新潟生まれロックンロール育ち Hiroshi Tommy Tomitaさん

新宿、ロサンゼルス、サンフランシスコを経てハワイ在住 11年目にしてバイクに積める物以外全てを捨て2017年9月28日より愛車のHARLEY-DAVIDSONにて放浪の旅に出ました。行き着いた場所は、超強力なパワースポットであり、UFO基地及び地底都市テロスなどで知られる北カリフォルニアのシャスタ山。この地から世界中に愛と真実を発信して生きたいと想います。
遊法 (UFO) 寺ウェブサイト: https://site-4524124-856-5508.mystrikingly.com/?fbclid=IwAR2nC0fw1WJxMpVuoPVvrmJnmCw7TGEskkY8tdiyoJrFCyBQo8Fc-32Lrs8

インタビュー・文章:飯島有輝子 akikoiijima

 カリフォルニアのほぼ北端に位置するマウントシャスタで陶板浴・宿泊施設(旧神楽かぐら)経営者であり、シャスタ山を訪ねるお客様のフルアテンド、さらに全く新しい『お寺』を運営するニュータイプの僧侶でもあるトミーさんに Jweekly がお話を伺いました。

◆現在シャスタ山でどのように暮らしていますか?

 北カリフォルニアのシャスタ山で陶板浴の宿「遊法寺(UFO)」を経営しています。ハワイにある曹洞宗総本山で修行をしたものの既存の「宗教」のイメージとは異なる「新しいスタイル」のお寺をコロナ禍のなかはじめました。お釈迦様の教えを中心に据え、知識と教養として「どうしたら皆が幸せに過ごしていけるか」を体現するカタチでのお寺活動。お釈迦様と同じように、生きている人がどうやったら幸せになれるか、ということを追及しながら、幸せな生き方をシャスタ山で実現したいという想いで、奥様(りさこさん、美容師さん)と二人で暮らしています。

◆不良の頂点を目指していたTommyさんが、アメリカに来た理由は?

 幼い頃から「いいなぁ」と思うモノ、スタイル、考え方、食べ物を突き詰めるとアメリカに辿り着き、いつかアメリカに行ってみたいとずっと思っていました。生まれ育った新潟から見ると、アメリカに行くのも月に行くのも同じくらい夢のように遠い存在。アメリカに「住む」ということはなかなか出来ないと思っていました。
 人生で100種類くらいの仕事を経験してきましたが、長くやってきたのはライブハウスの運営。新潟から東京に引っ越したある日、テレビ見ていた時に『春のお年玉キャンペーンLA往復19800円』という広告を見て、この金額が当時新潟に往復する値段と同じだったので、1回新潟に行ったつもりで休みをとってLAに行きました。ハーレーの本場LAでハーレーを走らせてみて、これはLAに住まなきゃ!と思い、帰国後は人に話を聞いたり、沢山調べたりして、アメリカに住める方法を考え、2006年末から周囲にアメリカで暮らすことを『勝手に』宣言し始め自分を追い込んでいったある日のこと、噂を聞いた知人から突然連絡がきてLAじゃないけどハワイでハーレーショップをやらないかという話となり、ビザ取得のサポートも得られ、2007年3月にアメリカへ。念願のLAではなかったのですが、ハワイへ行きそこで11年暮らすことになりました。

写真:12歳の Tommy さんと現在

◆100%自分を信じ切る!99.99% と 100%の違い

 この「アメリカで暮らす願いが叶っちゃう」経験以降、100%自分を信じることをやっています。99.99%でもダメ、100%自分を信じ切ることが夢の実現への道筋だと信じています。自分がやりたいことに対して不安に思う方って結構います。例えば、奥さんとカフェをやりたいと思ったとして、売上になるのか、支払いがちゃんとできるのか、クレームが来るのではないか、など考え始めたらいくらでも不安な材料はあります。だけど不安を一瞬でも感じてしまうと、その不安に思ったコトを引き寄せてしまう(これは過去に経験済み)。同じ引き寄せるなら『いいことを引き寄せる』ことが大事。もちろんリスクへの対策はとても大事ですが、ただ目の前の道を信じ切り、不安に引っ張られないことが大切ではないでしょうか。お客さんが来て喜んでくれる、良く出来た!というイメージをより強く持つということ。
 日本では、教育システム・環境などを含め、社会全体が不安を感じやすいと感じています。異色を認める、人と違うことをすることを認める、みんな考えが違う、ということを真の意味で理解し、プラス面を信じ切ることで運命が拓けてくると信じています。

◆自分がユニークな存在と気付いたのはいつ?

