相次ぐ変異株出現 カリフォルニア変異株も増加

Virus Outbreak California

 イギリスで特定されたCOVID-19の変異株が、アメリカで「急激」に広がっているという研究が、7日に発表された。ただし、この共同研究は、未発表の研究資料を掲載する「MedRxiv」に投稿されたもので、査読や医学誌への掲載は行われていない。それによると、「B.1.1.7」変異株は、アメリカの新規感染報告での割合が9日ごとに2倍に増えているという。この変異株は従来株と比べて感染力が35~45%高いと言われる。また、死亡率が従来株より30%ほど高いという指摘もあるが、これについては強い証拠がなく、データ上でも不確かだという。一方、イギリス、南アフリカ、ブラジル変異株のどれとも異なるカリフォルニア変異株の増加も報告されている。相次ぐ変異株の出現で、インフルエンザ同様、抗COVID-19ワクチンも毎年適応させて製造する必要が出てくるという指摘もある。

ディズニー限定再開へ
「エンターテインメント体験」提供

 ディズニーランド・リゾートのケン・ポトロック社長が8日、20周年を記念して従業員に宛てた手紙で、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークの営業を約1年ぶりに限定的に再開すると発表した。全面的な営業再開については、まだ州の許可が下りていないため、ポトロック氏によれば入場者には飲食や買い物などを楽しんでもらい、「入念に作り上げたエンターテインメント体験」を提供する。これにより、ディズニーのキャスト約1000人が仕事に復帰する。一方、ディズニーが11日発表した2020年10~12月期決算は、最終利益が前年同期比99%減の1700万ドルだったが、黒字を確保した。

間一髪
自殺志願の男性救う

 トゥオルミ郡で8日、橋から約46メートル下の湖に飛び降りようとした男性を、近くで説得にあたっていた保安官事務所の巡査長が間一髪で救出するという事件があった。「男性が橋の上から飛び降りようとしている」との通報を受けて出動した同郡保安官事務所のアンドリュー・ロング巡査長はパロッツ・フェリー橋に立っている男性を発見した。男性は説得に応じず柵を乗り越えようとしたため、約10メートル離れていた巡査長は駆け寄り間一髪で男性の腕をつかむことができたという。当時巡査長は親指を骨折していたが、他の警官も駆けつけ男性を救出したという。

ジャパンタウンの記念碑にいたずら書き
ヘイト・クライムとの関連は不明

 サンノゼのジャパンタウンで8日、記念碑にいたずら書きされる事件が起きた。記念碑は花崗岩でできたモノリスで、この地に移り住んだ日系1世を讃える目的で岡山市から贈られたもの。攻撃的な言葉は見当たらず、COVID-19の流行以来続くアジア系住民へのヘイト・クライムであるかどうかは不明。先月末にはオークランドで、91歳の男性が背後から突然押し倒された。サンフランシスコでは散歩中の84歳の老人が故意にはじき飛ばされた。いずれも老人は死亡、犯人は逮捕された。バイデン大統領は先月26日、アジア系への差別や偏見の解消を目指す大統領令に署名している。

ロビンフッド・マーケッツ提訴
不十分な情報で自殺

 オプション取引で73万ドルを失ったと思い込んで昨年自殺した20歳のトレーダーの両親が8日、個人投資家に株式取引プラットフォームを提供するロビンフッド・マーケッツを提訴した。故アレックス・カーンズ氏の両親は8日、サンタクララ郡の州裁判所に同社を不法行為による死亡で提訴した。訴状によると、同氏は同じ銘柄のプットオプションの買いと売りを同時に行う取引をしていた。同社はカーンズ氏に残高が約73万ドルのマイナスになっていることを同氏に通知したが、決済によって残高は解消することを知らせていなかった。そのためパニックに陥った同氏は自殺したという。

COVID-19死者数全米1位に
カリフォルニア州

 カリフォルニア州は9日、COVID-19で死亡した人の数がニューヨーク州を上回り、全米50州で最多となった。9日夜の時点でカリフォルニア州のCOVID-19は4万5000人を超えた。ロイターの集計によると、昨春のパンデミック初期に深刻な感染拡大を経験したニューヨーク州の死者数は4万4693人となっている。カリフォルニア州のニューソム知事は記者会見で、1日当たりの死者数はここ数週間で減少しているものの、過去14日間の1日平均は500人と、依然として「極めて」高水準にあると述べた。米国全体としては、死者数は横ばいになっている。

遺伝子解析会社の転換社債取得
ソフトバンク・グループ

 ソフトバンク・グループは遺伝子解析会社パシフィック・バイオサイエンシズ・オブ・カリフォルニア(メンロパーク)に同グループを割り当て先とする転換社債型新株予約権付社債を発行する。パシフィック・バイオサイエンシズが10日、発表した。パシフィックが持つ技術の商業化を加速させることが狙い。同社は病気の研究や治療法の開発に使われる次世代のDNAシーケンシング・システムを製造している。ソフトバンクは既にパシフィック株を約6%保有している。発表を受け、同日パシフィック・バイオサイエンシズの株価は序盤の取引で約23%高の48.63ドルとなった。