下院公聴会 FB、グーグル、ツイッター各トップ出席

 米議会下院エネルギー・商業委員会は先月25日、SNS上の偽情報や過激表現の規制強化を検討する公聴会を開催。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、ツイッターのジャック・ドーシーCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEOが証言した。議員らはトランプ前大統領の支持者による議事堂占拠事件をSNSに責任の一端があるか回答を迫ったが、「イエス」と答えたのは、ドーシー氏だけで、他の二人は明確な回答を避けた。また、SNSの投稿内容に関して運営会社の法的責任を免除する「通信品位法230条」の改正に関して、ザッカーバーグ氏は免除の条件として、SNS大手を対象に有害な投稿を削除できるベストプラクティスの導入を義務づけることを提案。ピチャイ氏も「透明性と説明責任には良い提案だ」と一部強化に賛同したが、ドーシー氏は事業規模を見極めるのは難しいとした。

前大統領は発言に責任をもつべき
ザッカーバーグ氏

 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは先月25日、下院エネルギー・商業委員会の公聴会に出席し、米国の選挙を守るために同社は「役割を果たした」とし、「トランプ前大統領は自分の発言に責任を持つべきであり、法を犯した人々は自分の行動に責任を持つべきだ」と述べた。また、議会議事堂襲撃後に同社のシェリル・サンドバーグCOOが行った、事件に果たした同社の役割を軽視したとされる発言について、ザッカーバーグ氏は、サンドバーグ氏を擁護しつつ、「私たちのサービスと会話の管理をもっと効果的にするために、まだやるべき仕事がある」とした。

公聴会、二者択一形式の質問に不満か
ドーシー氏

 ツイッターのジャック・ドーシーCEOは先月25日、下院エネルギー・商業委員会の公聴会に出席した。5時間に及ぶ公聴会はオンラインで行われたが、その最中に同氏がしばしばツイッターを眺めていたとして話題となった。同氏は15分間の休憩中に「?」に「はい」か「いいえ」の投票を呼びかけるツイートを投稿した。「?」は、「議会議事堂襲撃事件にソーシャルメディアは責任を負ったか」という質問を意味し、複雑な質問に対する回答を「はい」か「いいえ」という単純な回答を求められる公聴会の形式に不満を示したものと思われる。

オフィス再開の動き加速
企業によって時期はまちまち

 フェイスブックは26日、COVID-19の感染者数がこのまま減少し続ければ、メンローパークにある本社を定員の10%の人数で5月10日に再開するとした。フリーモントのオフィスは5月17日、サニーベールは5月24日、サンフランシスコのタワーは6月7日に再開する。その他大手テクノロジー企業にもオフィス再開の動きが広がっている。ウーバーは先月29日にオフィスのキャパシティの上限を定員の20%とした上で再開、従業員らが自主的に出社することを許可している。シスコとインテルは、それぞれ今年7月と8月に再開予定だという。グーグルは9月に再開する。

自動運転車に二酸化炭素排出量ゼロを義務づけ
カリフォルニア州議会に法案

 2025年までにすべての自動運転車に二酸化炭素排出量ゼロを義務づける法案がカリフォルニア州議会に提出されている。法案は今年2月にデイブ・ミン上院議員(民主)によって提出された。同議員は「気候変動に積極的に向き合っているカリフォルニアは、重要な基準を定めてきた。法案はこのような動きと一致しており、自動運転車が広く普及する前の段階でゼロエミッションを義務づけるための重要な一歩となる」と述べている。法案に賛同するUnion of Concerned Scientistsは、自動運転車の普及で車に乗る人が大幅に増え、温室効果ガス排出量も劇的に増加する可能性があるとしている。

目標には「ほど遠い」
SF地区連銀総裁

 サンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁は先月24日、米経済は目標には「ほど遠い」との認識を示した。賃金上昇圧力はほとんど見られず、金融状況に広範な「泡立ち」の兆候も出ていないとした。また、同総裁は、経済成長が今年に加速し、失業率の改善が見込まれるものの「まだ、勝利を手にしたといえる状況ではない。今年の終わりや来年になっても勝利は見えないだろう。われわれは職を求める米国民全ての雇用を確保し、人々が生活を取り戻せるようにしなければならない」と述べた。利上げ開始時期については「まだそこには至っていない」とした。

ウイグル族を標的、ハッカー集団
フェイスブックが摘発

 フェイスブックは先月24日、中国国外に居住する少数民族ウイグル族を標的に、フェイスブックのプラットフォームを利用してマルウエアに誘導していた中国のハッカー集団の動きを阻止したと発表した。セキュリティ研究者の間で「Earth Empusa」「Evil Eye」「Poison Carp」などと呼ばれているこのグループは米国、トルコ、シリア、オーストラリア、カナダなどの海外在住者を含む約500人のウイグル人をFacebook上で標的にしていた。偽のアカウントを利用し、ジャーナリストや人権保護活動家などと偽って信頼を得た上で、マルウエアへのリンクをクリックさせるよう誘導していた。