今週のニュース 5月5週目

ファーウェイへのサービス停止米IT企業

グーグルは中国のファーウェイのスマートフォンに対する一部サービスの提供を打ち切る。ファーウェイによる米国の技術へのアクセスを認めないとした米当局の判断。ファーウェイは先ごろアップルを抜き、サムスン電子に次いで世界2位のスマホメーカーに浮上した。同社のスマホは基本ソフト(OS)にグーグルの「アンドロイド」を使用している。ファーウェイは「アンドロイド」の無償公開版のみ使用可能となる。また、インテルやクアルコム、ザイリンクス、ブロードコムなど半導体メーカーは、追って通知があるまでファーウェイに供給しない方針を従業員に伝えた。一方、中国メディアは21日、ファーウェイは今秋にも、スマートフォンなど向けに自社開発したOSを実用化すると報じている。スマホだけでなくタブレットやパソコンなど自社の幅広い端末に採用するという。

報道の自由を侵害SF市警に避難集中

サンフランシスコ市警が22日までに、外部流失した内部文書の出元を特定するために強行したフリージャーナリスト宅への強制捜査に対し、「報道の自由」の侵害行為だと非難が集中している。このジャーナリストは、警察関係者から2月に死亡した公選弁護人ジェフ・アダチ氏に関する捜査報告書を入手し、その内容が報道された。警察はジャーナリストに取材源を明かすよう求めたが、拒否されたため、自宅の強制捜査に踏み切った。警察トップは「警察職員が第一の捜査対象だ」と捜査の正当性を訴えたが、市警の警官組合も署長の辞任を要求している。

クアルコムは競争を阻害サンノゼの連邦地裁

サンノゼの地方裁判所は22日までに、半導体大手クアルコムがスマートフォン向け半導体市場で独占禁止法に違反したとの判断を示した。クアルコムが携帯電話向け半導体市場での優位的な地位を利用して電話メーカーに過剰な特許使用料を課し、競争を阻害したとしている。同社はビジネス慣行の見直しを迫られる可能性もある。判断を受け、22日のクアルコム株は約11%急落した。クアルコムは、判断の差し止めを求めるほか、上訴する意向を表明。同社の弁護士は声明で「判事の判断、事実の解釈、法律の適用に強く反対する」と主張した。

偽アカウント34億件削除フェイスブック

フェイスブックは23日、3月末までの半年間に削除したフェイク(偽)アカウントの数が34億個に上ったと発表した。フェイスブックの月間アクティブユーザー数は23億8000万人で、削除した偽アカウントの件数は月間アクティブユーザーよりもわずかに少ない水準だった。18年10〜12月期に削除した偽アカウントの件数は12億件だった。マーク・ザッカーバーグCEOは偽アカウントの削除件数が急増した理由について、「自動化された攻撃で、大量の偽アカウントを一気に作ろうとする動きが増えている」と説明した。

壁建設に一部差し止め連邦地裁

オークランドの連邦地裁のヘイウッド・ギリアム判事は24日、メキシコ国境沿いの壁建設に軍事予算を振り向けるドナルド・トランプ大統領の計画に対して、一時差し止め命令を出した。トランプ大統領は、2月に非常事態宣言を出し、議会の反対を押し切って壁建設の予算を確保したが、司法が待ったをかけた形だ。政権側は最高裁まで争う構え。判事は議会の承認を得ずに予算の使い道を決めるのは大統領の行き過ぎた権力行使だと指摘した。政権が捻出した計67億ドルのうち、10億ドルの転用を認めないとする仮命令を出した。

未臨界核実験実施トランプ政権で2度目

ローレンス・リバモア国立研究所は24日、ネバダ州の実験場で核爆発を伴わない未臨界核実験を今年2月に行ったと発表した。米国の未臨界核実験は2017年12月以来で通算29回目。同研究所によると、「エディザ」と名付けられた実験は2月13日、ネバダ州の砂漠の地下で実施された。保有する核弾頭の安全性向上のためプルトニウムのデータを得るのが目的としている。トランプ政権は18年2月に発表した「核態勢の見直し(NPR)」で、核軍縮の方針を転換し、爆発力の小さい低出力核弾頭や核巡航ミサイルの新規開発を表明している。