サンフランシスコ日本語補習校 幼小部 サンフランシスコ校 6年 西藤安菜さんの作品をご紹介します。
「小学生とスマホ」
サンフランシスコ日本語補習校 幼小部 サンフランシスコ校
六年 西藤 安菜(さいとう あんな)
「えー!」
びっくりした。まさかこんなにたくさんのクラスメートがスマホを持っているなんて。もちろん私もスマホは便利だと思う。しかしながら、小学生がスマホを持っていることに対しては問題を感じる。小学生は、スマホを使わなくてはいけない特別な事情がない限り、スマホを持つべきではないと私は思う。
スマホは「少しだけ」と思って開けてしまうと、次々としたいことを思いついて、多くの人が閉じたくなくなってしまう不思議な力、言いかえると魔力を持っている。特に小学生はその力に逆らえるほど意志が強くない。
私が小学生にスマホを持たせない方がよいと思う理由は三つある。
一つ目の理由は、危ないからだ。そのなかでも、歩きスマホは一番危ない。おそろしい行動だ。いくら「私はしない」と思っていても、ついついしてしまう。そして一度始めてしまうと終わりがない。スマホを見ているため下を向き、周囲に気を配りにくくなる。そこで最後には交通事故にあってしまうのだ。
このようなとんでもないことをしてしまうのはなぜだろう。それは、スマホをけいたいしていると、何か自分がしなくてはならないことがあるのではないかと気になるからだ。
小学生は先述したように意志がまだ弱く、その上、視野もせまいからもっとまわりが見えなくなり危険である。
二つ目の理由は、家族時間が失われるからである。家族時間とは家族同士が関わり合う時間のことだ。この時間を過ごすことで、悩みや問題がある時に相談しやすくなる。ところが、スマホの開発と進化によって、その時間が失われつつあるのだ。結果、家族に悩みを話すことがどんどん難しくなってしまう。
そうなってしまうと、悩みが次々と心の中に積り病気になってしまうこともある。
家族時間が失われる例として、私の父を挙げよう。私がまだ小さかった頃、彼はスマホには目もくれずに、三十分でも一時間でも、よく一緒にはしゃぎ、かけまわって遊んでくれた。しかし、スマホがより進化した今、父は五分十分スマホに触らずにいると落ち着かないように見える。スマホの進化だけが理由だとは言わない。きっと他にも理由はあると思う。だが、このような父の変化を見ていると、私は寂しくもの足りない気持ちになる。
小学生はというと、特に、遊びなどのアプリにはまり、大人よりもスマホに集中してしまう。
三つ目の理由は、スマホが健康に悪いからである。スマホはブルーライトという光を放っている。この光をたくさん浴びると夜寝づらくなり、すいみん時間が減ることもある。すいみん時間が減ると、集中力が落ちたり、怒りっぽくなったりしがちだ。
また、スマホに注意を引かれすぎると、体を動かす機会が減り、体が弱くなってしまうのだ。私たちの体というものは、しょっちゅう動かさない限り、体力が低下する。こうなってしまうと、なにをしても簡単に息切れしたり疲れてしまったりするのだ。
まとめて言うと、特別な場合を除き、スマホを小学生に持たせないことにより、子供の世界は安全、安心、そして健康的になるのではないか。このように私は考える。