みなさま、こんにちは。シリコンバレーでピアノ教室を主宰している、有座なぎさです。昨秋から「音楽教育のススメ」と題したコラムを毎月第四週目に担当させていただいています。私の子育てミッション【2】の今回は、お子さんとの接し方についてのヒントをお教えしようと思います。よく親御さんから、「どうやったら毎日ピアノの練習が楽しくできますか」「ピアノの椅子に座るまでにいつも一悶着あるんです」というお話を耳にします。音楽の練習に限らず、学校の宿題などやらなくてはならないことを目の前にして、なかなか取り掛かろうとしないお子さんにイラッとする場面もあるかと思います。そんな時は親の方も、子供の年齢に応じた効果的なコミュニケーション方法が必要になってきます。
まず、4〜5歳くらいまでの小さいお子さんの場合、幼児は皆、ほぼ100%、お母さんのことが大好きです。世界中でお母さんが一番!と言っても過言ではないくらい、お母さんに対する信頼は絶大です。そんな小さなお子さんには、何と言っても褒め言葉が一番効果的です。「〇〇ちゃん、よくできたね〜」「とっても上手だったねー、もう一回聞かせてくれる?」という具合です。このくらいの年齢のお子さんにとって、お母さんが褒めてくれるのは何よりのご褒美なのです。一回弾いて、ハイ終わり、となりがちなお子さんの練習を上手に褒めながら、「もう一回やってみようか。今度はもっと上手に弾けるかも。」と反復練習を促しましょう。
小学校も高学年になってくると、心身共に発育が盛んになり、反抗期を迎えるお子さんもいるでしょう。そんなときは、頭ごなしに「練習しなさい!」と吠えるのではなく、子供と相談しながら、やらなくてはならないことをリストアップさせ、ご家庭での毎日の時間の配分を計画させましょう。学校から帰ってきたら、おやつの時間はこれくらい、その後練習や学校の宿題は何時から何時まで、夕食は何時くらい、お風呂や寝る時間も組み込んで、お子さん自身も納得した上で、宿題や練習、遊びの時間を取りましょう。中・高校生になると、自分の好きなこと、得意なことが徐々にはっきりしてきます。放課後のアクティビティは、あれもこれもと欲張らず、スポーツ、音楽、ディベートやロボティクス、ボランティア活動、リーダーシップ活動、など取捨選択し、高校卒業までに具体的な目標を掲げて取り組みましょう。それらの課外活動が大学受験にも大きく作用しますので、可能であれば、結果が残せるといいですね。
次回は、音楽学習者にとって、ベイエリアではどのような活動が可能か、コンペティション、オーディション、ユース・オーケストラ、室内楽、サマーキャンプなどについて詳しくお伝えします。