2019年度 国際交流基金グラント贈呈式

左から草清氏、坂本理事長、南理事、高松校長

今月24日(土曜日)サンフランシスコ金門学園講堂にて国際交流基金グラント贈呈式がとりおこなわれた。在サンフランシスコ日本国総領事館の調査員、草清理絵氏から9,000ドルのグラントが金門学園の坂本錦子理事長に贈呈された。このグラントは、サンフランシスコ金門学園の理事であり、サンフランシスコ州立大学の教授でもある南雅彦氏主導の申請により贈られたものだったという。

南氏は式内で、「国際交流基金は、日本語教育の促進ばかりでなく、国際文化交流プログラムの包括的かつ効果的な発展を目指しているが、その国際交流基金から助成金を受けることは非常に喜ばしいし、助成金のおかげで金門学園が日本語プログラムを維持できる」と生徒たちに語られた。

総領事館の草清氏は、「金門学園が日本語の教育と伝統をコミュニティに保持してくれることにとても感謝します」と述べた。

式の最後に、坂本理事長と草清氏から「日本語できます」と記された可愛らしいバッジを一人一人全生徒に手渡され、生徒たちの多くは早速身に着けていた。金門学園は、1911年在留日本人社会の児童に対する日本語教育機関の必要性を唱え、新渡戸稲造博士の推薦で鈴木孝志氏により設立された。第二次世界大戦中閉校したが、現在は日本語学校として開校しており昭和天皇や明仁上皇も訪問されている。

開校当時、日系人たちはアメリカで大変厳しい差別を受けつつも、子供達に対する日本語や日本文化の教育には努力を惜しまなかった。しかし、現在は、高収入が得られる仕事につくために、アメリカ人としてのアイデンティティを持って生きていく日系三世や四世も多いことだろうし、日本語が外国語になっている場合もあるだろう。創設から100年を経た金門学園は、そうした日系社会に日本の教育や文化の遺産を後世に伝えてくことを課題に、ベイエリアの日系社会へ貢献をするよう努めている。