デルタ株拡大 マスクの着用義務化

 カリフォルニア州の保健当局は12日、Covid-19対策として学校内でのマスク着用を義務付ける指針を発表。着用を免除されている場合を除き、拒否した生徒を学校側が退去させるよう指示した。しかし、その直後、実際の運用を各学校の裁量に任せるとツイートした。当局は、当初の文言が生徒の学校からの締め出しを思わせる内容だったためとしている。疾病対策センターは、ワクチン未接種の生徒や教員にのみマスク着用などのルールを適用するとの指針を発表している。一方、Covid-19の感染が急拡大。16日の新規感染者数は7万9,000人を超え、4月半ば以来の高水準となった。感染力が強いデルタ株が拡大している。ロサンゼルス郡は15日、屋内でのマスク着用義務を17日から再開すると発表した。同郡ではデルタ株の感染が広がっており、先週1日当たりの新規感染者数が1,000人を超えた。

干ばつと熱波で非常事態拡大
地球上最高気温に迫る

 カリフォルニア州のニューサム知事は8日、干ばつの悪化と記録的猛暑を受け非常事態宣言の対象郡に新たに9郡を追加する知事宣言に署名、対象郡は50郡となった。また、同知事は同日、全ての住民に、自発的に水の使用量を2020年比で15%削減するよう求める知事令に署名した。州では、15%の節水が実現できれば、年間170万世帯以上に十分に供給できるだけの水量を確保できると見積もっている。一方デスバレーでは11日、摂氏54度と地球上で記録された気温として最高に迫る気温となった。オレゴン州では熱波と干ばつで少なくとも116人が死亡した。

西ナイル熱で死亡
カリフォルニアで今年初

 カリフォルニア州で西ナイル熱による今年初の死亡例が報告された。州公衆衛生局が9日、発表した。公衆衛生局はサンルイスオビスポ郡で1人が死亡したと発表したが、この症例の詳細は明らかにしなかった。公衆衛生局のディレクター、トマス・アラゴン博士は「州内で西ナイル熱ウィルスの活動が活発化しており、ウィルスを媒介する蚊にあらゆる防御策をとるよう住民の皆さんにお奨めする」と述べている。発表によると、州内13の郡で177匹の蚊からウイルスが検出された。西ナイル熱の重症化率は低いが、1%弱が中枢神経系の炎症を起こす。

新入生全員にデバイス提供
カリフォルニア州立大

 カリフォルニア州立大学(CSU)は12日、プログラム「CSUCCESS(California State University Connectivity Contributing to Equity and Student Success)‐テクノロジーを通して学生に公平な機会を提供する為のプログラム」を立ち上げたと発表した。COVID-19の影響でデジタル機器にアクセス可能性が制限されることによる勉学機会の差異を埋めるための試み。最初の取り組みとして、CSUは2021年秋の新入生及び編入生のプログラム登録者全員にiPad Air、Apple Pencil、Smart Keyboard Folioを提供する。アップルのスーザン·プレスコットVPは「アップルは、教育は公平性と機会をもたらす強力な力であり、テクノロジーによって全ての学生が目標を達成できるようになると信じている」と語っている。

「生涯免疫」が得られる錠剤販売
自然療法医逮捕

 司法省は14日、Covid-19に対する「生涯免疫」が得られると説明して、錠剤を販売した上、偽のワクチン接種証明書を提供していたカリフォルニア州ナパの医師を逮捕、起訴した。逮捕されたのは、カリフォルニア州の公認自然療法医のジュリ・マジ容疑者。マジ容疑者は自家製の丸薬を243ドルで販売していた。容疑者は顧客に、錠剤には「非常に少量のCovid-19」が含まれており、「生涯の免疫」を獲得できると説明していた。また、容疑者は「アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認したCOVID-19ワクチンには有毒成分が含まれている」としていた。被害者の人数は明らかではない。

脳波を完全に文章化
世界初

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが、脳卒中で発話能力を失った男性の脳波を、完全な文章に「翻訳」する神経機能代替装置の開発に世界で初めて成功した。論文は15日、医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載された。男性の脳にインプラントを埋め込み、脳の電気活動を翻訳した言葉をスクリーンに表示させた。実験では、1分間に最大18単語を平均精度率75%でデコードすることに成功した。筆頭著者の一人、デービッド・モーゼス氏は、「自然な意思の疎通ができない人にとって、重要で画期的な技術革新だ」と述べている。

西部で山火事拡大
米史上最大規模に

 レイクタホ南部で4日に発生した森林火災「タマラック・ファイア」が16日から17日にかけて急速に拡大。ネバダ州との州境のマーキービル周辺では、強風の影響もあって24時間で26平方キロメートルを焼き尽くした。消火作業は15%と進んでおらず、約600戸の建物が焼失する危険に直面している。一方、オレゴン州では、カリフォルニア州との州境付近で発生した山火事「ブートレッグ・ファイア」が一晩で約970平方キロメートルに拡大、米国で発生した山火事としては最大規模となった。西部では高気圧で熱気が閉じ込められ、10州で約60カ所の山火事が発生している。