州内のヘイトクライム劇的増加 アジア系、アフリカ系が標的

 カリフォルニア州は先月30日、州内のアジア系住民に対するヘイトクライムが2020年に少なくとも89件あり、前年の約2.1倍に急増したと発表した。報告書によると、20年のアジア系へのヘイトクライムの内訳は、人物に対する暴力が72件で、家屋や店舗の破壊などが17件。月別では、新型コロナの感染拡大が始まった3、4月がそれぞれ17件、15件と特に多かった。また、発生地域別では、ロサンゼルス郡が32件と最多で、2番目はシリコンバレーを含むサンタクララ郡の18件だった。また、ヘイトクライム全体の件数も2020年は前年比で31%増加し1,330件にのぼった。被害者数も23%増加し1,536人となった。アフリカ系へのヘイトクライムも増加した。アフリカ系は州人口の6.5%を占めるに過ぎないがヘイトクライムの被害者の30%がアフリカ系で、これは前年比87%の増加となる。

知事リコール投票は9月14日
混戦か

 カリフォルニア州のクナラカス副知事は1日、ニューサム知事(民主党)に対するリコール投票を9月14日に実施すると発表した。同州では、知事のリコールは2段階のプロセスで行われる。有権者は知事を解職するかどうかを決め、同じ投票用紙で後任知事を選ぶ。同州で知事のリコール投票が行われるのは、2003年に当時のデービス知事が解職され、俳優のシュワルツェネッガー氏が当選した時以来で、2回目。ニューサム知事の後任には、共和党からトランスジェンダーの著名人ケイトリン・ジェンナー氏らが既に立候補を表明しており、混戦が予想されている。

「フリントストーンの家」訴訟和解
キャラクターはそのままに

 ヒルズボロ当局が「フリントストーンの家」の所有者に対して提起していた訴訟でこのほど和解が成立し、所有者のフローレンス・ファン氏は庭に並べられた彫像を維持できることになった。また、自治体側は訴訟費用としてファン氏に12万5,000ドルを支払うことになった。ファン氏が家をフリントストーンのキャラクターで飾ったところ市当局から「公共に対する迷惑」として訴えられた。これに対して中国系のファン氏が市が人種的なルーツによって差別しているとして訴えていた。この和解によってファン氏側も人種差別の訴えを取り下げた。

カリフォルニア大学3校
州外学生受け入れ縮小へ

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校、カリフォルニア大学サンディエゴ校、カリフォルニア大学バークリー校の3校は、2022年から州外出身学生の受け入れ上限を引き下げる。この変更は州予算の一環である。各校が州内の納税者を優先的に扱っていないとの批判が高まったことで、州議会が州内学生の入学拡大に向け過去最大規模の予算を組んだ。州外学生の受け入れは各校で全学生数の約23%から18%上限に引き下げられる。新たな上限は2022年秋から5年間導入される。この措置で約4,500人分の州内学生枠が新たに生まれることになるという。

LGBTQ差別州への公費渡航制限
17州に

 カリフォルニア州は先月28日、LGBTQに対する差別的な法律を成立させた5つの州を州費での渡航を規制する州に追加した。追加された州はフロリダ州、モンタナ州、ウェストバージニア州、アーカンソー州、ノースダコタ州。同州のロブ・ボンタ司法長官は、これらの州で新しく成立した州法が「LGBTQの人たちの権利を制限している」と批判した。同州では、LGBTQの人たちの権利を侵害する法律がある州への公費での不要不急の渡航を禁じる法律があり、すでにテキサス、テネシー、ノース・カロライナ、サウス・カロライナなどに適用している。これで適用州は17州になった。

FB訴訟、連邦地裁はFTCの訴え棄却
FB時価総額一兆ドル突破

 連邦地裁は先月28日、連邦取引委員会(FTC)がフェイスブックに対して反トラスト法違反の疑いで訴えていた訴訟について棄却した。これを受けて4%以上値上がりし、時価総額は初めて1兆ドルを突破した。ワシントン連邦地裁のジェームズ・ボースバーグ判事は、FTCによる訴訟は「法的に不十分」との判断を示し、フェイスブックが独占的であり、その行為が競争を阻害しているとの証拠をFTCが十分に示さなかったと指摘した。今回の判断に対してFTCは、30日以内に内容を修正して訴状を出し直すことができ、裁判は今後も続く可能性もある。

受刑者と不適切な関係
刑務官に判決

 フレズノ郡の刑務所で矯正官として勤務していた女性が先月29日、受刑者と不適切な関係をもったとして210日間の禁固刑と2年間の執行猶予判決を受けた。女性は昨年5月に逮捕されていた。女性は、成人受刑者との不適切な関係、拘置施設内での薬物及びアルコールの所持、受刑者への携帯電話の供与などで起訴された。また、カミソリを受刑者に渡したり、房の点検時間を受刑者に漏らしていたことも明らかとなった。女性の元上司で保安官代理は「これまでにうんざりするようなことを散々見聞きしてきたが、彼女の行為は群を抜いてひどい」と述べている。