第19回 オンライン・レッスン成功の秘訣

皆さま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。

さて、先月からカリフォルニア全土に発令されたshelter-in-place order (自宅避難指示)は、現在も続いています。コロナの脅威は、音楽のレッスンの方法さえも変えてしまいました。古今東西、音楽のレッスンは、対面で行われてきましたが、Stay home の今、リモートで行うのが唯一可能な手段となってしまいました。オンライン会議システム用のZoom やWebEx、あるいはビデオ通話のFaceTime やSkype といったツールを使い、レッスンをリモートで行うわけですが、日頃使い慣れない機械のたぐいに四苦八苦している先生方や生徒さんも多いのではないでしょうか。今日は、実りあるオンラインレッスンにするために必要な知識や環境、周辺機器について、お話しようと思います。

まず、オンラインレッスンで最も大切なのは、Wifi のスピードです。Wifi のスピードが遅くなると、音声や画像の質が低下して、動きや演奏が途切れ途切れになり、見づらくなったり聞き取りにくくなったりします。これでは、リモートレッスンの効果が半減してしまいます。お使いのパソコンやスマホ、iPad などのWifi スピードは、speedcheck.orgやspeedtest.netなどで簡単に調べられます。ご家族でWifi を共有している場合には、誰かがオンラインゲームをしていたり、インターネットを使って映画やYoutube などを視聴していたりすると、途端に遅くなります。ですので、私はオンラインレッスンの際には、生徒さん以外の家族の方に、極力Wifi の使用を控えてもらうようお願いしています。スビードの速いルーターを使用するのも一案ですし、パソコンやスマホの近くにルーターを置くだけでもスピードが改善されます。私は、ethernet(イーサーネット)というケーブルシステムを使っています。これは、Wifi よりも断然スピードが速いです。

さてネットワーク環境が整ったら、今度はマイクとスピーカーです。高価なマイクやスピーカーである必要はありません。お手頃な価格のUSB マイクやWifiスピーカーがあるだけでも、音がより鮮明に聞こえます。スマホやタブレットの端末は、内臓マイクやスピーカーがモノラルのことが多いので、お使いのデバイスにマイクやスピーカーをつないで、ステレオで演奏を送ったり、聞いたりすることができれば、さらに充実したリモートレッスンになることでしょう。