父の遺した音楽を世界各国で響かせたい
生い立ち
初めまして、Burlingame在住のGuillermo Gattiと申します。今回は、私の人生の夢と闘争についてお話する機会を得られた事を感謝します。 私はアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれ、イタリアで育ち、その後14年間パリで過ごし、ロサンゼルスに移住した後サンフランシスコに引っ越してきました。
私の父は60~80年代にかけてアルゼンチン、イタリアで活躍した有名な音楽家、作曲家Angel Pocho Gattiです。父は亡くなる8年前、病気と闘いながら毎日作曲活動を続け、他界する前に父は「オーケストラが自分の作曲した音楽を演奏する夢があるん だ」と私に告げました。
音楽家の父
母が亡くなった時、約1000枚にも及ぶ壮大なクラシックオーケストラの楽曲の父の手書き譜面を見つけました。それは7つの交響楽団、2つのバレエの譜面でした。その時に、私は「父の遺した曲を聴きたい。父の夢を叶えたい」と思うようになったのです。
20年程前からその夢を実現させようと、協力をお願いする活動を始めました。色々なクラシックコンサートに出かけ、公演が終わる間際に指揮者やディレク ターに駆け寄り話しをしましたが、楽譜を見てくれる人は一人もいません。その苦闘は10年程続きました。そんな中、ミュージックディレクターのAlex Alessandroniに会いました。彼は「オーケストラで演奏する前に、この楽曲を法的に守った方が良い」と提案してくれ、早速、私は父の楽曲の著作 権登録をまず開始しました。なにしろ、1000枚に及ぶ譜面。気が遠くなるような手続きを経て、アメリカの著作権登録事務所で完全にレジストレーションが 済むまで、約一年の時間を要したのです。
生前のAngel Pocho Gatti氏 またある時、San Francisco Academy Orchestraの指揮者でありディレクターでもあるAndrei Gorbatenko氏に出会いました。そして、彼は私の夢の実現に向けて手助けを決意してくれました。ただ、オーケストラと共に仕事をするには、楽器は もちろん、音楽施設や必要な機器を維持するまとまった金額が必要なので、GoFundMeで資金を募りました。「必ず夢を実現したい」その一点だけが、私 を突き動かす情熱でした。
私を突き動かす情熱
実は、私は2017年にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されました。この病気は難病で治療法が無く、話す、歩く、物を持ち上げる、飲み込むなどの動作 をする際に筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなるという「運動ニューロン」が侵される病気です。医師には、「進行がとても早い病気なので、あと3 年~5年しか生きられない」と言われました。その時に、私の人生の大きな夢を必ず実現させようと強く誓ったのです。
しかし、その誓いをかき消すかの様に、身体の痛みが容赦なく襲ってくるのです。また、普通の食事が段々困難になり、食べ物や飲み物を飲み込む度にむせ、何 度か窒息しそうなことがあり、食欲が減り体重が20LBも減りました。痛みや体の不自由が引き起こす不安に耐えられない日や、夜も眠れない日々が続きまし たが、そんな困難な日々の中、喜ばしいニュースがありました。2018年1月に妻のRiekoが妊娠、8月30日に待望の女の子Annabellaが生ま れました。娘の為に、家族の為にと更なる生きる希望ができました。
いよいよ夢の実現へ
そんな私の奮闘する姿をずっと応援してくれているAndrei Gorbatenko氏をはじめ、GoFundMeなどで賛同してくださる方の協力を得る事ができ、ついに私の夢が実現します。 来る4月7日(日)、サンフランシスコで、父の遺した楽曲がSan Francisco Academy Orchestraによって演奏される公演が決定しました。”Galaxy!”と呼ばれる父の楽曲が、世界で初めて、演奏されるのです。友人である映画のプロデューサーが私の奮闘に興味を持ってくれ、ドキュメンタリーフィルムを現在製作中で、公演当日はメディアのカメラも入る予定です。父 もきっとこの楽曲を聴き、喜んでくれることでしょう。楽しみで胸が踊ります。是非、皆様もご家族やお友達とお越し下さい。
この公演がゴールではなく、私の人生の夢と奮闘は、まだまだ続きます。
演奏会の開催が決定!
4月7日(日)5pm-
@San Francisco
2515 Fillmore St., San Francisco
【指揮者】 Andrei Gorbatenko
【演奏】 San Francisco Academy Orchestra
【チケット購入サイト】 www.sfacademyorchestra.org/