カリフォルニア州
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は先月30日、企業のダイバーシティ推進の一貫として、2021年末までに、上場企業に少なくとも1名の取締役を人種的マイノリティやLGBTQなどのコミュニティから採用することを義務づける法案に署名した。これにより、取締役が5名から8名の取締役会は2022年までに2名、9名以上の取締役会は2022年までに3名の取締役を、過小評価グループから選ぶことが義務付けられる。過小評価グループに属するのは、黒人、ラテン系、ネイティブ、アジア、パシフィック・アイランダー、ハワイ先住民、アラスカ先住民などの人種的マイノリティや性的マイノリティである。同法には保守系の団体や経済団体からの反対があるが、多様性のあるリーダーからなるチームは企業利益やイノベーションを向上させる効果があるという研究もある。
ナパの山火事
ワイナリー、ホテルも全焼
先月27日午前に発生したナパ郡の山火事は約8ヘクタールから一気に約4500ヘクタールの規模まで拡大し、住民に避難命令が出た。山火事の出火原因は調査中。火事はPG&Eが同郡とシャスタ郡計画停電を実施したにもかかわらず発生。同社は自社設備・機材がこれらの出火に関係した兆候はないとの認識を示している。この火事で、ナパ中心街から北郊のセントヘレナへ向かうシルバラード・トレイル沿いのワイナリー「シャトー・ボスウェル」が全焼。同地で人気のホテル「ブラック・ロック・イン」も全焼した。
ディズニー、2万8,000人を解雇
カリフォルニアとフロリダで
ウォルト・ディズニー・カンパニーは先月29日、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートとフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの従業員2万8,000人を解雇すると発表した。フロリダのディズニー・ワールドは7月に再開したが、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートは閉鎖の状態が続いている。ディズニーは発表の中で、「社会的距離の確保に伴う来場者数の制限や感染終息の時期が見通せないことを含め、新型コロナウイルス感染症による当社事業への長期的な影響に鑑み、人員削減という困難な決定をした」としている。
従業員や渡航者に無料検査
オークランド国際空港
オークランド国際空港は先月29日、空港スタッフや同空港を拠点とする航空会社の従業員、検査を必要とする一般の渡航者向けに、COVID-19の無料検査を提供すると発表した。検査は毎日午前9時から午後5時の間に予約制で実施される。ハワイ州では10月15日から陰性証明で隔離義務を免除する事前検査プログラムを開始予定しているが、オークランド=ハワイ間ではハワイアン航空やアラスカ航空、サウスウエスト航空がハワイ諸島の主要空港に就航している。オークランド国際空港はハワイ州の措置に対する対応も別途詳細を発表する予定。
奴隷制に対する補償を検討
カリフォルニア州
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は先月30日、奴隷制に対する補償の検討および提案を求める法案に署名した。同様の法案が成立するのは全米で初めて。新法では、9人のタスクフォースを設置し、補償のあり方について研究、州議会への提案を行うものとしている。知事は「我々は、一人一人が成功する機会を得た時だけ、本当の意味で成功することができる。奴隷制という痛々しい歴史は構造的な人種差別へと進化し、偏見は民主制度や経済制度に浸透した」と語り、奴隷制が現在の制度的人種差別に繋がっているとの認識を示した。
H1-Bビザ発給停止
連邦地裁が差し止め命令
サンフランシスコの連邦地裁は1日、技能職の外国人労働者向けビザ(H1-B)の発給を停止する米大統領令について、執行を一時差し止める命令を下した。この大統領令に対して米国商工会議所や業界団体などが執行差し止めを求めて提訴。アップルやアマゾン・ドットコム、フェイスブックなどIT大手や関連団体はこの訴訟を支持する声明を発表していた。連邦地裁のジェフリー・ホワイト判事は、大統領令は越権行為だとした。全米製造業者協会の顧問は「法廷で本件の検討が十分になされるまで間違った政策を停止してくれたことに感謝する」と述べた。
WeChat利用禁止差し止め
政権が上訴
トランプ米政権は2日、中国発の対話アプリ「WeChat」を巡り、利用禁止措置の執行を求めてサンフランシスコの第9巡回連邦控訴裁に上訴した。政権の禁止措置に対してはWeChat利用者が表現の自由が脅かされるなどとして提訴、カリフォルニア州北部地区連邦地裁は先月19日に禁止措置の一時差し止めを命じたため、政権は禁止措置を実行できていない。政権側は安全保障上の脅威に対応するため禁止措置が必要だとしている。連邦地裁の判事は政権が「WeChat利用を禁止する措置が、そうした懸念への対処につながるという証拠はほとんど示していない」としている。