国際空港で、他の航空機がいる環境での自動飛行を達成し、従来の航空管制と無人を前提とした航空管制とが協調できることを示した。

VolocopterのコンペティターであるFlying CarスタートアップのLiliumにも$400Mから$500Mの資金調達のうわさが流れている。同社は「従来の5倍速い移動を実現し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶ」という目標を掲げ、以前のラウンドでWeChatのオーナー、Tencentなど著名投資家から資金を調達している。2018年11月にAirbusとAudiから経営幹部を招き入れ、本年の初頭に5シートの電動垂直離着陸機でのフライト成功を発表している。Droneやヘリコプターをまねるのではなく、ジェット機を模すことにより、競合のVolocopterを大幅に上回る航続距離300キロメートル、最高飛行速度300キロメートルを実現することを売りとしている。他の同業企業が、空港間や空港と主要な駅を結ぶことを目指すのに対して、いかなる地域間の輸送も可能にすることを目標として掲げる。今後の課題として、既存の航空管制システムと協調する航空管制管理システムの開発と、消費者が使いやすいアプリケーションの開発を挙げており、専門チームを組成して対応にあたっている。

同業界ではAlphabetの創業者ラリー・ペイジがサポートするKitty Hawkも、1シートの水上垂直離発着機Flyer、2人乗りの自動運転エアタクシーCoraに続き、どこでも離発着が可能なコンセプトを持つHVSDを発表した。HVSDはヘリコプターより100倍静かで、最高飛行速度100キロメートルで飛行可能で、サンノゼからサンフランシスコを15分で結ぶ予定であるという。

以前同コラムで紹介した空のUberと言われるBlack Birdも合計$15Mの資金調達を発表し業容を拡大している。Black Birdは、高くても良いという従来の空の移動の発想を打ち破り、「自動車での移動をフライトに置き換える」ことを目標に、自動車より安く早い移動を実現することを目指す。現在、在籍する700名のパイロットと乗客のマッチングサービスを展開しており、カリフォルニア域内を中心に80から800キロメートルの距離での移動を中心にターゲットとする。セスナでのSan FranciscoからNapa Valleyの見積もりは30分$88であり、Uberでの移動より安価な金額となっている。

空の領域でもスタートアップの動きが活発になっている。同業界ではAlphabetの創業者ラリー・ペイジがサポートするKitty Hawkも、1シートの水上垂直離発着機Flyer、2人乗りの自動運転エアタクシーCoraに続き、どこでも離発着が可能なコンセプトを持つHVSDを発表した。HVSDはヘリコプターより100倍静かで、最高飛行速度100キロメートルで飛行可能で、サンノゼからサンフランシスコを15分で結ぶ予定であるという。

以前同コラムで紹介した空のUberと言われるBlack Birdも合計$15Mの資金調達を発表し業容を拡大している。Black Birdは、高くても良いという従来の空の移動の発想を打ち破り、「自動車での移動をフライトに置き換える」ことを目標に、自動車より安く早い移動を実現することを目指す。現在、在籍する700名のパイロットと乗客のマッチングサービスを展開しており、カリフォルニア域内を中心に80から800キロメートルの距離での移動を中心にターゲットとする。セスナでのSan FranciscoからNapa Valleyの見積もりは30分$88であり、Uberでの移動より安価な金額となっている。空の領域でもスタートアップの動きが活発になっている。