「ぎっくり腰の謎」
J Weeklyの読者の皆さんお元気ですか?「カイロといえばドクター岡井!」と皆さんに言っていただけるように日々精進のドクター岡井です。最近、本当に日が長くなってきましたね。私も週に一度は、仕事の後にゴルフの打ちっぱなしに行って、下手なゴルフの練習をしています。私はゴルフが大好きなのですが、よくゴルフって腰に悪いんですか?という質問を受けます。
バイオメカニックス的見地から言えば、腰を前傾させて回旋運動をすることは腰に負担をかける動きになります。だから、あまりに練習をしすぎて、腰のケアをしないと腰痛になる可能性は高くなりますね。でも、適度な範囲のゴルフと腰のケアをちゃんとやれば腰を痛めることはそう多くはないはずです。どちらかと言えば、仕事で長時間座りすぎていることが原因で、ゴルフをしているときにそれが悪化するという方が多いような気がします。ウィークエンドゴルフぐらいは気にせず楽しめる腰でいるためにもやはりカイロは大切。
最近、クリニックにギックリ腰の方が多く来院されるのはとても気になるところ。コロナによるリモートワークで、長時間のオンラインミーティングと歩くことが減った人が多いせいかもしれませんね。ぎっくり腰で動けなくなると、皆さん気が遠くなるような痛みと、もう治らないような絶望的な気持ちでクリニックに来られます。中には痛みのために不機嫌になっている方もいますが、気持ちはわかりますので優しく対応します。
皆さん、ギックリ腰とは何か知っていますか?テレビドラマなどでは「グキッ!」という効果音で分かりやすく表現するので、ギックリ腰は、腰が「グキッ!」となってからなるものだと勘違いしてたりします。もちろん、そのようなテレビのシーンのような方もいるでしょうが、どちらかというとそうではないギックリ腰の方が多いかもしれませんね。かくいう私も、昔はベイエリアのローカル日本語テレビチャンネルのコマーシャルで「グキッ!」という効果音をコミカルに使っていましたね。そのコマーシャルを覚えている方は、かなりベイエリアに長い証拠ですね。
さて、ギックリ腰とは何かというと、これは正式名称ではなく、急性の腰痛に対する総称です。だから実際にはギックリ腰と言っても、原因も内容も様々です。では、どのような内容が多いかと申しますと、腰を長時間丸めて作業した後に腰に急激に負担がかかった場合や長時間の座り仕事によって腰の椎間板が腫れあがったところにさらなる負担をかけたような場合です。何かちょっとしたきっかけがあればいつギックリ腰になってもおかしくないという時に、何気ないことで腰が急に痛くなり動けなくなるのです。ひどい場合にはヘルニアになっていることもあります。「さっきまで何ともなかったのに謎だ!」という方がいますけど、それは正しくありません。正確に言うなら、「さっきまでは、ここまでひどい腰痛ではなかったのに。」でしょう。それでも「いや、自分は全く腰に痛みや不調を感じてなかった」と言い張るなら、それは余程鈍感なのか、腰が重だるかったり、少し痛かったりしたことを気に留めていなかったので自覚してなかったということです。そこには何の謎もないのです。
たくさん見かけるパターンですが、どうにか動けるので腰が痛い痛いと言いながらもゴルフをしている方は、いつギックリ腰になってもおかしくない時限爆弾を抱えているばかりではなく、椎間板を慢性的に痛めているので、椎間板や腰の骨の変形が水面下で急速に進行しています。目で見えないのでなかなか自覚できないし、見て見ぬふりをしますが、将来的にみるととても危険ですね。
心配しなくても急性のギックリ腰はやがて治ります。もちろん治療しなければ長引きますし、椎間板や腰の骨の変形がスピードアップするのです。だから、腰痛は繰り返すたびに治りが悪くなっていくのです。今までだったら10日もゆっくりしてればどうにか動けるようになっていたものが、10日経っても治らないというようになります。どうでしょう?将来、「どうしてギックリ腰になったか謎だ!」とならないように自覚をもって自分の腰を管理して、私のところでメンテをしてくださいね。