ツイッターのハッキング 主犯格の17歳の容疑者逮捕

先月15日にツイッター・アカウントが次々と乗っ取られ、ビットコインの送金詐欺に悪用された事件で、司法省などが先月31日、主犯格の17歳の少年を含む3人を訴追したと発表した。フロリダ州タンパの少年(17)と、同州オーランドのニマ・ファゼリ被告(22)が訴追された。また、カリフォルニア州当局はイギリス南部ボグナー・リージス在住のメイソン・シェパード被告(19)を重罪で訴追した。捜査は、フロリダ州法執行局、カリフォルニア州北部地区連邦検事局、 連邦捜査局、内国歳入庁、シークレットサービスが協力して行った。連邦検察官によると内国歳入庁の調査官が、ブロックチェーン上のビットコイン取引を分析し、ハッカーのうちの2人を特定したという。今回の事件では、アップル社、米元大統領オバマ、イーロン・マスクなど著名アカウントが次々乗っ取られた。

元KKKリーダー、永久凍結
ツイッター

ツイッターは先月31日、ヘイトスピーチを禁じる同社のルールに繰り返し違反したとして、白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の元リーダー、デービッド・デューク氏のアカウントを永久凍結した。デューク氏は何年にもわたりツイッター上で自由に活動してきた。約5万3000人のフォロワーを擁し、最近はトランプ大統領の再選を支持するとツイートした。今回の処分のきっかけとなった投稿については明らかにされていない。ツイッター社は、人種や民族、出身地や宗教をベースにした、攻撃行為の助長や強迫行為など、差別的言動を禁じている。

大統領長男のアカウント制限
ツイッター

ツイッターは先月28日、トランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏のアカウントについて、ツイート機能などを一時的に制限したと明らかにした。同氏の投稿に新型コロナ感染症の治療やマスクの使用に関する虚偽の主張を行う動画が含まれていたためだとしている。ジュニア氏が拡散したのは右派系メディア「ブライトバート・ニュース」が公開した動画で、マスクはウイルス拡散を防がないという主張や、新型コロナウイルスへの効果が確認されていない薬剤ヒドロキシクロロキンの擁護などが含まれる。トランプ大統領はツイートの中で複数回動画をシェアした。

4大テック企業CEO
下院公聴会で証言

アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルの巨大IT企業4社のCEOが先月29日、下院司法委員会の公聴会で証言し、反トラスト法にかかわる競争戦術について議員から質問を受けた。公聴会にはアマゾンのジェフ・ベゾスCEO、アップルのティム・クックCEO、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEOが出席した。この公聴会は、議会によるデジタルマーケットプレイスの運営と競争についての1年におよぶ調査の後に行われたもので、4社のCEOがそろって証言をするのは初めてのこと。

大テック企業の調査結果公表か
下院司法委員会

先月29日に開かれた下院司法委員会の反トラスト小委員会による公聴会では民主党議員が各社のデータ利用や競争に対する姿勢を問いただしたのに対し、共和党議員はIT企業に反保守的な偏向パターンがあると主張して追及した。下院では有力議員が1年以上にわたり、この大手4社がオンライン市場における影響力や独占的地位を不正に利用した可能性を調査してきた。司法委幹部側近によると、委員会は早い時期に反トラスト法に基づく4社の調査結果や各社の市場支配力を抑制するための提言をまとめ、報告書を公表する可能性がある。

広告苦戦、クラウド順調
グーグル

アルファベットが先月30日発表した4-6月期の広告収入は299億ドルとなった。これはグーグルのプラットフォームに加え、他のウェブサイトに掲載される広告を含めた収入で、前年同期の325億ドルを下回った。デジタル広告事業はCOVID-19の痛手を被り、4-6月期(第2四半期)は前年同期比で初の減収となった。検索とその他の広告売上高(YouTubeは除く)も同様で、第2四半期は213億2000万ドルとなり、前年同期の236億4200万ドルから減少した。一方で「Google Cloud Platform」と「G Suite」を含むGoogle Cloudの売上高が30億700万ドルに達し、前年同期の21億ドルから43%増加した。

国内メディア記事使用料支払い義務化
オーストラリア

豪政府は先月31日、フェイスブックとグーグルに対し、インターネット上で表示する記事について、国内メディアへの料金支払いを義務付ける方針を明らかにした。フライデンバーグ豪財務相は、「豪ニュースメディアビジネスを公平に扱い、競争を増やし、消費者の保護を強化し、メディアを持続可能にする狙いがある」と説明し「豪メディアの将来がかかっている」と強調した。これに対しグーグルは「豪政府は市場を機能させるのではなく介入するという懸念すべきメッセージを企業や投資家に送ることになる」と主張している。