アメリカでの老後のプランニングをする上で、検討すべき保険が介護保険(Long term care insurance)です。介護保険とは、病気や事故・高齢化などによって介護が必要になった時に備える保険です。アメリカでは65歳以上の52%が亡くなるまでに何らかの介護を受けると統計が出ております。日本の様に公的な「介護保険」のないアメリカでは介護が必要になると大きな費用がかかります。
リタイアメント資金をある程度貯めてあっても、長引く介護により予定より早く底をついてしまうことも想定されます。
メディケアとメディケイド
65歳以上及び障害者の方向けの公的医療保険である「メディケア」では医学的に治療が必要という部分についてのみ多少カバーされますが、介護については全くカバーされません。
また、かなりの低所得者に対しては「メディケイド」(呼び名は州によって異なり、CA州ではMedi-Calと呼ばれます)で介護費用がカバーされます。ただしこの適用を受けるためには、財産・収入が厳しく制限されており、例えば車は1台まで、現金は$2,000までなどです。年金などの収入もほとんど介護費用にあてなければならず、家族には何も残すことが出来ません。また、メディケイドの患者を受け入れてくれる施設も非常に限られています。
そのため、アメリカでは介護が必要になった時に自分や家族が困らないためには自分自身での備えをしておくことが大切です。
介護にかかる費用
こちらの表をご覧いただくと、全米平均でもかなりのコストがかかることがおわかり頂けるかと思います。生活コストが高いエリアでは、さらに高額なコストが掛かります。また、アルツハイマーや認知症など認知機能障害の場合は、さらに割増料金がかかることが一般的です。
そして、この介護費用は毎年毎年値上がりを続けているのが現状です。
介護の難しいところは、一度も必要ないまま亡くなることもあれば、10年以上も介護状態が続く場合もあり予測が出来ないという点です。
金銭的なものだけでなく、精神的にも、身体的にも大きなダメージを受けます。
介護保険
介護保険は、この介護にかかる大きな費用負担を軽減し、サービスを利用することで身体的、精神的なダメージを軽減させ、大切な財産を守るのに役立ちます。
介護保険には複数種類があり、州によってルールも様々です。
また、リタイア後に日本に帰るという選択肢がある方はそこも踏まえたプラン選びが大切になります。
加入年齢が上がるごとに保険料が上昇し加入できる商品の選択肢が狭くなるので、出来れば50代頃までの健康なうちに一度検討されることをお勧めいたします。 長い老後生活を守る保険ですので、ご自身のリタイアメントプランに合わせて各社の見積もりを比較し、お考えに近いものをお選びください。