 小学校に入学した時点ではっきり分かった気がします。入学するのがとても楽しみだったのですが、みんなが同じことをしていることに初日からもの凄く違和感があったのを記憶しています。これまで45年間生きてきたなかで、ずっと「社会の枠組みから外れた変わった人」だったが、コロナを経て、この生き辛さは社会システムと自分の生き方の整合性がまるで無かったことから来ていると分かった。幼い頃からの生き辛さを経て、これは自分が持って生まれたお役目だと理解するようになりました。お役目とは何か…それは自身の生きかたを通して周囲に良い影響を与えていく、ということ。どんな意味においても「自分で生きること」で周囲に影響を与ることが出来ると思います。今回のコロナで人間に問いかけられたことは、「自分で考えて、自分で行動する」ことだったのではないでしょうか。

◆一番困っている状態が一番幸せ?ストリート系の幸福論

 これまでの人生で一番幸せだと思った瞬間は、シャスタ山への道中でのことでした。当時住んでいたハワイで寝ていたある日の早朝、はっと目が覚めて「シャスタ」ということばが聴こえた。それが何か知らず、ケータイで検索した時に見たシャスタ山の写真に突然「ここに行かなくては」と思い、その後起きてきた奥様に「俺、シャスタに引っ越すわ」と告げ、その日のうちに仕事も家も手放し、愛車のハーレーと共にシャスタにきました。全てを手放し、太平洋を縦断してシャスタに来た時に感じた、なんの縛りもない、ただシャスタを目指してハーレーを走らせている…その時に完全なフリーダムを感じ、もの凄く幸せだった。こんな話をするとお金があるんだろうと言われるが、実際そんなことはなく、ただひとつ言えるのはお金ではなく「感謝を溜める生き方」をしてきたということ。一番困っている状態、そこに幸せを感じられるのはもしかしたらストリート系の「悟り」なのかもしれません。

◆コロナでビジネスへの影響はどうでしょうか

 元々シャスタ山の街、シャスタタウンにある神楽(かぐら)という宿泊施設(陶板浴)の経営をベースとして、日本からまたはローカルでシャスタ山を訪ねるお客様のフルアテンド・スピリチャルのグループのフルアテンドをしています。今年6月から遊法寺(UFO寺)という名前で再スタートをしました。2020年3月時点で、1年間びっしり予約があったものの、その後カリフォルニア州がロックダウンとなり、100%キャンセルを経て、2020年5月から次第にローカルが訪ねるようになったものの、日本からのお客様が来れないことからビジネス的には厳しさは続いていますが、コロナ禍になってから良いことが多く起こり、なぜかとても楽しく暮らしています。コロナの影響で大変な方もたくさんいらっしゃったと思います、ただ視点を大きく広げると、そこから「時代は確実に変わった」ことがはっきりと分かった気がします。モノゴトは良きも悪きも起こりますが、この良し悪しの捉え方は実は本人の気持ち次第だと思っています。ビジネスが全て止まったその時、ずっとやってみたいと願っていた「お寺」をはじめようと思って実際にはじめてしまいました。「本来の自分の生き方」を選び、実践している人たちはコロナになってからも幸せに暮らしている人が多い気がしています。

◆新しい事を始める時に不安を感じる人、既存の枠から出たい人へのメッセージ

 本当にそれが自分のやりたいことなのかどうか、これが何よりも重要。周りから言われているからやっている?社会的に良いことだから?親が言うから?それらは全て除きます。自分がやりたいことだからやる。既存の枠から出ていくことで経験すること、そんな中に思いもよらない人生のヒントがあると信じています。リスク管理的に最悪な状態を想定してから進む、とまず先に考えるかもしれませんが、逆の「思いもよらぬこと」も絶対に起こります。例えば、スゴイ良いお客さんが来てくれて、沢山お客さんを紹介してくれたり、頑張っているからと出資してくれたり(これも経験済み)。マイナス面や不安も当然あるが、そこにフォーカスするのではなく、いいことって絶対に起こると100%信じ切って、よしやってみよう!と行動しなければ何もおこらないので、まずやっちゃいましょう!人に迷惑をかけられない、という人がいますが、仏教を学んだ上で思うのは人は生きているだけで迷惑な存在なので(笑)一生懸命頑張っていて迷惑かけるんだったらいちいち気にする必要がないと想います。失敗とは場数を踏んでいるという意味と思えたらと一歩踏み出せるのではないでしょうか。

◆日本について思うこと

 みんなが楽しいことを考えること、笑顔。楽しいことが人生で一番大切なこと。日本の学校でマラソンを楽しくやっていたら「楽しそうにするな」と怒られた人の話を聞いた事がありますが、楽しいことを考えてはいけないと思わせられている節がある気がします。ですが、楽しいことが嫌いな人は世のなかひとりもいないはず。みんなが楽しいことを考えている時、他人がどうするかはどうでもよくなってくる。やりたいことに向かってやっているとき、他人の欠点をけなすなどしなくなる。楽しいことを押さえつけられていると、人のあらを探し始めたりする、足を引っ張ったりする。日本の人にとってちょっとふざけろよ、というのがちょうどよいバイアスではないかと思います。アメリカから見ていると日本は法律に加え『世間の目』で暮らしががんじがらめになっているように見えます。憧れのボブマーリーは「すべての法律が違法だ」という名言を残しています。

◆日本の若者へのメッセージ

 これまで宗教があるから、世の中「対立」と「破壊」がある。すべての宗教が良くないと思ってきた。宗教に否定的でありながら、お寺で修行させてもらい、お寺の在り方を見た時に、宗教の必要性というものを感じました。宗教というのは人の生きるところに必要だ、と学んだ今は宗教は決して否定しない。宗教があった上でその枠組みを乗り越え、「どうやったら皆仲良くなれるか」の輪を大きく広げたいと願っています。遊法寺(UFO寺)の檀家・信者はゼロ、そういう仕組み、ですが助け合える友達はたくさんいる。自分でシャスタ山フルアテンドのビジネスをやりながらお寺、というカタチを取ってお釈迦様の生き方・自分の生き方で実践しながらみなさまに見せていきたいです。