前回は、メディケアの仕組みの中のオリジナルメディケア(パートA、パートB)とそこではカバーされない内容についてお話いたしました。今回は、そのカバーされない穴(gap)を補う任意加入のプランについて解説していきます。パートA,Bの加入者はこれらの保険に加入することができます。
パート C(メディケア・アドバンテージ)
オリジナルメディケアではカバーされない部分をカバーするための1つの選択肢にメディケア・アドバンテージがあります。この保険に加入する場合は、政府のパートA,パートBから離れて、民間の保険会社のPPOもしくはHMOのプランに変更するようになります。(ベイエリアの各カウンティーのプランはほとんどがHMOプランです。)ただし、パートBの保険料は支払いを続ける必要があります。この保険料は政府を通じて民間の保険会社に支払われます。民間の保険会社は政府よりも効率よく運用ができるので、政府のものよりもプラン内容がよく、薬のカバーもついていることがほとんどです。保険料は見かけ上かからないプランや、追加料金を支払うことで歯科保険等のベネフィットをつけられるプランなど様々です。選べるプランやネットワーク(先生や病院)は居住しているカウンティーによって異なります。パートCはどのプランも政府の認可を受けて民間の保険会社が提供しており、提供する保険内容には厳しい制限が設けられています。加入に審査はありません。
また、薬のカバーが含まれていないプランを選択した場合、後述するPartDペナルティーの対象となりますので注意が必要です。
加入期間は65歳になる誕生月および前後3か月の7か月間、65歳以上でグループ保険を抜けて63日以内、もしくは毎年10月15日から12月7日のAnnual Enrollment Periodに加入(変更)ができ、後者の場合は翌年の1月1日より有効になります。
パートD(処方箋薬をカバーする保険)
パートDは処方箋薬(Prescription Drug)をカバーする保険で、政府の認可を受けて民間の保険会社が提供しています。選べるプランは地域(州)によって異なります。カバー内容はプランによって異なるため保険料にも幅があります。使えるネットワーク(薬局)には制限があり、こちらもプランによって異なります。引用中の薬によって最適なプランは異なるため毎年内容をよく確認する必要があります。加入に審査はありません。
パートDは任意加入ですが、加入が遅れた場合は未加入だった期間の1か月ごとに1%ずつペナルティーが課され、その後一生涯ペナルティーを払う必要があります。(2020年度の場合、加入が1年遅れるごとに約$4加算されます。)
加入期間は65歳になる誕生月および前後3か月の7か月間、65歳以上でグループ保険を抜けて63日以内、もしくは毎年10月15日から12月7日のAnnual Enrollment Periodに加入(変更)ができ、後者の場合は翌年の1月1日より有効になります。
メディケアサプリメント(メディギャップ)
先述したパートC以外のオプションとして、メディケアサプリメント(メディギャップ)と呼ばれる民間保険会社提供の保険プランを選ぶ事が出来ます。サプリメントプランは政府によって標準化されておりプランはアルファベットのA-Nの名前が付けられています。こちらもたくさんのプランがあり、保険料はプラン内容や年齢によって設定されています。
サプリメントを選択された場合は薬のカバーはありませんので合わせてパートDを購入する必要があります。
こちらを選択した場合、ネットワーク(医師や病院)に制限がありませんので好きな先生にかかれますし、旅行などで州をまたいだ移動をしても安心です。
加入は任意で、パートCやDのように加入時期の制限やペナルティー等はありませんが、審査なしで必ず加入ができるのはメディケアパートBに加入後6か月以内の限られた期間のみとなります。それ以外は、持病があったりすると加入が制限されてしまうため、持病のある方は加入時期に十分な注意が必要です。
メディケア各パートへの加入は、決められた申請期限内に手続きをする必要があります。申請期間を逃がすとペナルティーがかかったり二度と加入ができなくなる場合もありますので、正しく理解をしておく必要があります。より詳しい情報を知りたい方は、ソーシャルセキュリティー事務所かメディケア取り扱いの保険代理店へお問い合わせ下さい。