サンフランシスコ プライド・パレード 2019 Jun 30thレポート “Generations of Strength, Resistance and Hope”

サンフランシスコ プライドパレード 2019
ツインピークスにピンクの三角形 photo by Sandy Morris

今から50年前の1969年6月28日、ニューヨークにあったゲイバー “Stonewall Inn”にて、弾圧的な踏み込み調査をしていた警察官に対し、同性愛者達が初めて真っ向から立ち向かった。この事件は『ストーンウォールの反乱』として記録されているが、その翌年、同性愛者の解放を掲げ5000人以上の男女がニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジで行進をした。そこから毎年、6月の最終末にパレードをするようになったのがLGBTQプライドパレードの始まりである。
 
近年では国際的にもLGBTQの理解が広まり、台湾ではアジアで初めて同性婚カップルが誕生し、南米エクアドルで同性婚が合法化された他、南アフリカのボツワナでは同性愛者を罰する法律が廃止された。今年は Stonewall 50をキーワードに、ニューヨークでは最大規模のパレードが行われ、サンフランシスコでは、新たにメキシコとカナダの領事館もパレードに全面協力し、国際的なLGBTQへの理解をより一層深めた。

サンフランシスコ Pride Parede は1970年に始まったパレードの50周年に合わせ、去年から”Generations of Strength, Resistance and Hope” の3つのテーマを掲げている。2年目の今年は “Resistance”、50周年の来年は”Hope” で締めくくられる。

毎年ツインピークスに掲げられるピンク色の三角形(写真上)をご存知だろうか。全長200フィート(約60メートル)に及ぶこのマークは、もともとナチ政党による収容所で、同性愛者を辱めるマークとして使われていた。戦争が終わり収容所が解体された後も、このピンクの三角形を付けられた人々は牢屋に閉じ込められ迫害され続けた。このピンクの三角形はその時犠牲となった多くの人々のことを忘れないよう、プライドパレードの時期に毎年100数十人のボランティアによって掲げられるようになった。

サンフランシスコ プライドパレード 2019
Left and Middle photo by Abby Zimberg / Right photo by Sandy Morris

1972年からプライドパレードに参加しているMarcy Adelmanさんは、こう述べている。「プライドの月は、私たちが歩んで来た道、今いるところ、そしてこれからどこに向かうのか、じっくり考える時です。」 (*1)

“Hope”と題された来年の50周年パレードは、2020年アメリカ合衆国大統領選挙の大統領候補の指名の時期とも重なることも注目されている。今年のパレードを見逃した人も、来年は参加してみてはいかがだろうか。

資料提供:San Francisco Bay Times

San Francisco Bay Times は1978年創刊の LGBT情報紙の先駆け的存在。現在ではLGBT専門誌としてはFacebookとウェブサイト上で最もフォロワー数とエンゲイジメントが活発なメディアとなている。Bay Times Mailing List に登録すると、LGBTQ関連の最新情報がえられる。

(*1) http://sfbaytimes.com/pride-2019/