今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「絵本サブスクリプション」Literati
[Service/本] Literati
Series A ($12M) #Angels, 01 Advisors, Allan Hubbard, Brent Montgomery, Founders Fund, Jimmy Kimmel, Kevin Hartz, Shasta Ventures, Silverton Partners, Springdale Ventures and Thomas Lehrman
絵本のサブスクリプションサービス。
月額$9.95を払うと厳選された絵本が毎月5冊ずつ届く。0-12歳までを対象とした絵本で、気に入った本があれば自宅でそのままキープ(購入)できる。絵本の価格はAmazonと同等を保証。いらない本は無料で返却でき、慈善団体に寄付される仕組み。これまでに寄付した本は18,000冊を超えるという。ローンチ後18ヶ月で10倍以上に成長している。
2017年創業、本社はオースティン(テキサス州)。Shasta Ventures等から今回調達した$12Mは、引き続き採用およびサービスの拡大に活用する予定。
2.「オンデマンド動物病院」Modern Animal
[Service/ペット] Modern Animal
Seed VC ($13.5M) Founders Fund and Upfront Ventures
会員制のオンデマンド動物病院。
年額100ドルの会員費を払うと、24時間利用できるバーチャルケア(獣医とのテキスト・電話・ビデオチャット)、診察のオンライン予約、処方箋のリクエスト・デリバリー、請求書・医療記録の確認などの様々なサービスをアプリを通じて受けられる。年間を通じて検査も無料で受診可能。ペット版「One Medical」とも言われており、今後5年間で50ヶ所の開院を目指す。
2019年創業、本社はロサンゼルス。Founders Fund等から今回調達した$13.5Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
3.「EV充電ステーション管理」EV Connect
[SaaS/充電] EV Connect
Series B ($12M) Ecosystem Integrity Fund, Mitsui & Co. and Undisclosed Venture Investors
EV向けの充電ステーションの運営・管理プラットフォーム。
充電ステーションへのドライバーのアクセス権限や、料金体系の設定、稼働率のモニタリングなど、充電ステーションの管理に必要なインフラを提供。「EV Cloud」と呼ばれるクラウドソフトを通じて、EV充電インフラの標準化を目指す。ドライバーはアプリを通じて近くの充電ステーションの検索などが可能。既にMarriott、Hiltonなどの大手ホテルやロサンゼルス都市圏交通局、ニューヨーク電力公社などを顧客に持つ。日本からは三井物産が出資。
2009年創業、本社はエル・セグンド(カリフォルニア州)。Ecosystem Integrity Fund等から今回調達した$12Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
4.「ビジネスアプリ開発」Instabase
[SaaS/OS] Instabase
Series B ($105M) Andreessen Horowitz, Glynn Capital Management, Greylock Partners, Index Ventures, New Enterprise Associates, SC Ventures, Spark Capital and Tribe Capital
ビジネスアプリを開発するためのプラットフォーム。
光学式文字認識(OCR)、データの分類・抽出、自然言語処理などを備えたビジネスアプリケーション開発プラットフォーム。企業向けのビジネスアプリストアも展開。既にアメリカの金融機関のトップ10の半数以上を顧客に持つ。今後は、物流・ヘルスケア・政府・通信業界にもサービスを拡大する予定。調達後のバリュエーションは$1Bを超え、ユニコーン企業の仲間入り。
2015年創業、本社はサンフランシスコ。Index Ventures等から今回調達した$105Mは、引き続き採用および開発費用に活用する予定。
5.「ヘルスケアAPI」Health Navigator
[SaaS/ヘルスケア] Health Navigator
NA by Amazon
ヘルスケアサービス用のAPI開発。
デジタルヘルス・遠隔医療・医療保険・メディカルコールセンターなどの企業を対象にオンラインヘルスケアサービス用のAPIを提供。Microsoftなどと連携し、遠隔医療を可能にするオンライン症状確認ツールなどを提供している。今後は、Amazonの従業員向けに試験的に運用されているヘルスケアサービスプログラム「Amazon Care」に統合されるという。
2014年創業、本社はシカゴ。今回アマゾンに買収された。買収額は非公表。