第4回: 今週のスタートアップ注目5社

  • 「免許講習アプリ」Aceable
  • 「モバイル銀行」Zero
  • 「マルチインターコム」Nucleus
  • 「会話型コマース」Operator
  • 「オンデマンド保険」MetroMile
  1. 「免許講習アプリ」Aceable
    www.aceable.com
    [Service/教育] Aceable
    Series A ($4M) Floodgate and Silverton Partners

    自動車「デジタル免許講習」用アプリ。これまでは、自動車運転免許を取得するためには実際の自動車で講習を受け、運転技術を高めてから試験を受ける必要が あった。しかし、すでにTexas、Florida、California、Ohio、Illinoisなどの州では「デジタル教育」が認められており、 Aceableでは州毎のデジタル自動車免許講習用コースを提供している。金額は$15から。アプリによりコースを受講したのちに、最終試験を受けて、免 許を取得することができる。
    今回の資金調達を受けて、来年さらに地域を拡大する。また、自動車運転免許以外、不動産エージェント、パーソナルトレーナー、バーテンダーなど公的な資格が必要な分野に今後拡大していく予定だという。
  2. 「モバイル銀行」Zero
    www.zerofinacial.com
    [Service/金融] Zero
    Seed VC ($2.5M) ENIAC Ventures, Lightbank, New Enterprise Associates

    Zeroは店舗を持たない銀行で、アプリとカードのみからなる。カードはVISAのプリペイドタイプのデビットカード。利用者はカードの利用毎にポイントがもらえる仕組み。口座管理手数料は無料で、金利も高めに設定しているという。
    Zeroカードには4つのレベルがあり、年間の利用金額で、獲得できるポイントが異なる。エントリーレベルのQuartzでは1%、 Graphiteは1.5%、Magnesiumは2%、Carbonは3%となっている。上のレベルに行くには、年間で$25k-100kの利用が必要となる。まだサービスは開始されていない。
  3. 「マルチインターコム」Nucleus
    www.nucleuslife.com
    [HW/ホーム] Nucleus, Series A ($5.6M) Alexa Fund, Foxconn Technology Company, Greylock Partners

    カメラとモニターのついた家庭用インターコムシステム。自宅の部屋同士、または別の家に住む親戚と、そしてスマホとも簡単にビデオ通話ができる壁掛け型の インターコム。ガジェット好きだけでなく、多くの消費者が使えるデバイスをということで開発された。今年の8月から出荷が始まり、全米の500のホームセ ンター Lowe’sの店舗で販売されている。価格は$249。二つ目以降は$199となる。自宅向けのインターコムを探していた人、もしくは離れている家族と話 すためのデバイスとして、平均で3〜4つのデバイスを購入するという。
    今回の資金調達は、AmazonのAlexaファンドがリード。Alexaの音声認識機能が組み込まれている。今回得た資金は新たな機能開発に使うという。
  4. 「会話型コマース」Operator
    www.operator.com
    [Service/コンシエルジュ] Operator, Series B ($15M) Formation 8, GGV Capital, Greylock Partners, Horizons Ventures

    「米国の製品を中国語で買える」会話型コマース。2年前に創業。今回時価総額$100Mの評価で$15Mの調達をした。中国展開を強化するため、 XiaomiのVPのHugo Barraが取締役に加わる。モバイルアプリおよびFacebook Messengerから、アパレル、靴、化粧品、ギフト、電気製品などの様々な商品を検索し、一番近くの在庫から購入することができる。質問等あれば Chatbot経由で実際の人と話をすることができ、コンシエルジュは販売に成功するとコミッションを得ることができる。ECの便利さとリアル店舗のカス タマーサービスのギャップを埋めるような、サービスを目指しているという。
    今回新たに「米国の商品を中国に届ける」という新戦略を展開する。これまで中国人は、米国の商品を買うために、実際に旅行するか、ECでも英語の情報しか ないページから購入するしか方法がなかった。Operatorでは、この大きなニーズを、中国語による会話型コマースという手法で狙っていくという。
  5. 「オンデマンド保険」MetroMile
    www.metromile.com
    [Service/保険] MetroMileSeries D ($103.1M) First Round Capital, Mitsui & Co, New Enterprise Associatesand

    「走行距離」に応じて課金される自動車保険。Metromile Pulseという小型デバイスにより実際の自動車の走行距離を測定し、その距離に応じて保険料が決まる仕組み。これまでの保険の仕組みでは、「65%以 上」の利用者が、それ以外の長距離走行するドライバー分の余計な保険料を支払っていることになるという。MetroMileを利用することで、平均的に年 間$500程度保険料が減るという。2011年創業。消費者向けが中心だが、企業向けの商品も提供している。例えば、UBERと提携し、 「乗客を乗せていない間の保険」を提供している。今回大きな資金を得たことで、Mesaic Insurance社を買収し、自社で保険の引き受けをできるようにするという。また、今後、サービス提供地域の拡大、デバイスの「自動車への直接の組み 込み」などを行っていく予定だという。