ニューヨーク・タイムズとガーディアン紙は10日、グーグルが複数の国で「ペイパリティ(同一賃金)法」に違反していたと報じた。ペイパリティ法は、企業が同じ業務を行うフルタイム労働者と派遣労働者に平等な賃金を支払うことを義務付けている。グーグルは2019年5月にこのことに気づいていながら新入社員の賃金率のみを修正し、派遣社員への補償を行わなかったという。グーグルの派遣社員や契約社員の数は正社員を上回っている。アルファベット労働組合は、派遣社員、業務委託社員、契約社員に「法的に認められ、得られるべき賃金の全額」を支払うことを求める嘆願書を作成、8日の夜までに、140人以上のグーグル社員が署名したという。またこの嘆願書には同様の法律のないアメリカの派遣社員にも同様に支払うことを検討するように求めている。
ツイッター、投資家訴訟で和解
総額8億950万ドル支払う
米ツイッターは20日、過去の業績予想開示をめぐって一部の投資家が起こしていた集団訴訟で、原告側に総額8億950万ドルを支払うことで和解すると発表した。和解金は今年第4・四半期に現金で支払うという。和解には連邦地裁による承認が必要となる。原告は同社がユーザーエンゲージメントに関する判断を誤らせ、株価を人為的に上昇させたと主張していた。ツイッターは14年末に「タイムラインレビュー」の公表を中止したが、その後、15年6月に当時のCEOが退任した後、ユーザーエンゲージメントの低下を認め、株価が20%下落したという。
FB監督委員会
クロスチェック調査
フェイスブックの「監督委員会」は21日、政治家や芸能人などの著名人らに対する優遇措置を調査していると発表した。調査はフェイスブック社内で違反投稿があっても制裁を科さない「クロスチェック」と呼ばれるシステムを巡るウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道を受けて行われた。クロスチェックは当初著名人のアカウントに対して取られた措置の質を管理する目的で導入された。監督委のメンバーは声明で「SNS運営には透明性が不可欠だ。公正な取り扱いを受けているという安心感が、全ての人の利益につながる」とコメントした。
グーグル、マンハッタンのビル購入
史上最大級の取引
グーグルは21日、ニューヨーク市マンハッタンのオフィスビルを21億ドルで購入すると発表した。同社はすでにこのビルの賃貸契約を結んでおり改装を進めていたが、購入オプションを行使することを決めた。今回の取引はCovid-19流行が始まって以降、米国内の単一のオフィスビルとしては最も高額で、歴史的にも米国で最大級となる。グーグルばニューヨーク市で1万2,000人以上の従業員を擁しており、「今後数年間」でさらに少なくとも2,000人を雇用する計画。コロナ禍でオフィス空室率が上昇し賃料が下落する中、テック大手は豊富な手元資金を背景に不動産投資を拡大している。
倉庫作業員の権利保護
改正法成立
カリフォルニア州のニューサム知事は22日、倉庫労働者の権利保護を強化する州労働法の改正案に署名した。この法案は8日に州議会上院で可決されていた。成立した改正法は、雇用主に対し、生産性や作業スピードのノルマを従業員らに開示を義務付け、労働者の権利を侵害するノルマを従業員に要求することを禁じている。また、不当なノルマを達成できなかったことを理由に従業員を解雇したり、報復的措置を課すことを禁じている。また、この改正法は作業ノルマの追跡アルゴリズムに対する規制とプロセスの透明化を狙っている点で画期的だと言われる。
新規失業保険申請件数予想外の増加
カリフォルニアで急増
労働省が23日発表した9月18日までの1週間の新規失業保険申請件数は35万1,000件と、前週から1万6,000件増加した。8月終盤にハリケーン「アイダ」の打撃を受けたルイジアナ州で大きく減少したものの、カリフォルニア州での申請件数は2万4,221件増加したことがひびいた。この増加は予想外のこととして受け止められている。連邦政府はパンデミックに伴う失業保険給付の上乗せ措置を、6日に打ち切り、延長しない意向を示しているが、州政府はパンデミック救済の資金を失業者への追加支援に使うことができる。
ホーチミン─サンフランシスコ
唯一の直行便就航
ベトナムの不動産開発大手FLCグループが出資する航空会社バンブー航空は24日、ホーチミン─サンフランシスコ間の定期直行路線の開設に向けて協力を強化する覚書を、サンフランシスコ国際空港と締結した。両者はハノイ─サンフランシスコ線の試験飛行を行っていた。これにより両国を結ぶ唯一の直行便が乗り入れることになる。両国間は現在、乗継便で約20時間を要する。直行便によって15〜16時間程度に所要時間が短縮する。定期便はボーイング787-9型機を使用して週4便を運航する見通し。市場動向に合わせ、1日1便にまで増便を予定している。