14日に実施されたカリフォルニア州のニューサム知事(民主党)のリコールの賛否を問う住民投票で、反対票が過半数を大幅に上回り、ニューサム知事の続投が決まった。サクラメントで勝利演説をしたニューサム氏は、「カリフォルニアの何百万人もの人々が基本的な投票権を行使してくれたことに感謝している」と述べた。一方、主な対立候補だった保守派ラジオ番組の司会者ラリー・エルダー氏は、開票前からこの選挙に不正があったと主張した。また、俳優で元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏はニューサム氏続投について、「有権者は正しい判断を下した」と語った。シュワルツェネッガー氏は2003年に行われたリコール選挙で共和党から出馬して知事に就任しているが、今回共和党から出馬した候補者たちを「ひどい顔ぶれだ」と評した。
アマゾン狙い撃ち州法
成立の公算
カリフォルニア州議会上院は8日「倉庫や配送センターで働く従業員に食事や休憩を妨げるようなノルマを課してはならない」という法案「AB701」を賛成26、反対11で可決した。ニューサム知事が署名すれば成立する。事実上アマゾンを狙い撃ちした法案と言われる。同社の倉庫・配送センター劣悪な労働環境はしばしば指摘され、倉庫での「深刻な負傷」の発生率は業界平均の2倍、自動化が進んだ倉庫で特に負傷率が高いとの研究報告もある。業界団体は法案に強く反対してきたが、倉庫従業員の支援を行う団体や商工会議所などは支持している。
リサイクルマーク表示厳格化
州議会が可決
カリフォルニア州議会は8日、3本の矢印が三角形を構成するデザインのユニバーサルリサイクルシンボルについて、州のリサイクル基準を満たしていない製品やパッケージに表示を禁止することを禁じる法案を可決した。また、この法案はリサイクルマークだけではなく企業が「リサイクル可能」などの言葉を根拠なく使うことも禁止している。環境団体は現行のリサイクルマークがいい加減に表示されていると批判してきた。法案は地方自治体、廃棄物運搬業者、リサイクル業者も支持している。ニューヨーク州でも同様の法案が検討されている。
「チャイナ・イニシアチブ」停止を
スタンフォード大177人が司法省に書簡
スタンフォード大学の教職員177人が司法省に書簡を送り、国内の各大学での中国のスパイ探しをやめるよう要請したことがわかった。書簡が8日付けで13日に公開された。中国による米技術の盗用防止を目的としてトランプ政権が発足させた「チャイナ・イニシアチブ」についての書簡は、経済スパイ活動を取り締まると称し、アジア系、特に中国系研究者に対して大規模な調査を行っているが、技術の面で米国の優勢維持に役立たないどころか、「米国の研究と技術の競争力を損ない、偏見を助長し、ひいては人種差別を巡る懸念を引き起こしている」としている。
加州、災害宣言発令
大統領視察
バイデン大統領は、カリフォルニア州の山火事を受けて、同州に災害宣言を発令することを承認した。ホワイトハウスが12日明らかにした。13日には大統領がカリフォルニア州の被災地を訪れた。ニューサム知事と共にサクラメントの州危機管理局を視察した大統領は「科学者たちは何年も前から、異常気象が激化すると警告してきた。私たちは今、それをリアルタイムで体験している」と述べた。大統領は山火事、ハリケーン、洪水などで今夏だけで1億人以上の米国人が影響を受けたと表明。インフラ拡充と地球温暖化対策に投資する必要があると主張している。
ワクチン、コロナより怖い?
査読前の研究で波紋
英紙『ガーディアン』が12日、12-15歳の男性はCOVID-19にかかって入院するよりも、ワクチンの副作用による心筋炎と診断される可能性の方が4-6倍高いとする研究について報じ、波紋をよんでいる。研究を行ったのはカリフォルニア大学デイヴィス校のトレイシー・ホッグ博士のチーム。「モデルナ製ワクチンも同様の副作用が現れた」としている。これを受けてトランプ前大統領支持者として知られるマジョリー・グリーン下院議員(ジョージア、共和)はワクチン義務化を批判するツイートを行った。しかし、研究は査読を受けておらず、研究手法を疑問視する専門家もいる。
モデルナ、臨床データ公開
時間が経つと効果弱まる
モデルナは15日、自社のCOVID-19ワクチンの大規模な臨床データを公表した。カリフォルニア州の医療機関での70万人あまりを対象とした調査で、同社ワクチンは入院の予防で96%、感染予防で87%の効果が確認された。接種済みの人の感染例は47%がデルタ株によるもの。疾病対策センターも同様の調査結果を発表している。一方、同社の査読前の論文によるとワクチン接種後の感染を防ぐ効果は時間がたつにつれて弱まるという。同社のスティーブン・ホーグ社長は、今年の秋から冬にかけて「免疫低下」によって感染者が60万人増える可能性があると指摘している。