今週のニュース 5月3週目

クジラの死体発見サンフランシスコ海岸

サンフランシスコのオーシャンビーチで6日、深い傷を負ったコククジラの死骸が見つかった。海洋哺乳類センターは7日、このクジラの死因は「貨物船との衝突による頭蓋骨と背骨の複雑骨折」だと発表した。同センターの病理学者パドレッグ・ドゥイニョン博士によると今年3月10日以降、2カ月間で合計9頭のクジラが死亡しており、「極めて異常事態」だという。9頭の死因は、4頭が船との衝突、4頭が栄養不足、残る1頭については不明。また、衝突事故で死亡したクジラにも栄養不足の可能性が指摘されている。クジラの栄養不足の原因は「気候変動による海水温とエサ不足の可能性が高い」と同センターは指摘している。気候変動により北極圏の海氷が溶けて、エサとなるプランクトン、エビやカニの生息環境が変化、エサの獲得競争が激化している可能性がある。

檻かベッドか双子の親逮捕

サクラメントの北マドック郡ツールレイクで先月、双子の幼児を犬小屋のような檻に入れていた両親が子どもに対する危険行為の容疑で逮捕された。逮捕されたのは25歳の男とそのガールフレンド。銃器の不法所持の容疑で容疑者宅を捜索した保安官が重ねた檻の中の双子の男児を発見したという。保安官は、銃3丁と弾丸、薬物などを発見し、その容疑でも逮捕した。容疑者らは檻のように見えるのはベビーベッドで、危険を防ぐために双子を入れていたと主張、幼児に別状が見られなかったため、保安官事務所は子供に関する容疑は取り下げたという。

病気の教諭のために父兄ら資金集め

サンフランシスコの小学校で乳がん治療のため今年度いっぱい休職する教諭がその間、代用教員をたてる費用として一日200ドルを支払わされていることが明らかになり、父兄らが問題視している。教諭はグレンパーク小学校の2年生の担任だった。年間決められた病気休暇を超えた分の費用の支払いは州法で規定されており、違法ではない。しかし、この学校に子どもを通わせる父兄らは「信じられないことだ。絶対に何か間違っている」と批判している。父兄らは教員のためにクラウドファンディングで資金集めを開始し、すでに1万4000ドルを集めたという。

ホームレス問題で寄付マーク・ベニオフ夫妻

セールスフォースCEOのマーク・ベニオフ氏と、妻のリン・ベニオフ氏がホームレス問題の解決に向けて、3000万ドルをカリフォルニア大学の研究チームに提供した。夫妻は同大学で「Benioff Homelessness and Housing Initiative」というホームレス問題の研究プログラムを開始する。そこで得られたデータを政策立案者や地域コミュニティのリーダーらと共有する。ベニオフ氏は「エビデンスに根ざした役立つデータを提供していく」としている。イニシアティヴのリーダーを務める同大のマーゴット・クーシェル教授は「解決策のアイディアが政策立案者らに十分届いていない」と話している。

ウーバーIPO直前ドライバーが抗議行動

ウーバーの株式上場を2日後に控えた8日、同社のドライバーたちがサンフランシスコの同本社前で抗議行動を行い、マーケット・ストリートをデモ行進した。ドライバーらは賃金と待遇の改善、透明性のある条件、発言権を求めている。同様の抗議行動はシドニーやロンドン、ニューヨークでも行われた。参加者は「ウーバーは支払金とレートを十分な説明もないままカットしており、長時間労働を強いられている」と話している。10日、ニューヨーク証券取引所に上場した同社株の初値は1株42ドルで、売り出し価格(45ドル)を下回った。

フェイスブックに解体の声共同創業者、上院議員

フェイスブックの共同創業者のクリス・ヒューズ氏は9日、同社は分割すべきとの見解を表明した。同氏はニューヨーク・タイムズ紙のオピニオン欄への寄稿で同社を退職して10年になるが、共同創業者として「怒りや責任を感じている」とし、同社のマーク・ザッカーバーグCEOが強大な権限を有してることを批判した。また、民主党の大統領候補選に名乗りを上げているエリザベス・ウォーレン上院議員も「大手ハイテク企業はあまりに影響力を持ちすぎている」とツイートした。また同じくカマラ・ハリス上院議員も同社の解体を主張している。