生徒作文コーナー:「うちゅう人の手みたいだ」

サンフランシスコ日本語補習校  幼小部サンノゼ校 小学校3年 安田 十和(やすだ とわ)さんの作品をご紹介します。

「うちゅう人の手みたいだ」

サンフランシスコ日本語補習校 幼小部 サンノゼ校
小学校 三年二組 安田 十和(やすだ とわ)

 わたしのおじいちゃんが日本の福井市から来てくれることになりました。来てくれるまでわくわくして、ねむれませんでした。おじいちゃんは福井でいつも一人でさみしいので、いっぱいいっしょに遊ぶつもりです。

 いよいよサンフランシスコ空港までおじいちゃんをむかえに行きました。おじいちゃんに会えた時、むねがうれしさでいっぱいになって、なきそうでした。車にのってわたしたちの家につきました。

 わたしたちの家にはオレンジの木があります。おじいちゃんはオレンジの木を見ておどろきました。
「十和ちゃんの家にオレンジの木があるなんて、知らなかったよ。」
と、おじいちゃんが言いました。日本では、一つのオレンジが百円ぐらいなのにここではただで食べられます。おじいちゃんは早く食べたくてたまりません。おじいちゃんはあっという間にオレンジピッカーを持ちあげてオレンジをとり始めました。オレンジは直径15センチメートルぐらいです。
「小さなボールと同じぐらいの大きさだよ!」
おじいちゃんはびっくりして言いました。おじいちゃんがオレンジをとっている時の顔はまるでずっとほしかった物が手に入った時のようでした。

 かごがオレンジであふれてしまったので、わたしたちは次にオレンジをしぼることにしました。さいしょ、おじいちゃんはまちがえた切り方でオレンジを切っていたので、わたしは正しい切り方を教えました。おじいちゃんの手はオレンジ色でまるでうちゅう人の手でした。ギューと力いっぱいしぼってやっと一びん作れました。おじいちゃんが一口のむと、顔がおふろに入った時のようにさっぱりしていました。すっぱい物がすきなおじいちゃんは
「これから毎日のむぞ。」
とはり切っていました。

 おじいちゃんは、福井に帰るとまた一人ぼっちになってさみしいので、
「ずっとここにいたいな。」
と言っていました。わたしは、
「いいよ!」
と答えました。ずっといっしょに住んでずっと楽しい時間をすごしたいです。いつかアメリカで住めたらいいな。