絵本ノススメ : スーザン・バーレイ『わすれられない おくりもの』

スーザン・バーレイ『わすれられない おくりもの』

スーザン・バーレイ作の『わすれられない おくりもの』をご紹介したいと思います。

親しい友人とのお別れ、年老いた両親との別れ、別れは、人間避けることができませんね。

『わすれられない おくりもの』は別れについて優しく語りかけてくれている絵本です。

年を取ったアナグマは、知らないことはないと言うくらい物知りで、皆に頼りにされていました。そのアナグマは、自分の余命が幾ばくもないことを悟っていました。

でも、アナグマは死ぬことを恐れていませんでした。それは、身体がなくなっても心は残ると思っていたからです。

ある夜アナグマは、トンネルの中を浮き上がる様に走っていてすっかり自由になった様な感じがする素晴らしい夢を見ました。

アナグマは、「長いトンネルのむこうに行くよ、さようなら アナグマより」という手紙を残して死んでしまいました。

残された皆は、とほうにくれましたが、雪が溶け暖かくなり皆で集まる様になると、アナグマから教わったこととか、励まされたことなどを話し合う様になりました。

私は、新約聖書「ヨハネ伝」第12章の一粒の麦の一節を思い浮かべました。


作者をご紹介

スーザン・バーレイ:
絵本作家。代表作に「なんでも おんなじ?」「ラブリーオールドライオン おじいちゃん、わすれないよ」「テディベアにそだてられたおとこのこ」「わたしのおとうと、へん…かなあ」「スミレひめの にわづくり」「ふかい森のふたりはなかよし」など。

小川仁央:
英米の絵本・物語を中心に活動する翻訳家。「クリスマスだよ、デイビッド!」「どんなにきみがすきだかあててごらん」シリーズ。「おじいちゃんのゆめのしま」「ぼくらはいつもいっしょだよ」など著書多数。


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