ホワイトハウスのアドヴァイザーを務める国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は先月29日、米国での新型コロナウイルスの死者は20万人に上る恐れがあると警告を発した。所長は「その(予測の)責任は取れない…対象の変化が激しく、間違いは簡単に起こるし、人々を惑わしかねない」と語った。トランプ大統領は同日、国内の致死率が2週間以内にピークに達する可能性があると述べ、「ソーシャルディスタンス」の指針を4月30日まで延長するとした。また、ワシントン大学はカリフォルニア州の感染ピークは今月下旬で1日あたりの死者は140人にのぼり、死者が出なくなるのは7月になると予測。サンタクララ郡当局は同郡での死亡者は5月末までに2000人、最悪の16000人に達するだろうとしている。1918─19年のインフルエンザの大流行では米国内で67万5000人が死亡した。
ユナイテッド日本路線は2路線のみ
ユナイテッド航空は、新型コロナウイルスの影響による需要変化に対応するため、3月26日~5月4日にかけて成田~サンフランシスコ線と成田~グアム線のみを運航することを発表した。成田~サンフランシスコ線はUA838便とUA837便で、期間中は毎日運航する。成田~グアム線はUA197便とUA196便で、期間中は4月6日、9日、12日、15日、18日、21日、24日、27日、30日を除いて毎日運航する。これ以外の日本発着便(成田空港、羽田空港、セントレア空港、関西空港、福岡空港発着便)は同期間中運休となる。
買い物代行30万人雇用、コロナで需要拡大
サンフランシスコ拠点の買物代行サービス大手のインスタカートは24日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の急増を受けて、「ショッパー」と呼ばれる買い物代行要員を今後3カ月で新たに30万人採用すると発表した。サンフランシスコで5万4000人を雇用し、ニューヨークでは2万4000人を採用する。インスタカートは契約従業員であるショッパーに健康保険などの福利厚生は提供していない。しかし、同社は全従業員に対し有給の病欠を認め、新型コロナウイルスに感染した場合、最大14日間の有給休暇を与えるとしている。
解雇しないから解雇するな、セールスフォース
セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは先月25日、ツイッターに投稿。同社は今後3か月間レイオフを実施しないと宣言した。それには時間給労働者も含まれる。同社の時間給労働者はロックダウンの間も時間給が支払われている。ツイートでベニオフ氏は従業員をハワイの言葉で「家族」を意味する「Ohana」と呼び、従業員が個人的に雇っているハウスキーパーなどの労働者を解雇しないように促している。セールスフォースは、新型コロナウイルス対策としてカリフォルニア大学サンフランシスコ校に100万ドル、疾病予防センターに50万ドルを寄付している。
ローン返済3か月猶予、カリフォルニア州
カリフォルニア州のニューサム知事は先月25日、新型コロナウイルスの影響を受けている世帯について、住宅の差し押さえや住宅ローン返済を3カ月間猶予することで、大手銀行4行などが合意したと発表した。合意したのはJPモルガン・チェース、USバンク、ウェルズ・ファーゴ、シティのほか、200の州法銀行と信用組合。しかし、バンク・オブ・アメリカは30日の合意にとどまった。また、知事は新型コロナの影響で家賃を滞納した借主を家主が追い立てることを禁止した。借主には家賃を支払えない旨事前に家主に通達するよう求めている。
温暖化ガス削減目標策定、カリフォルニア州
カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC)は先月26日、電力業界による地球温暖化ガス排出量の新たな目標を設定、クリーンエネルギーによる発電能力を今後10年で倍増させる計画を明らかにした。CPUCが策定した目標は、電力業界の地球温暖化ガスの排出量目標を、2030年までに1990年の水準を56%下回る4600万トンに削減するというもの。しかし、関係団体のなかにはこれでは不十分との見方もある。Southern California Edisonは「重大な懸念」を表明、目標を3800万トンにするように、また、環境保護団体は3000万トンににするよう求めている。
大和リビングマネジメント、サンノゼで賃貸住宅事業
大和ハウス工業グループの大和リビングマネジメントは先月26日、米国子会社を通じてカリフォルニア州サンノゼに賃貸住宅運営・管理の会社を設立し、同時に賃貸住宅を取得したことを発表した。設立されたのは「Daiwa Living Nesuto San Jose LLC」。取得した物件はサンノゼ市内の総戸数61戸の賃貸住宅。2002年竣工、2016年に大規模改修を行った一部鉄骨造の木造3階建てで、「1R」タイプ58戸、「1LDK」タイプ3戸。同社は当事業を通じて、賃貸住宅の管理運営に関連するノウハウを蓄積し、大和ハウスグループとして米国での事業拡大を図るとしている。