今週の注目5社:緊急ドローン / 服薬管理ロボ / マイクロバイオーム / オンラインセラピー / API統合

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「緊急ドローン」Paladin Drones

[Service/緊急] Paladin Drones
Seed VC ($1.3M) Khosla Ventures and Paul Buchheit

緊急時のドローン派遣サービス。

緊急コール(911)時に、いち早く現場にドローンを派遣し、事故や火災現場などの映像をライブ配信してくれる。現場に移動しながら状況を把握できるため、到着後すぐに人命救助に専念できる。これまで現場までの平均到着時間は8〜15分だったが、ドローンを活用することで最大30〜90秒まで短縮可能という。現在、ヒューストン郊外の警察署でパイロットプログラムを実施中。

本社はヒューストン。Khosla Ventures等から今回調達した$1.3Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「服薬管理ロボ」Pillo Health

[HW/ヘルスケア] Pillo Health
Series A-II ($3.5M) BioAdvance, Civilization Ventures , Hackensack Meridian Health, Hikma Ventures and Samsung Ventures

高齢者向けの服薬管理デバイス。

服薬の時間になると音声で通知してくれる。また、デバイス内に錠剤をストックでき、服用すべき薬がまとめて出てくるため都度確認する必要がない。デバイスにはタッチスクリーンが搭載されており、高齢者が服薬を忘れた際には家族や介護者に通知され、スクリーンを通じたビデオ通話で服薬を促すこともできる。価格は$499〜。

2014年創業、本社はボストン。Samsung Ventures等から今回調達した$3.5Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

3.「マイクロバイオーム」Whole Biome

[Biotechnology/マイクロバイオーム] Whole Biome
Series B ($35M) AME Cloud Ventures, Khosla Ventures, Mayo Clinic, Sequoia Capital and True Ventures

マイクロバイオーム(微生物叢)を活用した治療薬。

人間の体内に生息する微生物をコントロールすることで慢性疾患などを治療する新たなアプローチ。現在開発中の「2型糖尿病」向けの製品は、特殊なプロバイオティクスを患者の腸内に投入することで、副作用を伴わずに血糖値スパイク(食後過血糖)を減少させることができるという。2020年の発売を目指している。「過敏性腸症候群」向けの製品も開発中。

2013年創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$35Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

4.「オンラインセラピー」Talkspace

[Service/ヘルスケア] Talkspace
Series D ($50M) Compound, Norwest Venture Partners, Qumra Capital, Revolution and Spark Capital

オンラインでセラピーが受けられるアプリ。

うつ病などの精神的な悩みを抱える患者とライセンスを持つセラピストをマッチングしてくれる。価格は1週間$49〜で、担当のセラピストにメッセージを無制限に送信可能。ライブビデオセッションなど、必要に応じて様々なプランから選択できる。ティーン向けやカップル向けのサービスも提供している。5,000以上のセラピストが所属しており、これまで10カ国で100万人以上に利用されているという。競泳オリンピック選手のMichael Phelpsも利用している。

2011年創業、本社はニューヨーク。Revolution等から今回調達した$50Mは、海外展開の加速に活用する予定。

5.「API統合」Jitterbit

[SaaS/API] Jitterbit
Unattributed VC (NA) Samsung Ventures

アプリケーションを簡単に統合可能なAPIプラットフォーム。

SaaS、クラウドサービス、オンプレミスの環境を接続するAPI統合プラットフォーム。ユーザーはアプリケーションを接続する時間(数日に短縮可能)とコストを大幅に削減できる。SalesforceやBayerなど数千以上の顧客を持ち、ガートナー社が選出するEnterprise Integration Platform as a Service (EiPaaS)部門のマジック・クアドラントに4年連続で選出されている。

2004年創業、本社はアラメダ(カリフォルニア州)。Samsung Ventures等から調達した資金は、海外展開の加速に活用する予定。